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完全移行目前!加工食品・添加物の食品表示

更新日:2022.08.16 公開日:2020.02.10

食品関連事業者の皆さん、新表示への対応は済んでいますでしょうか。すでに移行済みの生鮮食品に続き、2020年3月末には、加工食品・添加物も経過措置期限を迎えます。それまでに食品表示基準に沿った表示ラベルを作成する必要があります。

完全移行目前!加工食品・添加物の食品表示

今回は、まだ新ラベルの準備ができていない表示担当者に向けて、加工食品及び添加物に関する食品表示基準の基礎知識を解説します。新ラベルの作成にお役立てください。

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食品表示法・食品表示基準とは

食品表示法は、事業者にも消費者にもわかりやすい食品表示制度を目指して策定された法律です。 それまで食品の表示ルールを定めていた「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」の3つの法律を統合し、2015年4月1日より施行されました。 食品関連事業者(食品の製造者、加工者、輸入者または販売者)には、具体的な表示ルールを定めた「食品表示基準」の遵守が義務付けられています。

生鮮食品は2016年9月30日をもって新表示に完全移行しており、加工食品及び添加物についても、経過措置期間の終了まで残すところあと1ヵ月と迫っています。

加工食品・添加物の表示に関する主な変更点

旧表示から新表示への主な変更点をまとめたものが下の図になります。新表示では、これまで任意表示だった栄養成分表示が義務化(図内1)。
※ただし、小規模の事業者が販売する食品は栄養成分表示を省略することができます。
アレルギー表示は個別表示が原則となり、アレルギー物質を含む原材料や添加物の直後に括弧を付して記載します(図内2)。
また食品に添加物が含まれている場合、原材料と添加物の区分を明確にする必要があります(図内3)。

※詳細は、消費者庁「小規模の事業者における栄養成分表示の省略[新しいウィンドウ]」をご確認ください。

加工食品・添加物の表示に関する主な変更点

各変更点について詳しく見ていきましょう。

1.栄養成分表示の義務化

  • 加工食品
  • 添加物

食品関連事業者は原則として、全ての一般用加工食品と一般用添加物に、熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(「食塩相当量」で表示)の栄養成分を表示する義務があります。 なお飽和脂肪酸と食物繊維は推奨、糖類、糖質、コレステロール、ビタミン・ミネラル類については任意とされています。

■ 表示例
ナトリウム塩を添加している場合

ナトリウム塩を添加していない場合


2.アレルギー表示に係るルール改善

  • 加工食品
  • 添加物

えび、かに、卵、小麦など、特定原材料を含む加工食品・添加物は、アレルギー物質(アレルゲン)を含む旨を個別表示する必要があり、表示欄が小さいなど理由がある場合のみ一括表示が可能になります。

■ 表示例
・原材料の場合…マヨネーズ(卵を含む)
・添加物の場合…グルテン(小麦由来)

3.表示レイアウトの改善

安全性に関する表示事項

  • 加工食品
  • 添加物

表示可能面積がおおむね30c㎡以下の場合、安全性に関する情報(名称、保存方法、消費期限または賞味期限、表示責任者、アレルゲン及びL-フェニルアラニン化合物を含む旨)の省略はできません。

原材料と添加物の区分

  • 加工食品

食品に添加物を使用した場合や原材料に添加物が含まれている場合は、原材料と添加物の区分を明確に表示しなければなりません。

■ 表示例
事項名を分けて表示

食品表示法・食品表示基準の食品ラベル表示例

記号で区分(「/(スラッシュ)」推奨)

食品表示法・食品表示基準の食品ラベル表示例

改行して表示

食品表示法・食品表示基準の食品ラベル表示例

別欄で表示

食品表示法・食品表示基準の食品ラベル表示例

食品表示基準に基づく表示事項

食品表示基準で定められたルールに基づいて、加工食品及び添加物の基本的な表示事項をご紹介します。

1.加工食品

加工食品は、製造または加工された飲食物です。 加工食品のうち、一般消費者に販売される形態になっているものを「一般用加工食品」、それ以外を「業務用加工食品」といいます。

表示方法

一般用加工食品
表示の基本ルールとしては、8ポイント以上の大きさの文字で、容器・包装の見やすいところに一括表示すること、とされています。 詳しくは消費者庁『早わかり食品表示ガイド <事業者向け>~食品表示基準に基づく表示~[新しいウィンドウ]』をご確認ください。

業務用加工食品
業者間取引の食品は一括表示でなくても良いとされています。 記入場所は、容器・包装、送り状・納品書、規格書など。 ただし、一部の事項については容器・包装に表示しなければなりません。 文字の大きさや表示様式の規制はなく、「名称」「原材料名」などの項目名は省略することができます。

■ 表示事項

項目 表示内容 一般用
加工食品
業務用
加工食品
名称 加工食品の内容を表す一般的な名称を記載。商品名ではありません。
保存方法 「要冷蔵(10℃以下)」など、食品の特性に従って表示します。「常温で保存する」は省略可能です。
期限表示 品質の劣化が早いものは「消費期限」、それ以外の食品は「賞味期限」を年月日で記載します。
原材料名 使用した原材料を、重量の割合が高いものから順に表示。複合原材料は、原材料名の後にカッコを付けて記載します。
添加物 使用した添加物を、重量の割合が高いものから順に表示。事項欄を設けず原材料名の欄に記載する場合は、記号などで明確に区分する必要があります。
内容量 重量や体積、数量について、グラム、ミリリットル、個数などの単位を明示して記載します。
栄養成分の量・熱量 栄養成分の量及び熱量を、一食分の量などの一定単位で記載します。
食品関連事業者 表示内容に責任を持つ食品関連事業者の氏名または名称と、住所を記載します。
製造所 製造所または加工所の所在地と、製造者または加工者の氏名や名称を表示。「食品関連事業者」と「製造所」が同一の場合は、「製造者」「加工者」「輸入者」のいずれかの事項名で、氏名または名称と、所在地を記載します。
アレルゲン 特定原材料を含む加工食品・添加物は、アレルゲンを含む旨を個別表示します。
L-フェニルアラニン化合物を含む旨 アスパルテームを含む食品は、L-フェニルアラニン化合物を含む旨の表示が必要です。
乳児用規格適用食品である旨 食品衛生法で規定された乳児用規格適用食品は、「乳児用規格適用食品」の文字またはその旨を表示します。
原料原産地名 国内で製造した全ての加工食品に、使用した原材料に占める重量の割合が最も高い原材料の原産地名を記載します。
原産国名 輸入品には原産国名を表示します。

■一般用加工食品 一括表示例

食品表示法・食品表示基準の食品ラベル表示例

2.添加物

添加物は、食品の製造の過程において、または食品の加工・保存の目的により、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものを指します。 添加物のうち、容器・包装に入れられ、一般消費者に販売される形態になっているものを「一般用添加物」、それ以外を「業務用添加物」といいます。

■ 表示方法

表示の基本ルールとしては、8ポイント以上の大きさの文字で、容器・包装の見やすいところに表示することとされています。

■ 表示事項

項目 表示内容 一般用
添加物
業務用
添加物
名称 添加物の内容を表す一般的な名称を記載。ただし、一括名や簡略名を用いることはできません。
添加物である旨 「食品添加物」の文字を表示します。
保存方法 添加物の特性に従い表示します。
期限表示 品質の劣化が早いものは「消費期限」、それ以外の食品は「賞味期限」を年月日で記載します。なお、添加物は期限表示を省略することができます。
内容量 重量や体積、数量について、グラム、ミリリットル、個数などの単位を明示して記載します。
栄養成分の量・熱量 栄養成分の量及び熱量を、一食分の量などの一定単位で記載します。
食品関連事業者 表示内容に責任を持つ食品関連事業者の氏名または名称と、住所を記載します。
製造所 製造所または加工所の所在地と、製造者または加工者の氏名や名称を表示。「食品関連事業者」と「製造所」が同一の場合は、「製造者」「加工者」「輸入者」のいずれかの事項名で、氏名または名称と、所在地を記載します。
アレルゲン 特定原材料を含む加工食品・添加物は、アレルゲンを含む旨を個別表示します。
使用の方法 食品衛生法第11条第1項の規定にて定められた使用基準に合う方法を表示します。
添加物の値 重量パーセント、色価などを記載します。
成分・重量パーセント 成分および添加物に占める成分の重量パーセントを表示します。
実効の色名 「製剤」の文字を冠した実効の色名を表示します。
L-フェニルアラニン化合物を含む旨 アスパルテームを含む食品は、L-フェニルアラニン化合物を含む旨の表示が必要です。
ビタミンAとしての重量パーセント ビタミンAとしての重量パーセントを記載します。

【補足情報1】バーコード利用時の注意

POSレジスターでの読み取りが可能なJANコードや、物流用のITFコードなど、バーコードは食品の流通・管理に広く利用されています。 そのため、新表示ラベルと一緒にバーコードを作成しようと考えている事業者も多いと思いますが、JANコードを使用する際は、事前に「GSI事業者コード(企業コード)」を取得する必要があります。 申請の方法については、一般財団法人 流通システム開発センター「GS1事業者コードの新規登録手続き[新しいウィンドウ]」をご覧ください。

【補足情報2】栄養価算出に便利なツール

一般用加工食品や一般用添加物で栄養成分の表示が義務化され、栄養価の算出に手間取っているという方もいることでしょう。 栄養成分計算ソフトを活用すれば、簡単な操作で栄養価を算出することができます。 各社からさまざまな便利ツールが出ていますので、お悩みの方は、インターネットで検索してみてください。

経過措置期間について

食品表示基準に基づく新表示への移行期間として、加工食品及び添加物は、2020年3月31日まで旧表示が認められています。 とはいえ、この経過措置期間はあくまで旧表示ラベルの在庫を消化し、新表示ラベルを作成するための準備期間です。 2020年4月1日からは旧表示での製造・販売が認められないばかりか、罰則の対象にもなり得ますので注意しましょう。

新表示ラベルの作成に活用したいラベルプリンター

食品表示法に関する基礎知識のおさらいが終わったところで、最後に、食品表示ラベルの作成にお役立ちのラベルプリンターをご紹介します。新表示ラベルの作成にご活用ください。
※新表示ラベルを作成する際は、消費者庁のホームページ[新しいウィンドウ]で新基準の詳細をご確認の上、行ってください。

食品表示ラベル向け業務用感熱ラベルプリンター「TD-2130NSA


■製品のポイント1:
台紙を剥がす手間がない剥離(ハクリ)モード、大量貼付け作業に便利な連続発行モードなど、食品表示ラベルに最適な機能が満載。
■製品のポイント2:
本体に時計機能を内蔵し、日付・時間の自動加算機能も付いているため、賞味期限表示や消費期限表示にもしっかり対応。
■製品のポイント3:
19~63mm幅のロール紙に対応、152mm/秒の高速印字を実現。
■製品のポイント4:
操作パネル&液晶ディスプレー搭載で使いやすく、ラベル作成ソフト「P-touch Editor」無償同梱も魅力。

スマホからも印刷可能な感熱ラベルプリンター「QL-820NWB


■製品のポイント1:
高耐久のオートカッターに加え、食品表示ラベルの作成に便利な黒・赤の2色発色機能付き。
■製品のポイント2:
本体に時計機能を内蔵しているため、賞味期限や消費期限の日時を自動で印字。
■製品のポイント3:
USB、USBホスト、有線・無線LAN、Bluetoothが標準搭載。無料でダウンロードできるブラザー専用アプリで、スマホやタブレットからも印刷可能に。
■製品のポイント4:
テープ幅は23~62mmに対応、最大176mm/秒の超高速印刷を実現。

TD-2130NSA、QL-820NWBなら食品表示ラベルもラクラク!

食品表示法・食品表示基準の食品ラベル表示例
食品表示法・食品表示基準の食品ラベル表示例

※この記事の内容は、2019年2月現在のものです。
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ブラザー販売 ビジネスNAVI 編集部

ブラザー販売、ビジネスNAVI担当者です。ビジネスNAVI編集者として、トレンドコラムやお客様の導入事例、パートナー企業、製品のソリューション情報などを発信していきます。

   

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