導入事例
工程集約&省スペース化を叶えて
難加工も見事にクリア
公開日:2024.07.09
鹿児島精機株式会社 様(本社:鹿児島県霧島市)https://www.kagosima.co.jp/
インタビュー
精密加工を得意とし、半世紀に亘ってものづくりに携わっている鹿児島精機様。もともとはミシンの部品加工から始まったという同社ですが、現在は半導体装置、産業用機器、医療装置、情報・通信機器、自動車生産関連など、幅広い分野の部品製造を行なっています。
同社は本社工場を含めて鹿児島県内に拠点を2か所構えており、加えて中国やベトナムにも工場を展開。そのネットワークを活用して製品の納期や難易度、コストなどを踏まえて国内外から最適な生産工場を選択する“最適地生産”という製造手法をとっており、同社の大きな特徴になっています。
また、近年は組立業務もスタート。部品製造に加えて装置一式まるごとの製造にも対応しており、同社の強みとなっています。
海外工場での好評を受けて国内工場に導入
ミシンの部品加工を行なっていた同社の歴史から「ブラザー工業さんに親近感を持っていた」と笑い、和やかに取材に応じてくださった鹿児島精機様。本社工場では2023年に新規増設でM200Xd1-5AXが2台導入されています。
導入のきっかけを田中様は「旋盤加工とマシニング加工の2つにまたがっていた工程をM200Xd1-5AXは一つに集約できる、これが非常に魅力でした」と説明。じつはベトナム工場では、当時すでにSPEEDIOのMシリーズが導入されていました。野田様は「工程集約できることが短納期につながり、なおかつ精度面でも品質の評価が高かった。それで国内でも導入しようとの流れになったんです」といきさつを話してくださいました。
「5軸加工機が欲しかったこと、省スペースであることも大きな理由です」と德永様。それまで国内工場には5軸加工の設備がなく、お客様のニーズからも必要性を感じていたと言います。また、当時九州エリアで初導入であったことも魅力を感じたそうです。
現在SPEEDIOで製造しているのは、半導体装置や産業用機械の部品など。「思考錯誤の連続で立ち上げるまでに時間がかかりましたが、ある部品では非常に難しい加工をSPEEDIOで行なっています」と野田様。また田中様は「5軸加工を活かせるものを少しずつ増やしているところです」と話してくださいました。
同時5軸加工による滑らかな曲面と曲線は想像以上
旋盤ベースの複合機はこれまでも同社の設備にあったとのこと。しかし、場所を取る上に段取りにも非常に時間がかかっていたそうです。それに比べてSPEEDIOは場所の広さも約1/3で済んでおり、段取り時間も1/2程度に短縮できていると言います。また、加工性能について田中様は「曲面や曲線が素晴らしいです。これは付加価値のある製品を生み出したいという弊社の想いと合致しています」と回答。野田様も「テスト加工でインペラを作ったときに思っていたよりキレイに面が出ていてびっくりしました」と感想をくださいました。
ほかにも現場からSPEEDIOに対して「省スペースで刃物交換やワークの交換がしやすい」「画面が大きく扱いやすい」との声が上がっているとのこと。また、本社工場には現在8名のベトナム人社員が勤めており、全員がSPEEDIOを使いこなしています。SPEEDIOはベトナム工場にも導入されており、德永様は「日本とベトナムのローテーションで勤務をしているため、どちらの工場でも同じように操作ができて非常に使いやすいですね」とオペレーションに関するメリットも挙げています。
SPEEDIOを活用して付加価値の高い製品を生み出していく
「環境性能の部分を言えば省電力ですね。電気代が8割弱低減できてコストメリットを感じています」と田中様。消費電力を抑えることでCO2排出の削減になり、認証を取得しているSDGsの取り組みにもつながるとも。続けて「アフターサービスも非常にしっかりしていて、試作についても気軽に相談できます。このようなフォロー体制があるのも魅力ですね」。
「いろいろなことができる機械であり、どう使うかを問われている感じがする」と導入したM200Xd1-5AXについて話す鹿児島精機の皆様。今後の展望について「同時5軸加工でしか出せない曲面と曲線を生かして付加価値の高い製品を鹿児島からどんどん生み出していきたい」と語ってくださいました。
取材の最後には「今後40番の機械で更新があるときには、大型加工向けのSPEEDIO Wシリーズも候補として検討してみたい」という話もありました。野田様は「展示会で見た際に“30番でも問題ない”と思えるほど良い削りをしていた印象がある」と言い、「40番に対してどれだけ台頭できるか楽しみ」とも。私たちもSPEEDIOが鹿児島精機様のさらなる製造力向上に貢献できる次の機会を期待しています。その際はまたぜひとも感想を伺いたいと思っています。
導入製品
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旋削・マシニングの複合加工や多面加工に高生産性を発揮。
新たに加工エリアを拡大したモデルがラインナップ。
工程集約生産対応可能な部品が大幅に拡大。
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文:中村美智子
編集プロダクションでの仕事を経て、現在は静岡県にUターンしてデザイン事務所所属のライターとして活動中。企業プロモーションのライティングをはじめ、某プロリーグのホームゲーム演出台本や展示会のプレゼン台本なども手掛ける自称体育会系ライターです。
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編集:有限会社学遊社
静岡県浜松市を拠点に活動するデザイン事務所。グラフィック、ウェブ、映像制作、イベント会場演出など幅広いジャンルのデザインに携わっています。
https://www.gysdesign.jp/