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【ベテラン保育士にインタビュー】家庭でも出来る知育遊びを楽しもう
近年、家で過ごす時間が長くなり、お子さまと遊ぶことが多くなった方も多いはず。そんな今だからこそ、お子さまに自然と成長を促すような知育遊びに取り組んでみてはいかがでしょうか。
知育とは、お子さまが自ら物事を考え、できることを増やすような教育のこと。“教育”と聞くと難しく思えるかもしれませんが、“知育遊び”は生きていくうえで重要な力を楽しみながら学ぶことができます。
では、知育遊びをするうえで重要なことや、望ましい親の行動とは何なのでしょうか。今回は、私立保育園に20年間勤務されているベテランのY先生に家でも気軽にできる知育遊びについてお聞きしました。
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紙とクレヨンでできるお絵かき
─ おもちゃを販売しているお店には、パズルや積木をはじめとする“知育玩具”のコーナーも見かけます。家庭でも気軽にできる知育遊びはありますか。
Y先生:年々さまざまな工夫をこらした知育玩具が販売されていますが、家庭にあるものでも知育遊びを楽しむことは可能です。
たとえば、クレヨンや色鉛筆、紙があればお絵かきができますが、お絵かきも立派な知育遊びのひとつ。自分の手でクレヨンや色鉛筆を握ることが難しいお子さまも、絵の具を指先に付けて絵を描く“フィンガーペインティング”であればお絵かきを楽しめます。
─ たしかに、一定の年齢までのお子さまはクレヨンや色鉛筆を握ること、それらを使ってきれいな形を描くことはなかなかできないですよね。
Y先生:指先を動かすことは頭を使うことでもあるため、絵の具や紙の感触を味わいながら絵を描くのは知育にも有効です。2色の絵の具を指先で混ぜ、「どんな色になるかな?」とわくわくしながら色の変化を体感できるのも、色の名前や組み合わせを知るきっかけにもなるでしょう。
また、普段は「手はいつもきれいに」と言われているからこそ、思うがままに手に絵の具をつけてペタペタと絵を描くことで開放的な気分を味わえるはず。その際、床にはビニールシートをしっかり敷き、汚されたくないソファや家具にもビニールシートをかけておきましょう。
─ では、クレヨンや色鉛筆を握ることができるお子さまには、どのような形でお絵かきを始めると良いのでしょうか。
Y先生:最初のうちは大人が使い方を見せてあげたり、線やうずまきといった真似しやすいものを描いてみせてあげたりすると良いでしょう。指先の力によって線が細くなったり、太くなるのを実際に見せるのもおすすめです。
あとはやはり、「こう描いてね」と大人が決めてしまうのではなく、自由に遊ばせること。子どもはお絵かきを楽しむうちに、ものをよく見たり、色の使い方を学んでいきます。そこで大人が描くものや色を決めてしまうのは非常にもったいないです。
─ なるほど。ちなみにお絵かきが楽しいあまり、床や壁を汚してしまう……なんて失敗談もありますが、大人が注意しておくことはあるのでしょうか。
Y先生:たしかに、「賃貸物件なのに床や壁に思いっきりクレヨンで絵を描かれてしまって落とすのが大変だった」なんて話もありますね。とはいえ、そこでクレヨンを取り上げてしまったり、「だめでしょう!」と怒ってしまうとお絵かきに苦手意識を持つことにつながります。
そのため、大きな模造紙で「この上になら好きなだけ描いていいよ」と呼びかけたり、目の届くところでお絵かきをさせるようにしましょう。私は以前、年末の掃除で貼るのに失敗してしまった大きな障子紙を孫のお絵かき用にしたところ、家族みんなでお絵かきを楽しむことができました。
このように、大きな模造紙で思いきりお絵かきができれば、どこか他の描いてはいけないところにお絵かきをしてしまうことも無くなるはずです。
集中力や色彩感覚を養える塗り絵
─ クレヨンや色鉛筆が使えるお子さまには、塗り絵も知育として良い遊びになるのでしょうか。
Y先生:塗り絵は、集中力や色彩感覚を養う遊びとして、ぜひおすすめしたいですね。100円ショップなどでも人気キャラクターの塗り絵が販売されていますが、細かい部分が多く、塗り絵を始めたばかりのお子さまにとっては難しいこともあるでしょう。
まずは大人が、りんごやお日さま、おうちなどを大きめの枠で描き、そこに色を塗ってもらう形から始めると、塗りやすく楽しめるかもしれません。それ以外にも、さまざまなホームページでは無料で塗り絵がダウンロードできるため、子どもが興味を持つ絵柄のものや塗りやすいものを選んでプリントアウトすると良いでしょう。親子で同じ塗り絵に取り組み、完成したものを比べるのもおすすめです。
─ 塗り絵をきれいに塗るコツをお子さまに教えるポイントなどはありますか。
Y先生:私は「塗りたいところの周りをまずなぞってから塗ると、きれいに塗れるよ」と伝えています。こうすることでどんな色を塗るのか、どういう風に塗ればいいのかがイメージでき、自然とはみ出さずに塗れるようになる子が多いです。
─ その伝え方だと、たしかにはみ出しにくそうです。他にも塗り絵をするうえで気をつけたい点はありますか。
Y先生:子どもの発想力は自由なので、りんごを青で塗るかもしれません。そんなときに「これはおかしい」と注意するのは、子どもを否定してしまうのと同じです。そうではなく、「この色の使い方が素敵だね」と声をかけてあげましょう。
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おうちでできる知育遊びを楽しもう
知育遊びは、あくまでもお子さまが楽しみながら学んでいくもの。「○○に強い子になってほしい」「同い年の子はもっとできるのに」と焦って大人が横から手を出してしまうのは、自由に遊びたい子どもにとって辛いものとなってしまうことも……。
大人は優しく見守ってあげるうえで、子どもが聞いてきたときに初めてアドバイスをしてあげるくらいが良いと話すY先生。子どもの個性に合わせ、無理のないペースで知育遊びに挑戦してみてはいかがでしょうか。
※この記事の内容は、記事掲載開始当初、もしくは更新時のものです。
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