- マシナリーお役立ちNAVI
- 補助金を活用したい
【令和6年度最新版】工作機械にも使える!
省エネルギー投資促進支援事業費補助金とは?
公開日:2024.04.12
これから工作機械の更新を考えている企業が知っておきたい補助金の一つに、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」があります。同補助金は、省エネ効果の高い工作機械の導入にも使える補助金です。本記事では、令和5年度補正予算で決定した省エネルギー投資促進支援事業費補助金の詳細についてお伝えします。
目次
省エネルギー投資促進支援事業費補助金とは?
省エネルギー投資促進支援事業費補助金とは、一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が指定する設備や、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入する、一定の要件を満たす企業が利用できる補助金のことです。
省エネルギー投資促進支援事業費補助金には、「エネルギー需要最適化型」と「設備単位型」の2種類があり、設備単位型は工作機械の更新にも活用できます。
令和5年度補正予算にて決定した省エネルギー投資促進支援事業費補助金の申込期間は、一次公募の期間が2024年3月27日(水)から4月22日(月)までのため、同補助金の活用を検討している企業は急ぎ申請の準備を始めましょう。
省エネルギー投資促進支援事業費補助金の概要
ここからは、省エネルギー投資促進支援事業費補助金の応募期間やその内容についてご紹介します。
令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金のスケジュール
まず、令和5年度補正予算省エネルギー投資促進支援事業費補助金のスケジュールについてみていきましょう。
一次公募 |
公募期間:2024年3月27日(水)~2024年4月22日(月) 交付決定:2024年6月上旬を予定 |
---|---|
二次公募 |
公募期間:2024年5月下旬~6月下旬を予定 交付決定:2024年8月下旬を予定 |
事業期間 | 交付決定日から2025年1月31日(金)まで |
一次公募の期限は、前述したとおり2024年4月22日までです。二次公募の詳細な日程は4月1日現在で決定していません。
応募から完了までは、以下の流れで進みます。
1. 審査・採択
2. 交付決定
3. 事業開始
4. 事業完了
5. 実績報告
6. 補助金の支払い
7. 成果報告
補助金は受け取って終わりではなくその後の成果報告もあるため、事業開始以降は適切に成果の記録と保存を行いましょう。
エネルギー需要最適化型の詳細
省エネルギー投資促進支援事業費補助金のうち、エネルギー需要最適型の補助対象や補助金限度額は次のように定められています。
補助の対象 |
SIIに登録されたエネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、SIIに登録されたEMSを用いて、 より効果的に省エネルギー化およびエネルギー需要最適化を図る事業 |
---|---|
補助対象経費 | 設計費、設備費、工事費 |
補助率 | 中小企業者等2分の1以内、大企業・その他3分の1以内 |
補助金限度額 | 上限額:1億円/事業全体 下限額:100万円/事業全体 |
この補助金を活用するためには、SIIに登録されたエネマネ事業者との契約とSIIに登録されたEMSの導入が必要です。EMSとは、エネルギー利用の最適化を目指して、エネルギーの使用状況の把握などを行うシステムのことです。省エネを実現できる工作機械の導入だけでなく、事業全体で省エネを進めたい場合には利用を検討してみましょう。
補助対象経費には、設備費だけでなく設計費や工事費も含まれます。
設備単位型の詳細
工作機械の導入を検討している企業は、同補助金のうち設備単位型を活用できる可能性があります。設備単位型では、補助の対象や補助金限度額を次のように定めています。
補助の対象 |
SIIがあらかじめ定めたエネルギー消費効率等の基準を満たし、 補助対象設備として登録および公表した指定設備へ更新する事業 |
---|---|
補助対象経費 | 設備費のみ |
補助率 | 3分の1以内 |
補助金限度額 | 上限額:1億円/事業全体 下限額:30万円/事業全体 |
設備単位型では、SIIが登録・公表している指定設備に更新する場合が補助の対象です。補助対象設備のうち、生産設備として工作機械やプレス機械が含まれています。補助対象費経費は設備費のみで、設備導入費用の3分の1を補助金で賄えます。
また、補助の対象となる設備には次の要件が設けられているため、導入を検討している工作機械が要件を満たしているか事前に確認しておきましょう。
1. 国内で既に事業活動を営んでおり、エネルギー管理を一体で行っている工場・事業場等に おいて、現在使用している設備を本事業で定められた補助対象設備に更新すること。
2. 工場の移転や集約等、既存の事業所を移設する際に既存設備を更新する場合は対象とする。
3. 既存設備を補助対象設備へ更新して省エネルギー化を図ること。 ※ただし、導入予定設備の性能(エネルギー消費効率等)が既存設備と比べて低く、省エネ ルギー化を図れない設備更新の場合は、補助対象設備とは認められない。
4. 更新前後で使用用途が同じであること。
5. 兼用設備、将来用設備又は予備設備等ではないこと。
6. 中古品でないこと。
7. その他法令に定められた安全上の基準等を満たしている設備であること。
引用:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金 公募要領」
導入を検討している設備がSIIの基準を満たした補助対象の設備かを確認したいときには、下記リンクから確認できます。
一般社団法人環境共創イニシアチブ「『(Ⅲ)設備単位型』補助対象設備一覧」
申請前に知っておきたい注意点
令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金の申請前に、知っておきたい注意点がいくつかあります。
1. 申請は補助事業ポータルサイトから行う
2. 交付決定前に契約・発注されたものは対象外
3. 事業完了後には実績報告書の提出が必須
4. エネルギー需要最適型と設備単位型を組み合わせての申請も可能
省エネルギー投資促進支援事業費補助金では、補助事業ポータルサイトから申請を行います。また、補助事業ポータルサイトでのユーザー名の取得が求められます。これらはWeb上で行うため、インターネット環境が必要です。
交付決定前に契約・発注された設備は補助の対象外となってしまうため、契約のタイミングには十分注意しましょう。加えて、補助金が交付された後には、実績報告書の提出が必要です。一次公募では、実績報告書の提出期限が2025年4月10日までと定められています。
設備だけでなく、事業全体での省エネを図りたい場合には、エネルギー需要最適型と設備単位型を組み合わせての申請も可能です。この場合、申請要件と補助率はそれぞれに定められたものが適用されます。
採択されなかったケースに備えるためにも、事前に過去の採択率を把握しておくことは重要です。令和3年度からの補助事業の採択率を見ていきましょう。
●参考:設備単位型(指定設備導入事業)過去の採択率
事業の名称 | 事業区分 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|---|
令和3年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業 | 指定設備導入事業 | 2,323件 | 1,241件 | 53.4% |
令和3年度補正 省エネルギー投資促進支援事業 | 指定設備導入事業 | 1,106件 | 974件 | 88.1% |
令和4年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業 | 指定設備導入事業 | 1,594件 | 828件 | 51.9% |
令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進 支援事業(一次公募) |
指定設備導入事業 | 1,920件 | 1,307件 | 68.1% |
令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進 支援事業(二次公募) |
指定設備導入事業 | 1,622件 | 1,515件 | 93.4% |
出典:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和3年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業 交付決定 新規採択事業について」、 「令和3年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業 交付決定 新規採択事業について」、 「令和4年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業 交付決定 新規採択事業について」、 「令和4年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業 交付決定 新規採択事業について」
事業年度により採択率にバラつきはあるものの、申請の半数以上が採択されています。採択されなかった場合の資金調達方法についても検討しながら、採択を目指して計画書および各種書類の作成に取り組んでみましょう。
省エネルギー投資促進支援事業費補助金を活用できる企業
申請前に、自社が省エネルギー投資促進支援事業費補助金の要件を満たしているかを確認しておくことも大切です。この補助金を申請できるのは、具体的には次の要件をすべて満たしている企業です。
・国内で事業を行っている法人・個人事業主
・事業の継続性が認められる(債務超過の場合は対象外)
・設置する補助対象設備の所有者かつ補助対象設備の処分制限期間継続的に使用すること
・補助金で得た設備を取得財産等管理台帳に記載のうえ、補助対象設備を管理し補助金交付の目的に従って運用すること
・経済産業省から補助金交付等停止措置または指名停止措置が講じられていないこと
・公的資金の交付先として社会通念上適切と認められない者でないこと
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に規定する「性風俗関連特殊営業」を営む企業や類する企業でないこと
・成果報告時に、導入した設備の最低1週間以上のエネルギー使用量の実測データ等を用いて省エネルギー効果を報告できる事業者であること
・会計検査院による現地調査等の受検に際し、事業者として会社単位で誠実に対応することが可能な事業者であること
引用:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金 公募要領」
事業を問題なく継続している企業でも、導入した設備を補助事業の目的に沿って運用できない場合には補助の対象外となる点に注意しましょう。
補助金を活用して工作機械を省エネ化するメリット
省エネルギー投資促進支援事業費補助金を活用して工作機械を省エネ化することで、次のようなメリットを享受できます。
費用負担を抑えながら最新設備を導入できる
省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、返還不要の資金調達方法といえます。新しい設備の導入には多額の資金が必要です。補助金を活用することで、経営への負担を抑えながら省エネも実現できることは企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
コスト削減が期待できる
これまで使用していた工作機械から省エネ対応の工作機械に切り替えることで、消費電力を大幅に抑えられる可能性があります。消費電力の低減によって、電気料金の削減が期待できます。企業にも温室効果ガスの削減が求められている今、環境に配慮しながらコスト削減を図れる省エネ対応の工作機械の導入を検討してみましょう。
生産性向上につながる
最新の工作機械には高効率な動作や先進技術が取り入れられていることから、従来の工作機械と比較して生産性を向上できる可能性があります。生産性の向上は、人手不足対策にも有効です。省エネだけでなく省人化も実現できる工作機械の導入は、利益向上にもつながるでしょう。
補助金を活用して経営に負担をかけない省エネ対策と新設備の導入を
令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、工作機械の導入にも使える補助金です。補助金を活用した省エネ対応の工作機械の導入は、経営への負担を抑えながらコスト削減や生産性向上を図れる利点があります。
ただし、令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金は公募期間が短いため、設備導入を検討している企業はすぐに申請準備にとりかかりましょう。
ブラザーの対象機種はこちら[PDF/670KB]-
文:髙橋みゆき
1983年生まれ。2016年よりライター・編集者。各種民間保険、介護、医療、ITなど幅広いジャンルの記事を企画・執筆。
-
編集:株式会社イージーゴー
WEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。
https://eggo.jp/
- コストを削減したい
- 加工時間・人員・消費エネルギー等を節約
- ブラザーホーム
- 製品情報
- 工作機械
- マシナリーお役立ちNAVI
- 中堅企業向け大規模成長投資補助金