Story 002
atsumi
ミシン刺しゅうにさらにアレンジを加えて、
自分だけのモチーフに。
Apr 20, 2020
刺しゅうデータをダウンロードできるサービス「ハートステッチズ」に新たに加わったatsumiさんがデザインした模様の活用例を前回の記事でいくつかご紹介しました。今回は、模様に手刺しゅうを加えたり、色を変えたりなどのアレンジの仕方について、atsumiさんにお話を聞きながら見ていきましょう。
――過去にも刺しゅうデータの活用例を紹介してきましたが、新たに縫製してつくったものと既製品と、2種類のものに刺しゅうを施して紹介してきたんですね。
この作業用エプロン(写真上から1枚目)は、先に布地にミシン刺しゅうを入れたものを渡して、仕立ててもらいました。「刺しゅうミシンがほしいけど、買ったあとにどのように活用できるんだろう」と思う方もいらっしゃると思います。私は縫製はできないのですが、このミシン自体は刺しゅうも普通縫いもどちらも可能です。
既製品にミシン刺しゅうを施して楽しむのももちろんおすすめなのですが、オリジナルグッズを作るのもどうですか?という提案もしたくて、活用例を紹介するページではこのために仕立てたものを使いながら紹介しています。
――ミシン刺しゅうに手刺しゅうを加えるアレンジはすぐに真似できそうです。
このツールボックス(写真上から2枚目)は、布地に映えるように白いミシン糸を選びました。ミシン刺しゅうが終わったあとに、黄色い刺しゅう糸で手刺しゅうを加えたのですが、色を足してあげるだけでもかなり雰囲気が変わりますよね。
プリントがある生地にぬり絵をするように刺しゅうするというワークショップをしているのですが、ミシン刺しゅうでも同じようなことができるなと思ったことがきっかけです。縫製ができない方でも、箱に布を貼る作業はボンドなどでうまくできるのでチャレンジしやすいと思います。他にも、ミシン刺しゅうを施した布地を額装するのも素敵だと思います。
――ソーイングツールの模様は回転させても楽しめるモチーフなんですね。
上下どちらで使っても模様がきれいに見えるはずです。お好みに合わせて変えたり、単色の模様なので色を変えるだけでも使い方の幅が広がります。
――ギンガムチェック(写真上から6枚目)に施したアレンジについて教えてください。
これは小さな女の子用を想定したレインコートです。手刺しゅうで襟を付けて、名前のイニシャルを入れました。小さなお子さんだともう少しコントラストが強い方がいいかなと思ってミシン糸の色も変えています。
――花柄に花の模様を合わせるのも意外性があります。多色使いの模様は、ついつい無地の生地に合わせがちですよね。
手刺しゅうだと、こういう生地だと絵が写しづらいんですよね。色選びも難しく感じるかもしれません。花柄に花模様を入れてしまうと刺しゅうがわかりにくくなるケースが多いので、苦手意識がある方も多いと思います。そういう意味ではミシン糸の色をこのくらい変えるとこんな見え方がしますよという参考例になればいいなと。
――布地と刺しゅうの合わせ方で気をつけるべきポイントについて教えてください。
色や柄のコントラストが強いものだと刺しゅうが埋もれてしまいます。例えば、上で紹介したギンガムチェックは色数も少なく、濃すぎないので刺しゅうが映えるんです。同じような色合いで、薄めのストライプ柄などにも合うと思います。
手刺しゅうを加えたり、指定の糸色とは違うミシン糸を選ぶことでオリジナリティを出すことができます。parieを使われている方は、つくること全般がお好きだと思うので、ちょっとした工夫をすることで変わる楽しさがあることを伝えられたらなと思っています。
text:高山かおり photo:中矢昌行
Link of Motifs
atsumiさんがデザインした新たな刺しゅう模様のダウンロードは、「ハートステッチズ」からダウンロード可能です。※会員登録後、有料での販売となります。
刺しゅうを知る、楽しむ、新しいきっかけを
刺しゅうはきっと、普段の生活に関わるもののなかにひとつはあって、一度は触れたことがある、とてもありふれたもの。しかし、時に記憶の奥深くに残ったり、ものに対する想い入れを強くしたりもする、ちょっと特別なものでもあります。
どうして刺しゅうに惹かれたの?
SeeSew projectは、刺しゅうの作品をつくったり、ライフスタイルに取り入れたりしているクリエイターの方々にそんなことを聞き、改めて刺しゅうがもつ魅力を探るために立ち上げたプロジェクトです。幼い頃にお母さんからもらったもの、お子さんに施してあげたもの、親しい人からプレゼントされたもの。あなたの身近にありませんか?SeeSew projectで話をうかがった方々は意外と、何気ないことを機に刺しゅうに魅了されているようです。