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小売店開業に必要な「手順」・「費用」と準備すべき「備品」を徹底解説!
更新日:2023.05.15 公開日:2018-02-26
内外装や品ぞろえを自分好みにして、顧客に買い物を楽しんでもらえるような空間を演出できるのが小売業の大きな魅力です。その自由度の高さにひかれて小売店を開業したいという人もいるのではないでしょうか。
しかし、自由度が高い分だけ小売店開業にあたってはよく考えて準備しておくことが求められます。そこで、この記事では小売店を開業する際のポイントをまとめてみました。
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【手順編】小売店を新たに開業するには?
小売店を新たに開業するための流れは、概ね以下の通りです。
1. 事業計画を作成する
2. 資金調達をする
3. 物件を探す
4. 税務署や保健所などの役所へ届け出をする
5. 物件の内外装に手を加える
6. 仕入れをして販売する
次の段落からは、それぞれのポイントについて解説していきます。どのような点に注意すればいいか、一緒に見ていきましょう。
まずは事業計画の作成から
小売店の開業にあたってはまず、どのような店舗にしたいかや、どれぐらいの売り上げがあれば経営が成り立つかを可視化しておくことが重要です。そのためには事業計画を作成するとよいでしょう。事業計画を作成しておくことで、開業後に経営が順調に進んでいるかどうかを確認する指標になります。また、文章化することで自分が考えていた事業構想の課題が見つかったり、第三者からアドバイスをもらえたりすることもあるでしょう。
さらに、事業計画は次の段階である資金調達で必要になる場合も多いでしょう。金融機関などで資金調達を行うには、主に事業の収支や将来性が審査されます。その審査の過程では事業計画の提出が必要になるケースがほとんどで、内容に不備が多いとそれだけで審査に落ちてしまう可能性があります。
事業計画の作成には手間がかかりますが、納得がいくものができるまでしっかり考えましょう。
資金調達・物件探し・各種申請の準備
事業計画を作成したら、次はいよいよ開業のための具体的な準備にとりかかります。まずはさまざまな準備をするうえで必要になる資金調達からです。どのような点に気を付けながら準備をしていけばいいのでしょうか。
資金調達のポイント
前提として必要な資金は業種や出店する地域によって異なります。例えば、小売業の代表格でもあるコンビニエンスストアのフランチャイズでは、一般的に加盟金100万円~300万円、準備金50万円、自身や家族の当面の生活費100万円~200万円などが開業にあたって必要だといわれています。直営店舗を構える場合は、物件の取得費用や改装費用などでさらに多くの資金が必要です。不動産価格が高くなりがちな首都圏で直営店舗を開業するには、1,000万円程度の資金が必要になるケースも珍しくありません。どれぐらいの資金があれば十分なのかを事業計画の作成段階であらかじめ把握しておくことが大切です。
また、開業資金は自己資金で賄うのが理想ですが、金額が大きくなると金融機関からの融資に頼るしかない状況も考えられるでしょう。その際にできれば利用したいのが、国や各自治体が実施している補助金や助成金です。地域活性化のために開業を行政が支援していることもよくあるので、出店予定の市役所のHPなどをチェックしてみることをおすすめします。融資で借りた資金は利息を付けて返済しなければいけませんが、補助金や助成金は基本的に返済不要な点が魅力です。
出店地域・物件を探す
資金調達に目途が立ったら、次は実際に店舗を構える物件を探しましょう。物件を探すうえで大切なポイントは「場所」と「物件のスペック」です。また、毎月支払わなくてはいけない家賃のバランスを考慮することも重要になります。
出店地域はターゲットが多いかがポイント
小売店の成功は出店地域にかかっているといっても過言ではありません。なぜなら小売店は、消費者に店舗まで足を運んでもらわなければいけないためです。そのため、まずは事業計画で想定した顧客が多い地域を選ぶとよいでしょう。例えば、若者向けの店舗ならば繁華街の近く、子どもをターゲットにしている場合は学校や公園などが多く存在する地域といった具合です。より具体的な数値を知りたい場合は、役所などが公表している人口動態を参考にするのもよいでしょう。
また、そのほかにも将来的に人口増加が見込めたり、同業他社が少なかったりするエリアは潜在顧客が見込めるうえ、競合する可能性が少ないので出店するのに有利な地域だといえます。なお、人の流れは時間や天気、曜日によって変わることもあります。そのため、出店場所の最終的な判断をするときは、実際に出店地域近辺に何度も足を運んで調査しましょう。
物件は家賃や広さのほか改装費まで考えて
物件を選ぶ際はターゲットとなる顧客の多さだけでなく、アクセスの良さや取り扱う商品に適した広さであるかどうかも重要です。どれほど潜在的な顧客が多い地域でも駐車場がなく、駅やバス停などから遠い場所では店舗に通ってくれる人の数は限られてしまいます。反対に、人の集まりやすい大きな駅やバスターミナルなどがある場所から徒歩圏内の立地であれば、集客が見込めるはずです。
店舗の広さについては、広すぎても狭すぎてもよくありません。広すぎる場合は家賃や電気代などのランニングコストが余計にかかってしまいがちで、狭すぎる場合は商品を置くのに苦労するためです。また、一般的に広い物件ほど店舗の改装費用も高くなるので、仕入れる商品の数量や大きさなどから事前に理想の広さを考えておきましょう。
家賃についてはもちろん安い方が魅力的ですが、あまり気にしすぎて立地条件や設備の悪い物件を選んでしまっては意味がありません。規模によるものの、一般的に小売業の店舗に対する家賃は「月商の7%~10%」が目安だといわれているので、まずはその範囲内で探してみることをおすすめします。
開業に必要な資格や届け出
小売店の開業準備で忘れてはいけないのが、各種の資格取得や届け出です。販売する商品や地域のルールによって必要な種類は変わるものの、少なくとも開業する場合は税務署へ開業届出書を提出しなければいけません。提出期限は個人経営の場合で開業後1カ月以内、法人経営の場合は設立後に登記した日から2カ月以内です。
また、従業員を雇用する場合は健康保険や厚生年金、労災保険、雇用保険に加入しなければいけない場合もあります。常時雇用する従業員が1人でもいる場合は、雇用保険加入のために雇用時の翌月10日までに職業安定所、労災保険加入のために事業開始から10日以内に労働基準監督署にそれぞれ届け出をしなければいけません。
さらに、法人経営の場合で常時1人以上、個人経営の場合で常時5人以上を雇用する事業所は健康保険や厚生年金のために社会保険事務所へ加入する義務を負っています。いずれも故意に未加入だと判断されると、追徴金の請求や罰金などの罰則が適用される恐れがあるので気を付けましょう。
そのほかに業種別で必要になる主な資格や届け出については、下記にまとめておきますので参考にしてください。
資格などの名称 | 取り扱えるようになる商品など | 申込みまたは届け出先 |
---|---|---|
古物商許可 | 中古品(リユースショップ、古着屋など) | 管轄の警察署 |
食品関係営業許可 | 食料品(コンビニなど) | 管轄の保健所 |
飲食店営業許可 | 飲食店(カフェ、レストランなど) | 管轄の保健所 |
食品衛生責任者 | 飲食店(カフェ、レストランなど) | 各都道府県の食品衛生協会など |
一般酒類小売業 | お酒(酒屋やコンビニなど) | 管轄する税務署 |
動物取扱業 | 動物(ペットショップなど) | 各都道府県の担当窓口 |
防火管理者 | 店舗の収容人員などに応じて選任しなければいけない※ | 所轄の消防署または市役所など |
※面積や収容人員によって必要な資格は異なる
内装や外装を行い、商品を仕入れる
消費者が実店舗を訪れて商品を選ぶ小売業では、店舗の内外装は売り上げに大きく影響します。基本的には事業計画で想定した顧客に合わせたデザインにするのが望ましいですが、経営者の好みだけで判断すると偏ったデザインになるかもしれません。あくまでも顧客目線で良いイメージを持ってもらえるように心がけましょう。
また、内外装の工事と並行してオフィス用品もそろえておくと、スムーズに開業できます。工事の完成時期を確認したうえで、可能であれば商品の仕入れも始めておくとよいでしょう。
【費用編】最低1,000万円!? 小売店開業にかかる費用
上述したように、小売店の開業に必要な資金は出店地域やどのような商品を販売するかで大きく異なります。しかし、家賃の高い大都市近郊で実店舗を構えるとなると、1,000万円程度かかることも珍しくありません。その場合、自己資金で500万円、残りの半分は「国民金融公庫」などの金融機関から調達するのが一般的ともいわれています。
ここからは店舗や事務所にかかる費用について、より具体的に紹介していきます。
店舗・事務所にかかる費用
自宅をオフィスとして利用する形式以外では、店舗や事務所を借りるための費用が必要です。とくに実店舗型の事業を開業するにあたって、立地条件や店舗面積がその後の集客、売上高に大きく影響してきます。そのため、多少割高でも良い物件を見つけるのがベストです。月額家賃は最低でも20~30万円程度はかかると考えたほうがよいでしょう。賃貸契約を結ぶ際には、物件や地域によってかかる費用項目は異なりますが、「月額家賃の半年~1年分程度の初期費用がかかる」と思っておきましょう。
例えば、月額家賃30万円程度の物件を借りることになったとします。 初期費用として半年分請求された場合、以下のような計算になります。
【賃貸契約における初期費用の例】
[月額家賃30万円×6ヶ月=初期費用180万円]
したがって、店舗・事務所を借りるための初期費用には最低でも100~200万円はかかることになります。具体例として、都内で最も事務所数が多い東京都港区に店舗面積20坪の小売店を開業する場合、以下のような計算になります。
【東京都港区のオフィス相場】
[賃貸事務所平均賃料(30坪以下)15,184円/坪×20=303,680円]
[月額家賃318,040円×6ヶ月=初期費用1,822,080円]
内装にかかる費用
開業にオフィスを借りる場合には、机や椅子、書類棚等の備品を購入するだけで済みますが、店舗ということになれば内装工事をする必要があります。工事費用にはその物件や内容によって異なるものの、最低でも200万円程度はかかると見込んでおきましょう。事業のコンセプトに沿って見栄えの良い店舗を作るなら1,000万円程度必要です。
「そんなにお金をかけられない!」という方は、内装にかかる費用を抑える方法として、「居抜き」という賃貸方法があります。
居抜きとは、店舗を借りていたテナントが店を閉める際、内装や店内設備をそのままの状態で次の借主に譲渡する物件のこと。つまり、良い状態の居抜き物件を見つけることができれば、大幅に出店コストを抑えて、素早く開業まで辿り着くことができるのです。ただし、居抜き物件の中には、設備が故障していたり、経営不振のために撤退したりしたケースも少なくありません。そういった物件は周囲に悪いイメージが浸透している場合があるので、不動産会社に入念な確認をしてから契約するようにしましょう。
【実店舗型の独立開業資金の想定事例】
- 店舗賃貸契約費用・・・220万円(敷金、保証金、仲介手数料)
- 家賃・・・・・・・・・180万円(30万円×6ヶ月)
- 店舗改装費・・・・・・200万円
- 設備購入費・・・・・・130万円
- 商品仕入資金・・・・・300万円
- 会社設立費用・・・・・ 30万円
- 開店時の広告宣伝費・・ 50万円
- 生活費・・・・・・・・180万円(30万円×6ヶ月)
合計金額・・・・・・ 1,290万円
賃貸契約、内装費用の解説を踏まえて最低限の実店舗開業の環境を整えるだけでも1,000万円以上の資金が必要なことが、上記の事例からもわかると思います。不足分の資金は金融機関から調達することができますが、創業融資を受けるにあたり「開業予算のうち10分の1以上は自己資産として用意しておく」ことが必須条件になります。(日本政策金融公庫・新創業融資制度)
したがって開業予算が1,000万円なら最低でも100万円を用意…といいたいところですが、3分の1は準備しておいたほうが無難です。
なぜなら、公庫側から自己資金として認められるかどうか審査が入るからです。そのお金の「出どころ」、または「借りたか」「貰ったか」などによって、自己資金としてみなされるか判断されます。希望額より減額される場合も考えた上で、開業予算の3分の1は準備しておくと安心です。
【備品篇】小売店開業で準備するべき備品は?
小売店開業の費用には当然、備品の購入や設備投資も含まれます。必要な備品は数多くあるため、「何をそろえたらいいのかわからない」とお悩みの方もいるはず。 ここでは、店舗を開業するにあたって、最低限必要な備品をピックアップしてみました。
- 【オフィス備品リスト】
- オフィス家具 椅子、机、受付カウンター、本棚、耐火金庫、フロアケース、傘立て
- OA機器
PC、電話機、FAX、コピー機、シュレッダー、レジ、クレジットカードリーダー、ラベルプリンター 清掃用具
掃除機、雑巾、箒、ちりとり、ゴミ箱、ゴミ袋 - 印鑑関係 印鑑(実印、代表者印、認印、科目印、回転印日付印等)、印マット、朱肉
- 筆記用具 ボールペン、サインペン、蛍光ペン、修正ペン、マジック、シャープペン、替芯、鉛筆、鉛筆削り、消しゴム、定規
- 事務用品 ハサミ、カッター、セロハンテープ、のり、ホッチキス、ホッチキス針、穴あけパンチ、クリップ、輪ゴム、コピー用紙、事務封筒、請求書、領収書、名刺、釣り銭トレー、伝票挟み、キーボックス、硬貨保管箱
- ファイル関係 ファイル、クリアホルダー、名刺ファイル、デスクイントレー
- メモ用品 ノート、メモ帳、付箋
- その他 防犯設備、照明設備、看板などの店頭設備、掛け時計、灰皿
デスク周辺の小物は必要なモノが多いのでそろえるのは大変ですが、中には忘れがちな備品もあります。必要になってから慌てて購入するのでは遅い、という可能性もあるので開業の際は、チェックリストを用意しておくとよいでしょう。
印刷時必須!店舗開業に必要なプリンターをご紹介
どんな形態のオフィスでも欠かせない、ビジネスプリンター
小売店を始め、導入するオフィスによって、ビジネスプリンターに求める機能は様々です。そこでプリンターの機能から、アナタのオフィスに合ったプリンターを選ぶと良いでしょう。
【プリンター機能】
・印刷方式(レーザー・インクジェットなど)
・対応用紙サイズ
・カラー対応
・給紙容量
・印刷速度
・印字品質
・ネットワーク対応
・ランニングコスト
・設置スペース
例えば小売店舗や飲食店の場合、POPやメニュー、店内でのポスターなど様々な印刷物を取り扱うケースが多いです。その場合、カラープリントに対応しておりA3サイズまで使えると、1台で様々な用途で利用することが可能となります。また、店内スペースを限りなく有効に使いたい場合は、電話やFAXなどもセットになっている機器を選択する方法もあります。ブラザーでは、みなさんの用途に合わせたビジネスプリンターを用意しているので、ぜひチェックしてみてください。
ブラザー ビジネスプリンター製品情報・導入事例
小売店経営にはラベルプリンターが必須!
ラベルプリンターは、粘着性のあるシートにパソコンなどで作成したデザインを簡単に印刷できるプリンターのことです。販売する商品の魅力をアピールするラベルを作りたいという人もいるのではないでしょうか。また、食品を扱う場合は、原材料や賞味期限などの表示をする必要もあるでしょう。しかし、それらを1つ1つ手書きで用意するのは時間と手間がかかってしまい大変です。
そうしたときにラベルプリンターがあれば、作業効率アップに役立ちます。現在ではスマホから手軽に印刷できるモデルや熱転写ラミネートラベルを使用した低コストモデルなど、さまざまな機種が登場しており、経営状況に合ったタイプを選べる点もメリットです。
わかりやすい表示印刷が実現
小売業界は消費者へ直接商品を販売するため、消費税の増税や軽減税率、価格表示の内税・外税・総額表示の義務付けといった税制や法律改正の影響を受けやすいのが特徴です。それらの改正があった場合に価格などの表示が分かりにくいと、トラブルに発展する可能性があります。
万が一トラブルが発生した場合、当事者になった顧客は次から店舗へ足を運んでくれなくなるかもしれません。そのようなことが起こらないように、小売業界の現場では、販売する商品の価格や特徴を分かりやすく表示することが求められています。その点、ラベルプリンターがあればわかりやすく読みやすいラベルを簡単に作成できます。ラベルプリンターは小売店の経営を安定させるために、必須の存在だといえるでしょう。
小売店開業のプリンター選びなら印刷のプロ・ブラザー販売に相談!
小売店開業には気を付けるべきポイントがたくさんありますが、開業後に顧客との信頼関係を構築するためにも分かりやすい製品特徴や価格の掲示はとても大切です。プリンター販売のプロであるブラザーでは、用途や利用シーンに応じたさまざまなタイプの機種を販売しています。
公式ホームページでは、小売業界で使い勝手のよいラベルプリンターの見極め方を教えてくれる資料の請求や2週間のデモ機無料貸し出しサービスなども受け付けています。これから小売店の開業を検討している方は、それらのサービスの利用を検討してみてください。
ブラザーのオフィス機器を見る
※この記事の内容は、2023年5月現在のものです。
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