導入事例
品質・加工時間・作業能率が
SPEEDIO導入で 大きく改善
公開日:2024.07.23
瑞浪精機株式会社 様(本社:岐阜県瑞浪市)http://www.mizunami-seiki.co.jp/
インタビュー
1951年設立の瑞浪精機株式会社様は、70年以上に渡ってものづくりに携わってきた地域の老舗企業です。ミシン部品の生産から始まった同社ですが、現在は大きく3つの事業を展開しています。1つ目はロックミシンの開発設計・製造で台湾に製造工場があります。2つ目は本社工場が担当する航空機や防衛機関係の金属部品の切削加工と組み立て作業。そして3つ目は稲津工場が担当する自動車や産業機器に関する部品の加工です。
同社の特徴について長良社長は「異なる3つの事業を手掛けていることでお互いを補い合う体制ができやすいですね。また、開発設計部門をはじめ、切削加工やローコストの組み立て作業、精度の必要な組み立て作業などの現場があり、当社を簡単に言えば、“さまざまなものづくりシーンが存在している商店街”という例えが合っているかもしれません」と話します。そして、現在も発展途上にあると言い、長い間に蓄積してきたノウハウを今後も生かしていけるのが強みとも話してくださいました。
サイズから使いやすさまで
SPEEDIOは「ちょうど良い」
同社ではタッピングセンターの時代にあたる約30年前から加工現場でSPEEDIOが使用されてきました。そして現在、台湾工場でもアルミダイカストの加工工程があり、30台近く使用されています。国内では本社工場(瑞浪製造部加工課)が担当する航空機部品の加工で活用されています。航空機部品の加工は基本的に多品種少量生産であり、同社が請け負う部品はそれほど大きなサイズではないとのこと。ブラザーの機械を使う前は、ふた回り以上大きな横形マシニングセンタで作業を行なっていたそうです。
現場に関わる藤原様は、SPEEDIOを「ちょうど良い」と表現。長良社長はメリットについて「コンパクトなサイズはもちろんですが、小回りがききやすく工場レイアウトの変更も柔軟にできること」と挙げてくださいました。さらに段取りしやすいとの話も。藤原様はその理由を「治具の取り付けに関しても必然的にコンパクトで軽量な設計を心がけるようになるため、段取りがしやすくなるんですね」と説明。使い勝手の良さがあるブラザー機械の活用により、同社では女性加工技能者も誕生しています。
続けて「30番主軸により工具にかかる費用が確実に抑えられることも魅力です」と藤原様。大きく影響するところでは3〜4割下げることができていると言います。
加工時間の短縮に加えて後工程でも効果を発揮
航空機部品の加工では、全面削り出しの部品が大半を占めているとのこと。加工の負荷を考えると30番の小さな主軸は適さないとの思い込みが社内にはあったそうです。その思い込みを外したのが2016年に導入したS1000X1。もとは機構組み立て部門の部品への対応で導入したものでしたが、新規加工を手掛けることになって試してところ「問題ない」との判断に至ったとのこと。
現場をまとめる足立様は、「その後展示会にも足を運んで削っている様子を見ましたが、“かなり使える”といった印象を持ちました」と言います。その流れから2023年にはS500Xd1を導入。
今ではSPEEDIOシリーズが主力設備として活躍しています。
導入効果について尋ねると「ある部品ではS500Xd1で生産する工程設計に変更したところ不適合率がゼロに。加工時間も1/4程度に短縮できた上、バリ取り等の後工程の手仕上げ作業も1/10程度に省略できています」と藤原様。さらにヒューマンエラーが起きにくくなっているとの回答もいただきました。
航空機部品を軸にして他分野への挑戦も目指す
今後について「まずは航空機・防衛機関連の事業への取り組みですね。仕事を受け入れる体制は十分にあるので、実績を積みながら量も質もさらに伸ばしていきたいと考えています」とは長良社長の言葉。加えて、同社が得意とする切削加工、組み立て作業を違う分野にも生かしていきたいとも話してくださいました。
3つの事業で培った幅広い対応力を強みとしている瑞浪精機様。社内に向けては働きやすく誰でも活躍できる職場づくりを目指していると言います。そんな同社ではSPEEDIOを女性作業員が扱う姿が日常にあり、SPEEDIOの新たな付加価値を感じることのできる機会にもなりました。
導入製品
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文:中村美智子
編集プロダクションでの仕事を経て、現在は静岡県にUターンしてデザイン事務所所属のライターとして活動中。企業プロモーションのライティングをはじめ、某プロリーグのホームゲーム演出台本や展示会のプレゼン台本なども手掛ける自称体育会系ライターです。
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編集:有限会社学遊社
静岡県浜松市を拠点に活動するデザイン事務所。グラフィック、ウェブ、映像制作、イベント会場演出など幅広いジャンルのデザインに携わっています。
https://www.gysdesign.jp/