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被災するのは人だけじゃない。 工作機械と自然災害
公開日:2024.07.02
気候変動の影響と考えられる異常気象による自然災害が世界的に多発している近年、製造業においては人だけでなく工作機械への災害対策も重要です。被災後の迅速な復旧と生産再開のために、企業はどのような対策を講じればよいのでしょうか。
本記事では、自然災害時に考えられる工作機械のトラブルや、自然災害への対策方法、被災時の復旧方法などについてご紹介します。
自然災害で工作機械が被災するとどうなる?
自然災害は、ときに経営をおびやかすリスクとなりうるものです。近年、気候変動の影響と考えられる異常気象の激甚化・頻発化により、大型の台風やゲリラ豪雨、雷などのさまざまな自然災害が発生しています。また、地震の多い日本では地震への対策も重要です。
工作機械がこれらの災害で被災した場合、停電によるラインの停止、揺れによる設備の倒壊、水濡れや泥の付着による破損などのトラブルが考えられます。機器の故障や漏電といったトラブルによって、従業員が危険にさらされることもあるため注意が必要です。
迅速な工場復旧・事業再開、そして従業員の安全のためにも、工作機械の災害対策は必要不可欠といえるでしょう。
工作機械の災害対策方法
では、具体的にどのようにして災害対策を行えばよいのでしょうか。まずは、どのような自然災害の発生が考えられるのか、それら災害により発生の可能性があるトラブルを洗い出しましょう。
災害時の生産の早期再開を目指して、次に紹介する方法を参考に自社に必要な対策を講じましょう。
地震対策
地震に対しては、大きく分けて3つの対策が考えられます。
- 建物の耐震化
- 機器・設備への地震感知器の取り付けや各種システムの導入
- 建物内の棚などの転倒防止措置
とくに老朽化が進む工場では、建物の耐震化が重要です。耐震診断を受け、その結果必要があれば耐震化を検討します。工場の耐震化に関する補助金や助成金を活用することで、比較的コストを抑えながら地震に備えられるでしょう。
建物の耐震化に取り組む第一歩として、各自治体が行う耐震化の助成制度や、国の補助制度についてリサーチしてみましょう。
各種機器や設備に地震感知器を取り付ける、一定以上の震度で機械が自動で停止するシステムを導入するなどの方法も対策として有効です。地震時に自動で機械が停止するシステムは、二次災害の防止や従業員の安全にもつながります。
あわせて、工場や事務所内の棚や設備など、地震時に倒壊の可能性があるものに対して転倒防止措置を施しましょう。
台風・豪雨対策
台風や豪雨では、浸水や土砂災害による機器の故障、停電による事業停止が考えられます。まずはハザードマップを確認し、台風や豪雨で考えられるリスクを洗い出します。ハザードマップでは、洪水、土砂災害、高潮、津波に対するリスクを視覚的に確認できます。
浸水や土砂災害のリスクに対しては、土のうや止水版、防水扉の設置が考えられます。強風に対しては、窓や屋根、扉に破損箇所がないか、強度は十分かをチェックして交換やメンテナンスを行うとよいでしょう。
これらの対策を講じたうえで、台風や豪雨が発生しやすい時期にはこまめに天気予報を確認し、被災の可能性がある場合には従業員に出勤しないよう連絡をする、工場の稼働をストップするなどの対策を講じることも大切です。
雷対策
さまざまな電子機器を扱う工場では、雷対策も重要です。雷サージを安全に放出するサージ保護デバイス(SPD)を設置して、機器の故障や漏電に備えるとよいでしょう。
SPDを設置することで、過電圧・過電流による機器の破損を防げます。雷への対策は、火災や漏電による事故といった二次災害の防止にも有効です。
被災した場合の復旧方法
これらの対策を施していても被災してしまう可能性はあります。しかし、自然災害への対策がなされている工場では、災害復旧にかかる時間の短縮が期待できます。実際に被災した場合には、次の手順で迅速な生産再開を目指しましょう。
従業員の安否を確認する
被災後の生産再開、事業継続のためには、従業員の存在が欠かせません。まずは従業員とその家族の安否を確認し、それぞれの被災状況を確認する必要があります。
工場・事務所内の被害を確認する
漏電による事故などの二次災害を防ぐために、各施設と設備の被害状況を確認しながら、被害拡大防止策を実施します。
関係各社の被害状況を確認し情報を共有する
早期に取引先など関係各社に連絡を行い、それぞれの安否や被害状況を確認することも重要です。あわせて、自社の被害状況についても伝え、双方で情報共有を行いましょう。
復旧に要する期間とコストを算出する
被害状況の確認後、生産再開にかかる期間とコストを算出します。このとき、復旧に必要なコストを盛り込んだ収支計画書を作成し、必要な資源を可視化します。
生産再開に向け資源を準備し業務再開の連絡を行う
現場の各担当者は、業務再開に向けて施設内の後片付けを行い、再開に必要なものを準備します。建物や設備の修理が必要な場合は、建設会社やメーカーなどに連絡を行い、修理を依頼しましょう。経営陣は、収支計画書をもとに必要な資金を準備します。復旧完了後は、関係各社に業務再開の連絡を行います。
メーカーによるサポートで迅速な復旧を実現
災害時の対応方法を事前に定めていても、いざ被災してしまうと、何から手を付けてよいのかわからないものです。従業員の安否確認や関係各所への連絡に時間がかかり、復旧作業になかなか着手できないこともあるでしょう。そうすると、事業再開までにかかる期間が延びてしまい、経営にも大きな影響が出てしまう可能性があります。
設備が故障している場合は、メーカーに修理を依頼することが迅速な復旧につながります。とはいえ、大規模災害時はメーカーのコールセンターに電話がつながらないケースも考えられます。
SPEEDIOのメンテナンスサポートは、コールセンター接続率97%以上で万が一の際の修理依頼もつながりやすく安心です。電話だけでなく、24時間365日対応のチャットボットや、ビデオ電話での相談も受け付けています。
修理も迅速で、マシンダウン時48時間以内復旧率は90%以上の実績があります。普段のメンテナンスだけでなく、被災時も最大限の対応をします。
万が一の際も安心の体制を構築しよう
近年増加する自然災害への対策は、事業継続の観点からも必要不可欠といえるでしょう。メーカーが用意するサービスで、日常のメンテナンスから万が一の際の修理も任せられます。
従業員への安全対策だけでなく、各種設備や機器の災害対策で、被災時も迅速に事業を再開できるよう体制を構築しておくことをおすすめします。
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文:髙橋みゆき
1983年生まれ。2016年よりライター・編集者。各種民間保険、介護、医療、ITなど幅広いジャンルの記事を企画・執筆。
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編集:株式会社イージーゴー
WEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。
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