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省エネ補助金の最新情報とポイントを解説!
令和6年度補正予算 省エネ・
非化石転換補助金 2025年度版
公開日:2025.04.15
これから工作機械の更新を考えている企業が知っておきたい補助金の一つに、省エネ・非化石転換補助金(省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金、省エネルギー投資促進支援事業費補助金)があります。同補助金は、省エネ効果の高い工作機械の導入にも使える補助金です。本記事では、令和6年度補正予算で決定した省エネ・非化石転換補助金の詳細についてお伝えします。
省エネ・非化石転換補助金とは
省エネ・非化石転換補助金は、省エネ設備・機器と非化石エネルギーを使用する設備・機器の更新費用等の一部を支援する補助金で、工場全体と設備単位での省エネ取組を支援しています。
工場・事業場全体の省エネ
予め指定された先進設備・システムなどを活用して工場・事業場全体で大幅な省エネ化を図る事業(Ⅰ型)や、ヒートポンプや低炭素工業炉、コージェネレーションなど特定の機器を導入して電化・脱炭素目的の燃料転換を行う事業(Ⅱ型)、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入してエネルギー使用状況の見える化や運用改善を図る事業(Ⅳ型)に係る経費の一部を補助し、工場・事業場全体での省エネ取組を支援いたします。
設備単位の省エネ
産業業種によらず汎用的に使われる空調や冷凍冷蔵設備、ボイラ、工業炉などのユーティリティ設備や、工作機械や印刷機などの生産設備について、定められた基準を満たした省エネ効果が高い高効率な設備(指定設備)に更新する事業(Ⅲ型)に係る経費の一部を補助し、設備単位での省エネ取組を支援いたします。EMSを導入してエネルギー使用状況の見える化や運用改善を図る事業(Ⅳ型)との併用も可能です。
省エネ・非化石転換補助金の概要
省エネ・非化石転換補助金は、省エネルギーの推進を目的に工場事業全体と設備単位の両面から、国内で事業を営む法人と個人事業主の省エネルギー対策を4つの事業区分で支援しています。
事業区分 | 概要 |
---|---|
(Ⅰ)工場・事業場型
|
予め指定された先進設備・システム、設計が伴うオーダーメード型設備、高効率な設備として登録及び公表した指定設備などを活用して工場・事業全体で大幅な省エネ化を図る事業 |
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型 | 化石燃料から電気への転換および低炭素な燃料への転換など、電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う効率的な設備(指定設備)へ更新する事業 |
(Ⅲ)設備単位型 | 高効率な設備として登録および公表した省エネ性の高い特定のユーティリティ設備、生産設備等へ更新する事業 |
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型 | 見える化や運用改善により、省エネを図る事業 |
公募スケジュール
今年度の公募は一次から三次までの3回の公募が予定されていますが、一次公募の申請状況により、二次公募および三次公募の予算が変動することが考えられます。
公募回 | スケジュール | 予算、額 |
---|---|---|
一次公募 |
公募期間:3月31日~4月28日 交付決定:6月中旬(予定) |
約150億円(2025年度分) 約15億円(2026年度分) |
二次公募 |
公募期間:6月上旬~7月上旬(予定) 交付決定:9月上旬(予定) |
約110億円(2025年度分) 約20億円(2026年度分) |
三次公募 |
公募期間:8月中旬~9月下旬(予定) 交付決定:11月中旬(予定) |
約10億円(2025年度分) 約10億円(2026年度分) |
工作機械導入に活用できる型・枠
工作機械導入には、(Ⅰ)工場・事業場型、(Ⅲ)設備単位型で活用することができます。
事業区分 | 工作 機械 導入 |
概要 | |
---|---|---|---|
(Ⅰ)工場・ 事業場型 |
先進枠 | 〇 | 外部審査委員会で審査・採択した「先進設備 ・システム」へ更新 |
一般枠 | 〇 | オーダーメード型設備または省エネ効果が高い効率的な設備(「©指定設備」)へ更新 | |
中小企業 投資促進枠 |
|||
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型 | × | 電化・脱炭素目的の燃料転換を伴う省エネ効果が高い設備へ更新 | |
(Ⅲ)設備単位型 | 〇 | エネルギー消費効率等の基準を満たし、登録された「©指定設備」へ更新 | |
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型 | × | エネルギーマネジメントシステム機器の導入 |
(Ⅰ)工場・事業場型は、工場全体の省エネ率が要件となり、補助上限額、補助率が高く設定されています。複数の設備更新など大規模な設備投資をする際に検討してみてはいいかがでしょうか。(Ⅲ)設備単位型は設備の省エネ率が要件になっています。次にこれらの要件などを確認します。
●(Ⅰ)工場・事業場型 先進枠
事業要件 | 先進設備・システムの導入 ※対象設備の検索はこちら |
---|---|
省エネルギー の効果要件 |
原油換算量ベースで以下のいずれかの要件を満たす事業
|
補助対象経費 | 設計費・設備費・工事費 |
補助率 | 中小企業 2/3以内 大企業 1/2以内 |
補助金限度額 | 単年度事業 15億円 複数年度事業 30億円 連携事業 30億円 |
●(Ⅰ)工場・事業場型 一般枠/中小企業投資促進枠
一般枠 | 中小企業投資促進枠 | |
---|---|---|
事業要件 | オーダーメード設備又は省エネ効果が高い高効率な設備(©指定設備)
※©指定設備の検索はこちら |
|
省エネルギー の効果要件 |
原油換算量ベースで以下の いずれかの要件を 満たす事業
|
原油換算量ベースで以下の いずれかの要件を 満たす事業
|
補助対象経費 | 設計費・設備費・工事費 | |
補助率 | 中小企業 1/2以内 大企業 1/3以内 |
中小企業 1/2以内 大企業 対象外 |
補助金限度額 | 単年度事業 15億円 複数年度事業 20億円 連携事業 30億円 |
●(Ⅲ)設備単位型
事業要件 | 省エネ効果が高い高効率な設備(©指定設備)の導入 ※対象設備の検索はこちら |
---|---|
省エネルギー の効果要件 |
原油換算量ベースで以下のいずれかの要件を満たす事業
|
補助対象経費 | 設備費 |
補助率 | 1/3以内 |
補助金限度額 | 1億円 |
(Ⅲ)設備単位型採択率の推移と採択のポイント
(Ⅲ)設備単位型は、事前に各メーカーによって登録された設備が対象となっているため、申請がしやすく、1台の設備更新から補助を受けることができます。そのため個人事業主や小規模事業者でも利用しやすくなっています。
この(Ⅲ)設備単位型の過去採択率の推移と今年度の採択ポイントについてみていきます。
過去採択率
過去の採択率は、予算額と申請件数により52%から93%と大きな幅があります。今年度の公募から省エネルギーの効果要件が追加されているため、この要件を満たすことが採択の最低条件になります。
公募年月 | 2021年 5月 |
2022年 3月 |
2022年 5月 |
2023年 3月 |
2023年 5月 |
2024年 3月 |
2024年 5月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
申込件数 | 2,323 | 1,106 | 1,594 | 1,920 | 1,622 | 2,003 | 2,344 |
採択数 | 1,241 | 974 | 828 | 1,307 | 1,515 | 1,199 | 1,316 |
採択率 | 53% | 88% | 52% | 68% | 93% | 60% | 56% |
採択のポイント
省エネルギーの効果要件は、原油換算量ベースで以下のいずれかの要件を満たすことが必要となっています。
- 省エネ率:10%以上
- 省エネ量:1kl以上
- 経費当たり省エネ量:1kl/千万円以上
省エネルギーの効果は、メーカーが発行する製品情報証明書をベースに算出する指定計算と、申請者が独自に省エネルギー計算を行い、省エネルギー量を算出して申請することもできます。
©指定設備に登録されている設備は以下の基準で登録されているため、申請要件の省エネルギー効果を満たしていない設備も含まれます。その場合、独自計算を用いて省エネルギー効果要件を満たす必要があります。
基準 | |
---|---|
項目1 | 2014年以降に販売が開始されたモデルであること。 (最新モデルである必要はないが、中古品は対象外である。) |
項目2 | 生産性の向上に資するものの指標(エネルギー効率、生産効率※)が同一の製造事業者における一代前モデルと比較して年平均1%以上向上している設備であること。 |
※対象設備の検索はこちら
省エネルギー効果が高いものから採択れるため、申請者の手間にはなりますが、独自計算で省エネルギー効果を試算し、申請することで採択の可能性を高めることもできます。
補助金を活用して省エネ対策と新設備の導入を
令和6年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金は、工作機械の導入にも使える補助金です。補助金を活用した省エネ対応の工作機械の導入は、経営への負担を抑えながらコスト削減や生産性向上を図れる利点があります。
省エネ補助金を活用して、設備導入を検討している皆様は、必ず最新の公募要領を確認して申請準備を進めるようにしてください。
※事務局と詳細については
こちら
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文・編集:SPEEDIO マシナビ編集部
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https://www.brother.co.jp/product/machine/speedio-navi/
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