• 製造
  • 物流
  • 業界記事
  • ラベルプリンター

「GHS」「SDS」「JIS」とは?
化学薬品製造業者なら知っておくべき
化学物質のラベル表記法をやさしく解説

製造で薬品をはじめとする化学物質に携わっている方ならよく聞く「GHS」「SDS」「JIS」などのアルファベット……。皆さんは、その意味をきちんと説明できますか?理解不足によりラベル表示を怠ったり記載を誤ったりしたら、罰則を受けますし、何より従業員やお客さまの安全が脅かされてしまう可能性があります。 そこでこの記事では、化学物質のラベル表示について解説していきます。まだ知識が十分にない勉強中の方だけでなく、以前、学んだ人も復習のためにぜひご一読ください。

化学物質を扱う上での大前提

基本となる「GHS」「JIS」とはいったいなに?

まず化学物質を扱う上で大前提となる「GHS」について説明します。 GHSとは、化学物質の危険・有害性を表し分類する方法で、国際的に推奨されています。「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)」(GHS)という文書がその基となり、以下のふたつの内容を規定しています。

危険有害性を判定するための分類基準

「物理科学的危険性」(物質の可燃性や発火性など)、「健康に対する有害性」(急性毒性や発がん性など)「環境に対する有害性」(水生環境への影響)

分類した結果の情報を伝える手段・・・ラベルや SDS(安全データシート)

「爆発物」や「高圧ガス」など危険物を9種類に分けてピクトグラムで表示
このGHSの内容を一部抜粋して翻訳したものが日本では、「JIS Z 7252」及び「JIS Z 7253」という規格として定められています(※)。
※JIS:日本の工業製品に関する規格や測定法などが定められている日本工業規格(Japanese Industrial Standards)

「JIS Z 7252」は「危険有害性を判定するための分類基準」の内容、「JIS Z 7253」は「分類した結果の情報を伝える手段」がそれぞれGHSから反映されたもので、その分類は厚生労働省
(http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/GHS_MSD_FND.aspx)のサイトで確認できます。日本の化学物質の扱いについては、このふたつの基準(およびその基盤となっているGHS)の理解が必須といえるでしょう。

化学物質を扱う上での大前提

あなたの知識は古いかも!?
平成28年に安全衛生法改正

次に、簡単に化学物質の区分について押さえていきます。
現在、約6万もの数がある化学物質は、「労働安全衛生法」により大きく3つに分けられます。ひとつは、石綿など危険性の高い8物質で、これらは「製造禁止」となっています。ふたつ目が一定の有害危険性が認められている640物質で、安全データシート<SDS>(※)の交付義務、ラベルの表示義務およびリスクアセスメントの実施義務が定められています。そして最後のひとつがそれ以外の有害危険性が認められていない、残りすべてです。
※安全データシート:化学物質を出荷する際に情報を記す書類。SDS(Safety Data Sheet)とも言う

製造現場で特に注意すべきは、ふたつ目の「一定の有害危険性が認められている640物質」。なぜなら、平成28年6月1日に施行された労働安全衛生法の改正により、各種義務の適用範囲が広がっているためです。

改正前
  • 116物質(健康被害多発)→SDS交付義務、ラベル表示義務
  • 424物質(その他の、危険性がある物質)→SDS交付義務
改正後
  • 640物質(116+424)→SDS交付義務、ラベル表示義務、リスクアセスメント義務

今回の改正により、SDS表示およびラベル表示の義務の範囲が拡大。さらに人の健康や生物への環境リスクを査定する「リスクアセスメント」(※)が義務化されることになりました。そのため、改正以前の資料を参照していた場合、ラベル表示義務を怠ってしまう可能性があります。もしラベル表示義務を怠った場合、6ヶ月以下の懲役あるいは50万円以下の罰金の罰則を受けることになるので、再度、確認してください。(労働安全衛生法119条)(http://www.houko.com/00/01/S47/057.HTM#s12)
※リスクアセスメント:化学物質の危険性や有害性によるリスクを見積もり、そのリスクを減らすための措置を実施すること。労働安全衛生規則(https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-1-m-0.htm)や特定化学物質障害予防規則(https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-29-m-0.htm)などに規定されている措置を実施。法令に規定がない場合は、結果を踏まえた事業者の判断により、必要な措置を講じなければならない。

実践 篇

ラベルに記すのは6種類。
各種資料を参照し、正確な情報を記入しよう

ではここからは、具体的に化学製品のラベルにどのような内容を記すべきか例を元に説明していきましょう。 化学物質の分類を規定したJIS Z 7253では、化学製品のラベルは6つの内容を記すことが定められています。

(1) 名称
化学物質や製品の名称を記載。
(2) 注意喚起語
GHSで分類された区分に応じた、「注意喚起語」の欄の文言(「危険」「警告」)を記載。
(3) 標章(絵表示)
GHSで分類された区分に応じて、標章(絵表示)を記載。黒いシンボル、十分幅広い赤い枠(2017年1月以降、黒色ではなく赤色で表すことが義務化)で表記。1cm²以上の大きさが望ましい。 標章のダウンロードは国連UNESCウェブサイト(http://www.unece.org/trans/danger/publi/ghs/pictograms.html)から。
(4) 危険有害性情報
物理化学的性状、安定性、反応性、有害性および 環境影響など。
GHSで分類された区分に応じた、「危険有害性情報」の欄の文言を記載。 例)強い眼刺激、吸入すると有害
(5) 貯蔵又は取扱い上の注意
化学物質等のばく露や不適切な貯蔵、取扱いから⽣ずる被害を防止するために取るべき措置を記載。
例)換気の良い場所で保管すること。皮膚刺激が生じた場合は医師の診断・手当てを受けること
(6) 表示をする者の氏名、住所および電話番号
化学物質等を譲渡・提供する者の氏名(法人の場合は法人名)、住所および電話番号を記載。
法改正前は混合物の「成分」も必ずすべてを記入することが定められていましたが、煩雑になってしまい、肝心の注意書きが読みにくくなるため義務ではなくなりました。 ただし安全のため、有害性のある物質だけでも成分表示したほうが望ましいでしょう。
また、限られたスペースに合わせて表示をしなければならないため、その注意事項などすべてを記すのではなく、表示内容も絞り込む必要があります。その際には、経済産業省が実施しているGHS混合分類判定システム(http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_auto_classification_tool_ver4.html)を使って判定しましょう。

ただし、ラベル表示の対象外もあります。以下がその条件です

1. 指定化学物質の含有率が1%未満(特定第一種指定化学物質の場合は0.1%未満)の製品
2. 固形物(事業者による取扱いの過程において固体以外の状態にならず、かつ、粉状又は粒状にならない製品)
3. 密封された状態で取り扱われる製品
4. 主として一般の消費者の生活の用に供される製品
5. 再生資源十分に確認したうえで、適切なラベル表示をおこないましょう。

活用 篇

ラベル作成の際には、ラベルプリンターを

「GHS」や「SDS」に関するラベル作成について、基本知識を学んだら、さらに以下の詳細な資料でも確認してみてください。

GHSの概要について
GHS対応 化管法・安衛法におけるラベル表示・SDS提供制度
(http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/files/GHSpamphlet201606.pdf)
ラベル作成の詳細な手順について
改正安衛法に基づくラベル作成の手引き(https://goo.gl/aGgXmg)

手順を理解して実際に作成する際には、汚れ・薬品・溶剤などに強いラミネートラベルをプリントできるP-touchシリーズがおすすめ。特にPT-P950NWは製造・物流業界用にカスタマイズされた高性能プリンター。また、印刷コストをより抑えたい方には、感熱式のQL-820NWBもおすすめ。専用の感熱紙を使うことで黒/赤のラベル作成が可能なため、義務化されている標章の赤枠にも対応しています。

これらのプリンターは、きっと、あなたの現場の安全衛生を守ってくれるはずです。

購入前のお問い合わせ

このページをシェアする