導入事例
時流に合わせた戦略に
ピッタリとフィットした「SPEEDIO」公開日:2024.03.21
小澤金属工業株式会社様(本社:愛知県名古屋市)https://www.ozawa-kinzoku.com/
インタビュー
小澤金属工業株式会社は、アルマイト加工をはじめ、アルミニウムの切削、切断、プレス加工を行うアルミニウム加工の専門メーカーです。加工された製品は、半導体製造装置や自動車部品、工作機械の部品など、幅広い分野で使われています。
小澤金属工業株式会社の歴史は古く、設立は1951年です。当初はアルマイト加工のみを行っていましたが、他社で行っていた加工を自社に集約するため、アルミニウムのプレス加工や切削加工も行うようになりました。以来、アルミニウム専門メーカーとして材料の加工から仕上げ、表面処理までを一貫生産しています。
SPEEDIOの進化にも協力
小澤金属工業株式会社がSPEEDIOシリーズの導入に至った理由について、小澤会長は「アルミ製品需要の増加に伴う生産増に対応するためでした」と語ります。
2011年の東日本大震災をきっかけに省エネへの関心が高まり、自動車のみならず、機械部品や工作機械においても、軽くて丈夫なアルミ素材の部品の需要が増えました。さらに2019年からはじまった新型コロナウイルス感染症の問題と半導体不足では、国内に工場を持つ半導体メーカーが増加しました。これにより半導体製造業界からのアルミ製品需要も急増しました。このような状況に対応するため、大物ワークや複雑形状で精度の高いアルミ部品を短納期で作る必要が発生したのです。この課題を解決するため、SPEEDIOの導入台数も増加していきました。
実は小澤金属工業株式会社とブラザーとの付き合いはとても古く、1985年に発売されたブラザー初の工作機械、タッピングセンター「TC-211」も導入されていました。
「それ以前に、ブラザーから工作機械用の部品の製造方法を相談されていましたからね」と語る小澤会長。TC-211の初号機を購入したのは、その縁がきっかけだったそうです。
しかしその後、しばらくの間はブラザー製工作機械の導入の機会はありませんでした。ですが、縁が切れたわけではなく、ブラザー製品の改良のために、技術者に実際の加工方法から必要な機能、性能についてアドバイスをするなど、深い付き合いが続いていました。
ブラザー製工作機を再び導入するきっかけになったのは、「TC-S2DN」です。2012年のことでした。「同業他社で使用されているのを見たら、予想以上に性能がよかった」と語る小澤会長は、折しも節電への機運も高まる中、省エネ性能も後押しとなり導入を決めたそうです。以来、継続的にブラザー製工作機を導入され、現在は14台のSPEEDIOが稼働しています。
SPEEDIO導入で潮流に乗る
小澤金属工業株式会社がSPEEDIOを選ぶ理由の一つは、同社がアルミニウム専門の加工メーカーである点です。「アルミニウム以外の金属を取り扱わないため、BT30番で十分に加工できます」と小澤会長。
他社の工作機械でもパレットチェンジャーなどを備えた高い生産性を特徴とする機種はあります。しかしSPEEDIOならば、それに加えてBT30番だからこそ可能になる素早い動作で、より高い生産性を実現できるとのことです。
また工作機械そのものもがコンパクトに作られているため、設置スペースが小さくても導入しやすいことに加え、切削油をムダにしないことや、切粉の清掃もすぐにできるなど、さまざまなムダが排除できることも、生産性向上に貢献しているそうです。
小澤金属工業株式会社では、大物を加工するためにはW1000Xd1を使用、長尺物を加工するためにはH550Xd1を使用するなど、SPEEDIO各機種の特徴を活かした使い分けをしています。それによりお客さまが望む部品を素早く大量に作ることができるようになりました。小澤会長は、「SPEEDIOがあったからこそ、アルミニウム部品の需要増という潮流に上手く乗ることができました」と語ってくださいました。
人材難の時代だからこそ、使いやすい機械が必要
小澤金属工業株式会社にとって、今後の大きな課題として挙げられるのは人材不足です。少子化の影響により生産年齢人口が減少する時代である現在、製造業に限らずどの業界でも、スキルのある人材が不足しています。そのため若手の育成は事業継続のためには避けて通れない課題だと考えているそうです。
そのような中、SPEEDIOならばUI(ユーザーインターフェース)も使いやすく、はじめて工作機械に触れる人にも適しています。工作機械の操作を学んでいくためには「まずは自分で動かしてみること」が必要だと小澤会長は考えています。そのため最初のステップを踏みやすいそうです。
また、小澤会長は今後のブラザーに対し、AI技術と職人の架け橋になってほしいと望んでいます。特に技術と経験のある職人さんの中には、新しい技術や仕組みの導入に対して及び腰になってしまう人がいるからです。そのためAIのような新しい技術を、使いやすい形で工作機械に導入することで、職人さんたちが自然とそれを使い、便利さに気づいてくれるようにしたいと考えているそうです。
SPEEDIOはムダなく削ることを追求し、操作に手間取る時間のムダもなくすために、UIも使いやすく分かりやすい形を目指してきました。素早いだけでなく、使いやすさもお客様の新たな課題解決への糸口になっていることが感じられました。
導入製品
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文:石川玲子
工業、製造業の話題を中心に執筆を行うフリーライター。工学部機械工学科を卒業し、独立前は機械系エンジニアとして勤務し、WEBやパンフレット、書籍などの執筆に対応している。
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編集:株式会社イージーゴー
WEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営している。
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