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普及する「フローズンチルド食品」に必要な「保存温度帯変更」とは?
「賞味期限」は「冷凍→冷蔵」の段階で変更されている!?

公開日:2024.11.08

     

食品スーパーやコンビニで販売されている冷凍食品・冷蔵食品は、今や私たちの暮らしに不可欠なものになっていますが、この「冷凍」と「冷蔵」の特長を併せ持つ「フローズンチルド食品」が広く普及していることをご存知でしょうか。
フローズンチルド食品とは、保存・輸送段階では-15℃以下の冷凍(フローズン)状態で取り扱い、販売直前に一度解凍した後に冷蔵(チルド)食品と同じ10℃以下で保管する食品です。そして重要なのは、保存温度が冷凍から冷蔵へ変更になる際に、食品表示ラベルも「保存温度帯変更」に合わせた記載内容に改められていることです。
今回は、身近な存在となった「フローズンチルド食品」に必要な「保存温度帯変更ラベル」について詳しく解説します。

 

①暮らしに浸透する「フローズンチルド食品」とは?

まず、「冷凍食品」「冷蔵食品」の定義と特長を確認しておきましょう。

○冷凍(フローズン)食品:食品を-15℃以下で凍結し、その状態で保存・流通される食品です。冷凍状態では微生物の活動が抑制されるため長期保存が可能で、急速凍結により栄養素や風味が保持されやすい特長があります。また解凍後にすぐに調理できるため、利便性も高くなっています。

○冷蔵(チルド)食品:食品衛生法では10℃以下(食肉の一部と生食用牛肉は4℃以下)での保存を冷蔵と定めていますが、推奨される管理温度は、鮮魚0〜3℃、乳製品3〜5℃、青果5〜7℃とされています。出荷量は冷凍食品よりも多く、年間で数兆円に達しています。

冷凍食品や冷蔵食品を私たちが手軽に利用できるようになったのは、「コールドチェーン」が発展し普及したからです。原材料の調達から生産・在庫管理・配送・販売・消費まで、一連のサプライチェーンの全行程を低温かつ最適な温度管理で実現したことにより、全国どこのスーパーやコンビニでも新鮮な食品を購入できるようになりました。

しかし一方で、近年は物流従事者が不足し、とりわけきめ細かなサービスが求められる食品関連ドライバー不足が深刻化しています。また、冷凍食品の保管料や電気料金の高騰など、コールドチェーンを取り巻く環境は厳しさを増しています。このため国土交通省は2024年1月に倉庫業法を改正し、冷凍・冷蔵倉庫の温度帯区分を細分化して使用する電力を最小化する措置が取られました。

こうした状況のなかで、年々流通量が増加傾向にあるのが「フローズンチルド食品」です。ケーキやプリンなどの洋生菓子、精肉・魚類加工品、冷凍ピザ、野菜・果実類など、私たちの暮らしに欠かせないものばかり。その定義は、以下のとおりです。

暮らしに欠かせない「フローズンチルド食品」の例

○フローズンチルド食品:保存・輸送段階では-15℃以下の冷凍(フローズン)状態で取り扱い、販売直前に一度解凍した後に冷蔵(チルド)食品と同じ10℃以下で保管する食品です。賞味期限の長い冷凍状態で保管できることから生産・流通時の効率が良く、近年の需要増加に伴ってアイテム数と流通量が急増しています。

このフローズンチルド食品の特長を、さらに詳しく見ていきましょう。

②流通量が増大する「フローズンチルド食品」の特長とは?

「フローズンチルド食品」は、冷凍状態で保存・保管された食品を、店頭に並べる前の流通・物流段階で解凍し、冷蔵(チルド)の温度帯で販売される商品です。冷凍・解凍の技術進歩や食品ロス回避ニーズの高まりなどにより、その対象カテゴリーは年々拡大する傾向にあります。そのメリットは以下のとおりです。

○品質の保持:冷凍と冷蔵の特性を兼ね備えているため、鮮度を保ちながら微生物などの活動を抑制し、食品の風味や栄養価を長期間保持できます。
○食品ロスの削減:冷蔵食品と比べて長期間保存が可能なため、食品ロスを減少させることができます。
○利便性:調理済みや半調理のフローズンチルド食品は手軽に調理できるため、忙しい生活にも適しています。
○多様な選択肢:豊富な種類の食品がフローズンチルドとして提供されており、消費者ニーズに応える幅広い選択肢があります。

流通経路における「フローズンチル食品」

フローズンチルド食品は、食品が冷凍(フローズン)状態から解凍された後に、再び冷蔵(チルド)状態で適切な温度で保存されることにより、品質を保持したまま消費者に提供されます。つまりフローズンチルド食品はコールドチェーンの一部であり、適切な温度帯で管理されることで食品の安全性や品質を確保する役割を果たしているわけです。

③フローズンチルド食品に不可欠な「保存温度帯変更」とは?

ここで重要となるポイントは、フローズンチルド食品を流通させるためには「保存温度帯変更」の作業が不可欠であることです。冷凍保存(-15℃以下)されている食品には冷凍条件に基づいて賞味期限が設定されていますが、これを解凍して冷蔵品として流通させる場合には冷蔵条件(10℃以下など)に基づいた賞味期限設定に切り替える必要があるのです。

消費者庁の「加工食品の表示に関する共通Q&A」では、以下のように説明されています。

流通段階で適切に保存方法を変更したもので、消費期限または賞味期限の表示変更が必要となる場合は、適正な表示を確保する観点から、変更された保存方法及びこれに基づく新たな期限を改めて設定し、適切に表示し直さなければなりません。

つまり、保存方法(温度帯)を変更したことから、賞味期限・消費期限の再設定が必要となり、製造者・流通業者には消費者への表示義務が発生することになります。正しく行われないと消費者の健康被害を招きかねず、食品衛生法・JAS法違反となるだけに、責任ある対応が必要となっています。

「保存温度帯変更」の趣旨を、改めて確認しておきましょう。

○保存温度帯変更の目的:食品の品質保持や安全性を確保しつつ、流通や保管の効率化を図りコストを削減します。
○保存温度帯変更に関わる法律
・倉庫業法:温度管理に関する基準も含まれており、保存温度帯変更を行う際にはこの基準に従う必要があります。
・食品衛生法:食品の安全性確保のために、保存温度に関する規定も含まれています。
・JAS法:食品の表示に関して、保存方法の表示が適切であることが求められます。
○消費者への表示義務:温度帯変更者は、解凍後の「保存方法」「賞味期限・消費期限」「保存方法の変更者」を記載したラベルを添付する必要があります。

温度帯変更ラベルについて

○卸から小売店への小分け販売:たとえば、業務用食品を卸から小売店へ小分け販売した場合にも、ラベルの貼付が必要となります。

温度帯変更ラベル(小分け販売)について

一般社団法人全国スーパーマーケット協会が発行する「食の安心・安全情報/2024年7月号」では、2023年に起こった食品表示違反を振り返り、その原因と対策を特集しています。特に「ケース9(5ページ)」と「ケース10(6ページ)」は「温度帯変更者表示」に関わる違反事例として、注意を喚起しています。ぜひ参考にしてください。
○(社)全国スーパーマーケット協会「食の安心・安全情報」--2023年1月から12月の期間に起きた食品表示違反を振り返って—[新しいウィンドウ]

④保存温度帯変更の作業に最適なブラザーのラベルプリンター

ここまで「フローズンチルド食品」に不可欠な「保存温度帯変更」について見てきました。日本の食の安全と品質を維持するためには、各食品の賞味期限を適切に管理する必要があること。そのため特にフローズンチルド食品では、保存温度帯変更が重要な鍵となること。そして、冷凍から冷蔵へ保存温度を変更した際には、新しい賞味期限をラベルで表示し直す必要があること。こうした点に留意が必要となっています。

最後に、この保存温度帯変更の作業に最適なブラザーのラベルプリンターをご紹介しましょう。食品表示ラベルのプロであるブラザーが、自信を持ってお勧めする3機種です。


2インチ感熱ラベルプリンター「TD-2Dシリーズ」(新製品)

2024年10月に発売となった新製品です。用途や利用環境に合わせて、液晶ディスプレイの有無やインターフェイスが異なる「TD-2320D」「TD-2350D」の2種類から選択いただけます。

TD2350D

・「オートカッターモード」がオプションで選べるようになり、さらに使いやすく。
・交換部品のセルフメンテナンスが可能になり、業務を止めません。
・5インチ大ロールに対応するロールホルダーを付属し、現場の生産性を向上!
・モノクロ液晶を搭載し、各種設定がスムーズに(TD-2350D)。
★製品の詳細は、こちら。[新しいウィンドウ]


4インチ感熱ラベルプリンター「TD-4550DNWB」

有線・WiFi・Bluetooth対応、オートカッター・液晶付きのフラッグシップモデルです。

TD4550DNWB

・大量発行に適した最高152mm/秒の高速印刷を実現。スムーズなラベル発行が可能です。
・ラベル幅は最大118mm対応、食品表示ラベルや荷札ラベルなど様々なラベルを作成できます。
・プリンターにセットした用紙の特徴を自動検知して本体に登録。用紙交換時の設定の手間を軽減。
・サーマルヘッド、プラテンローラーが工具なしで簡単に交換できるので、ダウンタイムを短縮できます。
★製品の詳細は、こちら。[新しいウィンドウ]


4インチ熱転写ラベルプリンター「TD-4420TN」

耐久性の高いフィルム素材のラベルにも印字可能。ラベル幅4インチ対応の熱転写ラベルプリンターです。

TD4420TN

・紙素材だけでなく、フィルム素材のラベルにも印刷可能。インクリボンを取り外せば感熱印刷にも対応します。
・高速印刷で業務効率がアップします。また大量発行に適した300mインクリボンに対応、交換頻度を減らせます。
・発行したラベルを自動でカットするオートカッターや、剥離した状態で出力するハクリユニット搭載モデルもご用意。
★製品の詳細は、こちら。[新しいウィンドウ]


さまざまなカスタムラベルのサンプルが選べる「ラベルナビ」



さまざまなカスタムラベルのサンプルが選べる「ラベルナビ」

ブラザーの「ラベルナビ」では、様々なカスタムラベルの印字サンプルをご用意しています。ブラザーのラベルプリンター/モバイルプリンターを検討されるお客様に、ご要望に応じて標準品ラベルのほかにカスタムラベルがご提案できます。

特に食品表示ラベルでは、常温・冷蔵/冷凍・冷凍/ボイルなど、様々な用途に対応したカスタムラベルをご提供しています。ぜひご覧ください。
○ラベルナビ(食品管理ラベル:常温・冷蔵/冷凍・冷凍/ボイル)[新しいウィンドウ]

いかがでしたでしょうか。今回は「フローズンチルド食品」に不可欠な「保存温度帯変更」と、その作業に最適なブラザーのラベルプリンターをご紹介しました。面倒な保存温度帯変更ラベルの発行も、ブラザーのラベルプリンターを使えば簡単に作業が進みます。ぜひご活用ください。

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機器の買い替えや、新規導入をご検討されている法人様向けに無償で2週間お貸出しできるサービスをご用意しております。この機会に是非お試しください。

   
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ブラザー販売 ビジネスNAVI 編集部

ブラザー販売、ビジネスNAVI担当者です。ビジネスNAVI編集者として、トレンドコラムやお客様の導入事例、パートナー企業、製品のソリューション情報などを発信していきます。

   

※この記事の内容は、2024年11月現在のものです。
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