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【2024年度】工作機械導入に
活用できる助成金制度を一挙紹介
公開日:2024.09.17
助成金制度や税制優遇措置を活用することで、工作機械の導入にかかるコストを削減でき、企業の競争力強化につなげられます。本記事では、工作機械導入に関連する主要な支援制度をまとめてご紹介します。
各制度の条件や支援内容をわかりやすく解説しているので、「新たに工作機械を導入したい」という事業者の方はぜひ最後までご覧ください。
INDEX
【2024年度】工作機械関連の
主要な助成金・税制優遇一覧
工作機械の導入や更新に活用できる制度には、以下のようなものがあります。
分類 | 制度名称 | 概要 |
---|---|---|
助成金 | 業務改善 助成金 |
生産性向上と賃金引上げを支援する制度です。 工作機械導入による生産性向上が対象となります。 |
働き方改革推進支援助成金 | 労働時間短縮や生産性向上のための設備投資を支援します。 工作機械の導入も対象となる場合があります。 |
|
税制 優遇 |
中小企業投資促進税制 | 生産性向上のための設備投資に対する税制優遇措置です。 新規の工作機械導入時に活用できます。 |
中小企業経営強化税制 | 経営力向上計画に基づく設備投資を税制面から支援します。 新規の工作機械導入時に活用できます。 |
|
先端設備等導入計画に 係る固定資産税の特例 |
一定の要件を満たす新規設備投資に対して、固定資産税が軽減されます。 |
助成金の多くは、生産性向上やそれにともなう賃上げ、経営基盤の強化を目的としています。その一環として、工作機械の導入費用の補助や税制優遇が行われるため、申請時には制度の目的を理解しておくことが大切です。
工作機械導入に活用できる
助成金制度
ここでは、各助成金制度の詳細や申請方法を解説していきます。自社の状況に合った支援制度を活用して、戦略的に設備投資を進めましょう。
業務改善助成金
業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上と賃金引上げを同時に支援する制度です。事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、かつ生産性向上に資する設備投資等を行った場合に利用できます。
具体的内容 | |
---|---|
支払い条件 |
|
支援対象と なる経費 |
|
助成金額 | 引き上げる賃金額と労働者数に応じて、最大600万円まで助成を受けられる |
助成率 | 事業場内最低賃金の金額に応じて、助成率が決まる (最大9割) |
申請期限 | 2024年12月27日(事業完了期限は2025年1月31日) |
参考: 業務改善助成金|厚生労働省
申請には、「事業場内最低賃金の引上げ計画」と「設備投資等の計画」の提出が求められます。業務改善助成金を活用することで、設備投資コストの軽減と同時に従業員の賃金アップも実現できます。
働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、中小企業・小規模事業者における働き方改革推進のための取り組みを支援する制度です。以下の4つのコースが用意されており、特に「労働時間短縮・年休促進支援コース」では工作機械の導入も支援対象になりえます。
- 業種別課題対応コース
- 労働時間短縮・年休促進支援コース
- 勤務間インターバル導入コース
- 団体推進コース
具体的内容(労働時間短縮・年休促進支援コース) | |
---|---|
支払い条件 |
|
成果目標 |
|
支援対象と なる費用 |
|
助成金額 | 「成果目標」の達成状況に応じて、最大730万円の支援が 受けられる |
助成率 | 原則3/4 |
申請期限 | 2024年11月29日(事業完了期限は2025年1月31日) |
先に紹介した業務改善助成金は賃上げを主な目的としていましたが、働き方改革推進支援助成金は労働時間や休暇に関する制度になっています。支援対象には、「労働能率の増進に資する設備機器の導入更新費用」が含まれており、計画次第で工作機械の導入費用の補助を受けられるでしょう。
工作機械導入に活用できる
税制優遇制度
続いて、工作機械を導入する際に利用できる税制優遇について見ていきましょう。
助成金制度とは違い、現金支給はありませんが利用することで法人税や固定資産税の節税につながります。
中小企業投資促進税制
中小企業投資促進税制は、生産性向上を目的とした設備投資を税制面から支援する制度です。この制度は、新規の工作機械導入時に活用でき、特別償却や税額控除の優遇を受けられます。
具体的内容 | |
---|---|
対象者 | 中小企業者等および従業員数1,000人以下の個人事業主 |
対象業種 | 製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業など |
対象設備 |
|
措置内容 |
|
適用期限 | 2025年3月31日まで |
資本金3,000万円以下の中小企業・個人事業主は、「特別償却」と「税額控除」のどちらかを選択可能です。
特別償却を選んだ場合は、通常の減価償却にくわえて取得価額の30%を追加で償却できます。経費計上できる額が増えるため、翌年の法人税軽減につながります。ただし、減価償却費を前倒しするだけなので、全体の節税効果はありません。
一方、税額控除を選べば、取得価額の7%にあたる額を法人税から直接控除できます。キャッシュフローや経営計画などに合わせて、自社に適したほうを選択しましょう。
中小企業経営強化税制
中小企業経営強化税制は、設備投資による企業力の強化や生産性向上に関する取組を支援する制度です。青色申告書を提出する中小企業者等が、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて新規の設備投資を行った場合、税制優遇を受けられます。
具体的内容 | |
---|---|
対象者 | 経営力向上計画の認定を受けた、中小企業者等および従業員数1,000人以下の個人事業主 |
対象業種 | 製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業など |
対象設備 |
※いずれも一定の投資利益率が見込まれることが条件 |
措置内容 | 税制控除(最大10%)または即時償却 |
適用期限 | 2027年3月31日まで |
中小企業経営強化税制では、「税制控除」と「即時償却」のどちらかを選べます。税制控除を選択した場合は、設備取得価額の7%相当の税額控除を受けられます(特定中小企業者等は10%控除)。即時償却を選ぶと、取得価額の全額を単年で償却可能です。
なお、制度利用のためには「経営力向上計画」の申請・認定が必要になります。経営力向上計画とは、人材育成や設備投資などに関する経営力向上に向けた計画のこと。計画が認定された事業者のみ、税優遇を受けられます。
先端設備等導入計画に係る固定資産税の特例
「先端設備等導入計画」の認定を受けた中小企業者が利用できる特例制度で、新たに導入する先端設備等に対する固定資産税の軽減措置を受けられます。
具体的内容 | |
---|---|
対象者 | 先端設備等導入計画の認定を受けた、中小企業者等および従業員数1,000人以下の個人事業主 |
対象業種 | 製造業、卸売業、小売業、サービス業、ゴム製品製造業、ソフトウェア業または情報処理サービス業、旅館業など |
対象設備 |
※いずれも5%以上の年平均投資利益率が見込まれることが条件 |
措置内容 | 新規取得設備にかかる固定資産税の課税標準が3年間で1/2に軽減される。 従業員に対する賃上げを計画に盛り込めば、令和6年3月末までに取得した場合は5年間にわたって固定資産税の課税標準が1/3に軽減される(令和7年3月末までに取得した場合は4年間)。 |
適用期限 | 2027年3月31日まで |
「先端設備等導入計画」とは、3~5年間における労働生産性の向上のための設備投資計画です。この特例制度では、特例対象設備の固定資産税の課税標準が3年間、1/2に軽減されます。また、計画内に従業員に対する賃上げ方針を盛り込むことで、特例対象設備の固定資産税の課税標準が1/3に減免されます。
自治体独自の助成金制度が
設けられている場合も
ここまで紹介してきた助成金や税制優遇は、いずれも国が定めている制度です。それに対して、産業振興や地域活性化のために自治体が独自で制度を設けている場合もあります。
工作機械の導入を検討している場合は、事業所のある自治体に「利用できそうな制度がないか」問い合わせてみるといいでしょう。
●自治体独自の助成金制度一例
◆留萌市地元企業応援助成事業(新商品開発・販路拡大支援助成金)〈令和6年度〉
新商品の開発、事業拡大につながる設備整備費用などを支援する制度です。助成率は1/2、助成限度額は100万円となっています。
留萌市地元企業応援助成事業 -留萌市ホームページ-
◆南アルプス市ものづくり企業成長投資事業費助成金〈令和6年度〉
南アルプス市内に工場等を有する企業が設備投資にかかる費用の助成を受けられます。助成額は、機械設備の取得に要する経費の1/10(上限400万円)に100万円を加えた額となっています。
南アルプス市ものづくり企業成長投資事業費助成金 -山梨県 南アルプス市-
効果的な助成金活用で
競争力強化を
各種助成金制度を効果的に活用することで、工作機械導入にかかるコストを大幅に削減し、企業の競争力を強化できます。制度ごとに目的や条件は異なるので、自社の状況に適したものを利用しましょう。また、予算に達し次第締め切られるケースも少なくないため、迅速に計画・実行を進めていくことが大切です。
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文:小林悠樹
1988年生まれ。一橋大学卒業後、食品メーカーへ入社。営業職を経験したのち、2017年にフリーライターへ転身。企業への取材記事、通信大手のオウンドメディアなどをはじめ、幅広いコンテンツを手がけています。
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編集:株式会社イージーゴー
WEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。
https://eggo.jp/
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