導入事例
狙えば出せる精度にコスパの高さを実感
公開日:2024.03.21
ダイセ キズナ マシニング株式会社様(本社:東大阪市)https://daise-m.co.jp/
インタビュー
アルミ切削加工で主に半導体製造装置向けのパーツを手がけているダイセ キズナ マシニング様。2018年に髙田社長と遠山副社長のたった2人でスタートした同社は、現在社員が10名まで増え、順調に業績を伸ばしています。
髙田社長は同社の強みについて「公差の部分で厳しさを求められるような高付加価値の製品に着手できていること」と回答。そうした実績の積み上げで量産案件から新規の立ち上げまで様々な仕事を受注できていると言います。
同社の生産設備をサポートする株式会社ヤスヒラの安平様は「今の時代に製造業で起業する難しさはよくわかっていますが、その中でこちらはしっかり実績を残している。加工技術のレベルが高いんです」と話してくださいました。
実績とコスパでSPEEDIOをピックアップ
現在は3台のSPEEDIOが稼働しています。工場内に統一感を持たせるため、同社のSPEEDIOは標準色ではなく、指定色のブラックでカラーリング。その外観が新鮮です。
1台目S1000X1Nの導入は2020年。導入に至った理由を髙田社長に聞くと「他メーカーの機械が2台稼働していましたが、注文が絶えなくて主軸本数を増やしたかったんです」とのこと。ただし、当時は2年目を迎えたばかりで設備投資に大きな金額はかけられません。そこで安平様からSPEEDIOの提案があったと言います。
安平様は「SPEEDIOはアルミに関して実績が多く、コストパフォーマンスが高い。他メーカーでも同様機種がありますが、バリエーションはSPEEDIOが多い。そのことから同社にマッチングするのではと考えました」。
一方、髙田社長は「他メーカーに比べて価格は1/2以下。これで主軸を1本増やせるのは非常に魅力。ただし、価格が低い分、性能も相応だろうとの思いもありました」と当時の印象を正直に話してくださいました。
その印象が「いいね」に変わったのは、実加工を行ったとき。「狙った寸法がきっちり出ていたんです。そこで一般公差の製品はS1000X1Nに工程移換し、立ち上げもやってみましたが、既存機械で出ていた寸法がそのまま出ていた。これは意外でした」。
SPEEDIO+高い加工技術で精度を引き出す
2022年6月には、効率化の目的で2パレットのR650X2を導入。10月にはS700Xd1も導入されました。
髙田社長は、S700Xd1での印象的な出来事として次のことを挙げています。「A6061材で平面度を厳しく要求される製品があり、立ち上げてみた結果1000分の7の平面度を出せたんです。BT30番のマシンで1000分台の平面度が狙えるのだと。弊社自らに対してよくやったと思うと同時に“ブラザーのSPEEDIOはいいね”と心の底から思いました」。
安平様は「商社の立場として1000分の7の平面度を出したいと依頼を受けたら、普通はSPEEDIOを提案しないかも知れません。ですが、実績も踏まえてダイセさんであれば可能だろうと考えました」。
近い未来に来るターニングポイント
「設備導入にあたっては、機械の費用だけでなく移動費用をはじめとする見積り外の費用も出てきます。コンパクトなSPEEDIOは、その部分の費用を抑えられるのも独立して間もなく資金が少ない我々には導入しやすかったです」と髙田社長。
今後、半導体業界はさらなる上昇が見込まれていると言い、同社は近い未来に工場面積を広げ、設備数も拡大する予定。髙田社長は「弊社にとって最後の大きなターニングポイントになると思っています」と展望を語ってくださいました。そばで見続ける安平様は、そんな同社の今後を「すごく楽しみ」と言います。
じつは髙田社長、本来は別業界での起業を目指していたそうです。製造業の営業に誘われ“経験としてはいいかも”と業界に入ったところ、面白くなりそのままどっぷり浸かってしまったとのこと。
「製造業は先輩方の様々な教えを聞けたり、周りが助けてくれたりするので割と入りやすく、失敗しにくい業界だと思います。次世代の製造業を盛り上げる若い方が起業にチャレンジしてみるのもいいかなと。その際はコスパの高いブラザーの機械がおすすめです(笑)」と最後にまとめてくださいました。
ダイセ キズナ マシニング様の起業モデルは、製造業の未来に希望を感じさせてくれます。その挑戦の一端をお手伝いできたことを嬉しく思います。そしてさらなる飛躍に向けて再びお手伝いできる日が楽しみです。
導入製品
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文:中村美智子
編集プロダクションでの仕事を経て、現在は静岡県にUターンしてデザイン事務所所属のライターとして活動中。企業プロモーションのライティングをはじめ、某プロリーグのホームゲーム演出台本や展示会のプレゼン台本なども手掛ける自称体育会系ライターです。
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編集:有限会社学遊社
静岡県浜松市を拠点に活動するデザイン事務所。グラフィック、ウェブ、映像制作、イベント会場演出など幅広いジャンルのデザインに携わっています。
https://www.gysdesign.jp/