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【熱転写】ラベルの使用環境に合った素材&インクリボンの選び方

更新日:2022.01.12 公開日:2020.02.27

ラベルは使用期間・使用環境によって、必要な耐久性が異なります。
印字が消えにくいラベルの出力に適しているのは「熱転写式」のプリンターですが、印刷方式だけでなく、組み合わせる消耗品(ラベル素材・インクリボンなど)によってもラベルの耐久性は左右されます。

この記事では、熱転写式ラベルプリンターの特徴のほか、用途に合わせたラベル素材・インクリボンの選び方について解説します。

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1. ブラザーの熱転写式ラベルプリンターの特徴


熱転写式プリンターは、さらに「溶融型熱転写方式」と「昇華型熱転写方式」という2つの印刷方式に分けることができます。
ブラザーの熱転写式プリンターは、このうち「溶融型熱転写方式」を採用しています。

この2つの印刷方式の仕組みについて説明しましょう。

溶融型熱転写方式

溶融型熱転写方式


熱によってインクを溶かして印字するのが「溶融型熱転写方式」です。
サーマルヘッドが熱くなったり冷めたりを繰り返す仕組みになっており、インクを溶かしてラベルの表面素材に転写することで印字されます。

昇華型熱転写方式

昇華型熱転写方式


熱でインクを気化させ、ラベルに定着させることで印字を行う仕組みになっているのが「昇華型熱転写方式」です。
複数回に分けて異なる色のインクを気化・定着させることでカラー印刷が可能になります。

昇華型熱転写方式では専用のラベル素材を用いる必要がありますが、溶融型熱転写方式は幅広い種類のラベル素材への印字が可能です。
そのため、溶融型熱転写方式なら必要な耐久性に合わせてラベル素材を選ぶことができるのです。

2. 「ラベル素材」と「インクリボン」の選び方


熱転写ラベルを印刷するには「ラベル素材」と「インクリボン」が必要です。
この2つはラベルの耐久性を決める重要な要素であるため、現場の環境に合わせて組み合わることが大切です。

ラベル素材・インクリボンはそれぞれ種類が豊富にあります。
まず用途に合わせてラベル素材を決めた後、ラベル素材と相性の良いインクリボンを選ぶ方法がおすすめです。

「ラベル素材」の選び方


(1) まず、ラベルの用途から適したラベル素材を選びましょう。

用途 ラベル素材
長期間使用する物流・工程管理ラベル 一般上質紙
値札・現品票ラベル アート紙
食品表示ラベル、商品装飾用シール ミラーコート紙
長期保存する冷凍食材の食品表示ラベル、
洗浄工程のある製品の表示ラベル
ユポ(合成)紙
工程管理・製造管理ラベル、製品銘板、
医療検体管理ラベル
PET
より過酷な環境で使用する工程管理・製造管理ラベル、
製品銘板、医療検体管理ラベル
PET(銀ネーマ)
熱処理を経る工程管理ラベル、
製造現場の注意警告ラベル、
エンジンのように高熱になる製品に貼り付けるラベル
ポリイミド


(2) 次に、ラベル素材の耐久性が用途に対して問題ないかを確認しましょう。
耐久性が用途に対して不足している場合は、(1)に戻り、ラベル素材を再度選定してください。

ラベル素材 印字品質 耐水性 耐熱性 耐火性 耐薬性 耐候性
一般上質紙 × × ×
アート紙 × ×
ミラーコート紙 × ×
ユポ(合成)紙 ×
PET ×
PET(銀ネーマ) ×
ポリイミド


【記号の説明】
◎:非常に優れている、○:優れている、△:あまり優れていない、☓:弱い

【コラム】使用環境に合わせた粘着剤選びも大切


粘着剤によって「剥がれにくさ」が変わるため、使用環境に適した粘着剤を選ぶことが大切です。
ラベル素材を選ぶ際に、用途に合った粘着剤と組み合わせましょう。

粘着剤は「水溶性糊(エマルジョン系)」と「溶剤系糊(ソルベント系)」の2つに大きく分けることができます。
必要な粘着強度と耐水性の程度によって、適した粘着剤を選びましょう。

水溶性糊(エマルジョン系)

糊種類 用途 粘着強度 耐水性
再粘着糊 常温で使用し、貼った後に剥がす予定のあるラベル 弱い ×
一般強粘糊 常温で使用し、一度貼ったら剥がす予定のないラベル 普通 ×
冷食糊 冷蔵・冷凍(-10℃程度まで)環境下で使用するラベル 強い ×

溶剤系糊(ソルベント系)

糊種類 用途 粘着強度 耐水性
冷凍糊(溶剤) -10℃以下での冷凍環境で使用するラベル とても強い


【記号の説明】
◎:非常に優れている、☓:弱い

インクリボンの選び方


(1) ラベル素材を選んだら、まずラベル素材と相性の良いインクリボンを選びましょう。

インクの種類 / ラベル素材 一般上質紙 アート紙 ミラーコート紙 ユポ(合成)紙 PET ポリイミド
ワックス系 × × ×
セミレジン系 ×
レジン系 ×


【記号の説明】
○:適している、△:あまり適していない、☓:適していない


(2) 次に、耐久性は用途に対して問題がないか確認しましょう。
耐久性が用途に対して不足している場合は、(1) に戻り、インクリボンを再選定してください。

インクの種類 耐水性 耐熱性 耐火性 耐薬性 耐擦過性 耐候性
ワックス系
セミレジン系
レジン系


【記号の説明】
◎:非常に優れている、○:優れている、△:あまり優れていない


インクリボン素材の特徴についてはインクリボンと ラベル紙の選び方のページも併せてご覧ください。

3. 熱転写ラベルの印刷ならブラザーのTD-4Tシリーズ


TD-4Tシリーズは4インチのラベル幅に対応した熱転写・感熱兼用のラベルプリンター。
300mのインクリボンに対応しているため、大量発行に適している上、カートリッジの交換頻度を減らせます。
発行したラベルを自動でカットする「オートカッター」や、剥離した状態で出力できる「ハクリユニット」の搭載モデルもあり、用途に応じてカスタマイズすることが可能です。

TD-4TシリーズはTD-4420TNとTD-4520TN、上位モデルのTD-4750TNWBR、TD-4750TNWB、TD-4650TNWBがございます。

印刷解像度や最大印字幅が異なるため、発行したいラベルの仕様に合わせて選べます。

4. まとめ


用いるラベル素材・インクリボンの種類によって、ラベルの耐久性は大きく異なります。

ラベルプリンターや消耗品の購入前には、ラベルの用途に対して必要な耐久性を実現できるか、しっかりチェックすることが大切です。

※この記事の内容は、2020年2月現在のものです。
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ブラザー販売 ビジネスNAVI 編集部

ブラザー販売、ビジネスNAVI担当者です。ビジネスNAVI編集者として、トレンドコラムやお客様の導入事例、パートナー企業、製品のソリューション情報などを発信していきます。

   

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