教育掲載日：2022-05-06

【保育士インタビュー】明日から始めたい子どもへの読み聞かせ

お子さまに「本を好きになってほしい」という思いから、おうちにさまざまな絵本があるご家庭も多いのではないでしょうか。しかし、お子さまに本の面白さを知ってもらうきっかけは、本を読ませるよりも、読み聞かせが効果的です。

今回は、以前ご紹介した「【ベテラン保育士が教える！】おうち時間にお子さまと楽しむ折り紙」をはじめとする記事でもお話をお聞きした、私立保育園で20年間勤務しているベテラン保育士のY先生に再び登場頂き、読み聞かせの効果や選ぶポイント、おすすめの収納法などを紹介していただきます。

読み聞かせの効果

─ 絵本の読み聞かせは、お子さまにどんな効果があるのでしょうか。

Y先生：やはりなんといっても、親子間のコミュニケーションに有効だと思います。絵本ひとつひとつの読み聞かせは短い時間であっても、「これって何かな？」「どこにいるかな？」と呼びかけることで子どもは答えようとします。

─ ただ読むのではなく、問いかけることはたしかに会話のきっかけになりますね。

Y先生：「本を読むことは楽しい」と思ってくれれば、「またこれを読んでほしい」「この本が好き」と子ども自身が積極的に読み聞かせをしてほしいと意思表明してくれるでしょう。

また、子どもがおままごとやごっこ遊びが好きなのは、大人や好きなキャラクターの姿や行動に興味を持っているため。絵本の多くは同じフレーズが繰り返されるものもあります。子どもがそのフレーズを真似して繰り返すことで、語彙力が養われていく効果も期待できます。

─ 絵本をきっかけにさまざまな効果が期待できるのですね。

Y先生：私は自分の子どもふたりにも読み聞かせをたくさんするように心がけましたが、ふたりとも本が好きになってくれて、大人になった今でも読書の習慣がついています。読書の習慣があるのは、集中力がつくだけでなく、仕事や生活で生かせる知識を得られることからも決して無駄ではないと思っていますね。

読み聞かせの絵本を選ぶには

─ 書店や図書館に行くと、さまざまな絵本があって何を選んだらいいのか迷ってしまう方も多いかもしれません。選ぶポイントはありますか。

Y先生：楽しく読み聞かせするためにも、興味を持ってもらう本を選ぶのが大切です。絵本を選んでも次のページに進みたがる、遊んでしまうといったことがあれば、子どもに合っていない可能性が高いでしょう。親が「これを読んでほしい」「この絵本から○○を学んでほしい」と選ぶよりも、一緒に書店や図書館に行って、選ぶのがおすすめです。

─ 自分が本当に興味を持てるものを選ぶのが重要なんですね。

Y先生：たとえば動物が好きな子どもには動物が主人公の絵本、乗り物が好きな子どもには乗り物が登場する絵本など、子どもの興味を軸にします。そのためにも、子どもが普段どんなことに興味を持っているのか観察しておくと良いでしょう。

また、図書館ではテーマごとに絵本を特集しているコーナーを作っていることもあります。何を選んだらいいのか迷ってしまうときは、そういった展示も参考になりますよ。そしてお子さまに図書館の利用カードを作り、図書館を利用する機会を増やしてあげると、「新しい本を借りたい」と積極的に絵本を読もうとする姿勢づくりにもなるかもしれません。

絵本を収納するポイント

─ 絵本をご家庭で読み聞かせする際、収納にもポイントはあるのでしょうか。

Y先生：自分で取り出せるよう、子どもの力でも簡単に手に取れるようにしてあげてください。表紙が見える形で収納できる本棚も販売されていますが、どんなサイズの絵本も並べられますし、何よりお気に入りの作品の表紙が見られるのは子どもにとっても嬉しいでしょう。頻繁に読むものは、表紙が見える形でわかりやすいところにしまっておくのも良いですね。