導入事例
100台に迫る導入数
進化する性能への絶大な信頼
公開日:2025.05.27
株式会社大洋製作所 様(本社:静岡県浜松市)https://www.taiyoss.jp/
インタビュー
株式会社大洋製作所 本社
左:製造部 部長 間宮 章裕 様
右:製造部 生産2課 課長 宮田 勇貴 様
1961年の設立以来、半世紀以上にわたりアルミ製品の切削加工を手がける株式会社大洋製作所様。同社は静岡県浜松市に本社を構え、熊本県にも工場を展開しています。従業員は80名。日々、高品質な製品づくりに取り組んでいます。
設立当初はオートバイの部品加工からスタートしましたが、その後、船外機や水上オートバイなどのマリン製品、自動車や二輪車の部品加工へと着実に対応領域を拡大。積極的な設備投資により現在は工作機械や計量器といった分野の部品加工にも事業を広げています。
また、近年では全国に協業ネットワークを築くことで鋳造加工・表面処理・組み立てまで一貫して請け負う「ワンストップサービス」を提供。宮地社長は「これまで地道に種を蒔いてきた取り組みがようやく芽を出し始めた」と語り、同社の大きな強みになっています。
代表取締役 宮地 信晴 様
本社工場に並ぶSPEEDIO
進化を続けるSPEEDIOは時代にもマッチ
同社とブラザーの付き合いが始まったのは1985年のこと。ブラザー瑞穂工場で開催された展示会に参加した先代が、タッピングセンターの高速加工能力や優れたタッピング性能に惚れ込み、最初のマシンであるTC−211が導入されました。それから約40年にわたり継続的な関係が築かれています。
この間、同社では「速い加工とコスト低減」といった優位性を創出するため、40番マシニングセンタから30番マシニングセンタへの切り替えを実施。現在はすべてのマシニングセンタをTCシリーズ並びにSPEEDIOシリーズへと更新しており、S500Xd2をはじめ浜松本社工場で65台、熊本工場で27台のSPEEDIOが稼働中です。
宮地社長はSPEEDIOを選び続ける理由を「進化し続けているから」と説明。例えば、加工スペースについては「同じキャパシティの中でも加工できるワークサイズの幅が広がっていて大物加工にも対応できるようになっている」と評します。数年前からは、他社製品を用いていたロータリーテーブルもセットで導入するように。以降「一度も不具合が発生していない」と言い、大きな信頼を寄せています。
さらに、省エネやカーボンニュートラルといった社会課題に応えるマシンとしてもSPEEDIOは時代のニーズに合っていると感じているそう。とくに昨今は取引先からカーボンニュートラルへの取り組みを求められることが多く「新しいマシンを導入する際、以前のマシンと比べて消費電力がどの程度変わるかといった情報をすぐに把握できるのも非常に助かります」。
2025年1月導入のS500Xd2。2台のうち1台はデバッグ機で使用
自社製のエアブローロボットとも連携
新モデルはデバッグ機として活躍
同社では、新モデルが登場するたびに更新を行っており、導入した最新モデルの1台は、新規生産の立ち上げ時のデバッグ機に用いられます。宮地社長はその理由について「機械が進化を続ける中で我々もそのパフォーマンスを把握していく必要があるから」と語ります。
現場でマシンを扱う宮田様は、SPEEDIOの特長として次の3点を挙げます。「第一にサービス性です。不具合が発生した場合に電話1本で翌日には部品が届く対応の早さは非常に助かります。次に操作性。画面表示がわかりやすく、誰でも容易に扱えるため、作業効率の向上につながっています。メンテナンス性も大きな魅力です。新しい機械では部品数が増えることもありますが、構造がわかりやすく整備がしやすいです」。
プログラムを設計する間宮様は、「ブラザー製のロータリーテーブルに切り替えてからは、全軸の同時制御が可能となり、軸移動やマガジン旋回のスピードが格段に向上しました。正直驚くほどの早さで、そこがSPEEDIOの強みでもあると感じています」と話します。また、本来はやってはいけないミスと前置きをしながら「タップの二度加工を行ってもズレが生じないほど精度が高い」と言い、性能に対して高く評価していただきました。その一方で、切粉の排出など課題や改善の要望についても貴重な意見をいただくことができました。
作業の様子
「情報抽出」と「コネクト」が
次のキーポイントに
今後の展望について宮地社長は「生産性の見える化」と「生産性向上」の2点を掲げます。
「そのためには、これらのマシンからいかに有益な情報をアウトプットできるか。その可能性を探る必要があります。もちろん、そのための人材育成は大きな課題です。しかし、我々自身も積極的にAIやIoTといった技術を習得し、工作機械の進化の波に乗り遅れることなく、常に前に進んでいかなければなりません」。
さらに、これからの製造業においては「設備・人・ロボット」の三要素を緊密に連携させて、システムとしてつなぐ「コネクト」が不可欠な時代になると強調します。
そして、多数のマシンを導入してきた実績を踏まえ、ブラザーに対しては次のような期待を寄せます。
「これだけの台数が揃っている環境は、他にはなかなかありません。ぜひこの環境を生かし、新たな価値創造に向けた協業やタイアップなども提案していただけたらと思います」。
未来を見据え明確なビジョンを持って取り組んでいる大洋製作所様。SPEEDIOをはじめとするブラザー製マシンがそうした挑戦を支えるパートナーであり続けることで、共に切り拓く明るい未来を目指します。このパートナーシップが、さらなる生産性向上と新たな価値創造へとつながっていくことを期待しています。
インタビューの様子
導入製品
-
文:中村美智子
編集プロダクションでの仕事を経て、現在は静岡県にUターンしてデザイン事務所所属のライターとして活動中。企業プロモーションのライティングをはじめ、某プロリーグのホームゲーム演出台本や展示会のプレゼン台本なども手掛ける自称体育会系ライターです。
-
編集:有限会社学遊社
静岡県浜松市を拠点に活動するデザイン事務所。グラフィック、ウェブ、映像制作、イベント会場演出など幅広いジャンルのデザインに携わっています。
https://www.gysdesign.jp/