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小ロット試作から電子基板製造まで、各種シート素材をカット!
「スキャンカット」が実現した製造現場の驚きの革命。

公開日:2025.03.25

今回はブラザーの“隠れたヒット商品”である「スキャンカット」をご紹介します。
コストや時間の削減が求められる製造業の「小ロット試作」や「電子基板製造」の現場で、いまブラザーの「スキャンカット」が新たな選択肢として注目されています。もともと個人向けのカッティングマシンとして開発された製品でしたが、高精度のカット性能と簡便な操作性、手頃な価格により、製造現場の課題を解決する強力なツールとなっているのです。
小ロットの試作品製作や各種シート素材のカットを、多額の設備投資をすることなく、自社内で可能にした「スキャンカット」は、製造業の現場から“こんなカッティングマシンがあったのか”と、反響を呼んでいます。

     

❶ “嬉しい誤算”から生まれた、スキャンカットの新しい用途

「スキャンカット」は、もともと個人のお客様向けのホームファッション製品です。紙や布、プラスチックシートなどの各種素材を自由にカットできる機械で、ペーパークラフトやスクラップブッキングはもちろん、Tシャツにオリジナルのプリントを入れたり、プラ板アクセサリーや壁面装飾、POP作成など、幅広い用途でお使いいただいています。


■もともとは個人向けだった「スキャンカット」

もともとは個人向けだった「スキャンカット」

ある日、このスキャンカットが実はビジネス用途で活用されていることを、当社の新人マーケティング担当者が偶然発見しました。そこで「スキャンカットの用途を教えてください!」という製品モニター募集キャンペーンを実施したところ、数多くの活用事例が集まりました。それはブラザーにとっては、まさに“嬉しい誤算”だったのです。

キャンペーンで判明したスキャンカットの典型的なビジネス用途は、次の2事例でした。

●ビジネス用途①:ブレーキパット用「圧力測定シート」の試作検証

【導入前の課題】
・ブレーキパットの圧力を検査するために、圧力が加わると変色する「測定シート」を型紙に合わせてハサミでカットしていました。
・しかし手作業で時間がかかり、また手で持った箇所やハサミの擦れた箇所が変色してしまうことも。専門メーカーへの外注は1回当たり数万円の費用がかかることも課題でした。

圧力測定シートの上に紙型を合わせてハサミで切るため、時間がかかる

■圧力測定シートの上に紙型を合わせて
ハサミで切るため、時間がかかる。

手に持った箇所などが変色してしまった圧力測定シート

■手に持った箇所などが変色して
しまった圧力測定シート。

【スキャンカット導入の成果】
・素材の厚みを感知して刃の出量などを自動設定するため、細かな調整無しで、誰でも均一に素材をカットできるようになりました。
・刃の圧力を自動調整するため、圧力測定シートに変色が起こりにくく、繊細なカットが可能に。スキャンカットへの投資は1ヶ月で回収できたとのことです。

圧力も自動調整されるため、変色が起きず、極めて効率的な作業が実現

■圧力も自動調整されるため、変色が
起きず、極めて効率的な作業が実現。

スキャンカットなら、変色なく、誰でも自動で正確なカッティングが可能

■スキャンカットなら、変色なく、誰でも
自動で正確なカッティングが可能。

●ビジネス用途②:電子基板製造用マスキングテープのカット

【導入前の課題】
・電子基板に部品をハンダで接合する作業のために、マスキングテープを切り貼りして基板をカバーしていました。
・マスキングテープを細かく切り貼りする必要があるため、溶接前の準備に多大な時間がかかっていました。

電子基板に部品を接合する事前準備に、かなりの時間がかかっていました

■電子基板に部品を接合する事前準備に、
かなりの時間がかかっていました。

基板にマスキングテープを細かく切り貼りする作業には熟練者が必要でした

■基板にマスキングテープを細かく切り貼りする
作業には熟練者が必要でした。

【スキャンカット導入の成果】
・CADデータを無償の編集ソフト「CanvasWorkspace (forPC)」に取り込むことで、設計図のデータどおりの自動カットが可能となりました。
・データをもとにカットできるので、誰でもミスなく正確な形にカットが可能。しかも何枚でも作成できます。作業時間も大幅に短縮されました。

CADデータを無償の編集ソフトに取り込み、スキャンカット本体に転送すればOK

■CADデータを無償の編集ソフトに取り込み、
スキャンカット本体に転送すればOK。

設計図に沿って、マスキングシートが自動カットされます

■設計図に沿って、マスキングシートが
自動カットされます。

     

❷「こんなカッティングマシンがあったのか」---スキャンカットの
活用事例を一挙公開!

製造業で使われる一般的なカッティングマシンは、1台数百万円〜数千万円の設備投資が必要と言われています。従って「1個だけ試作品を作りたい」「1枚だけマスキングシートを作りたい」という現場のリアルニーズには、なかなか対応できません。

スキャンカットなら、2つの活用事例でもわかるとおり、高額なカッティングマシンに頼らず、試作品1個、マスキングシート1枚から作成が可能です。

上記の2事例の他にも、製品モニターキャンペーンでは多くのスキャンカットの活用事例が集まりました。その一部をご紹介しましょう。

① 基盤の試作工数を減らしたい。(産業機器製造業)
② 樹脂材料で小ロットの試作品を作りたい。(プラスチック加工業)
③ 鋳造品を1個だけ試作したい。(ガスケット製造業)
④ 粘着性の強い樹脂材料は刃に付着してしまうので、スキャンカットを使ってみたい。(ラバーヒーター製造業)
⑤ 感圧紙やガスケット材をカットするのに使ってみたい。(電子部品製造業)
⑥ ハサミではカットが難しい柔らかな素材を、一定の形に切りたい。(電気部品製造業)
⑦ POM薄板、ウレタン、ゴムなど、ハサミで手切りしている作業を効率化したい。(金型地具製造業)
⑧ 配管用シートガスケットの切断に使ってみたい。(設計事務所)


① 基盤の試作工数を減らしたい。(産業機器製造業)

② 樹脂材料で小ロットの試作品を作りたい。(プラスチック加工業)

③ 鋳造品を1個だけ試作したい。(ガスケット製造業)
    

❸ 製造現場のリアルニーズに合致する「スキャンカット」の
2大特長とは?

では改めて、スキャンカットの製品概要と2つの特長をご紹介しましょう。

スキャンカットは、ブラザーが展開するカッティングマシン製品で、厚さ3mmまでの素材を自由自在に切ることができます。


スキャンカットは、ブラザーが展開するカッティングマシン製品

基本的な使い方の流れは、①データを取り込む、②自動でカット、③試作検証現場で活用、の3ステップです。


スキャンカットの基本的な使い方の流れ

●特長①:細かな形状にカットが可能!

厚さ3mmまで(※)の各種シート素材を自由自在に切ることができます。素材の厚みを感知し、刃の出力や圧力を自動設定するため、誰でも繊細なカットが可能です。
※素材によってはカットできない場合もありますので、当ページ下部の「購入前のお問い合わせ」よりご確認ください。

■自動ブレード調整機能
素材の厚みを感知して刃の出力等を自動設定します。細かい調整無しで、そのまま素材をカットできます。(カットする際は試し切りを行うことを推奨します。)
※自動ブレード調整機能の対応機種は、DXシリーズ(SDX1200/DX1000/SDX85)となります。下記の製品ラインナップ表をご参照ください。


自動ブレード調整機能

■ハーフカット機能
シールやステッカー、カットシートも設定ボタンを押すだけで、台紙を残してカットできます。


ハーフカット機能

●特長②:カットデータは取り込むも良し、作るも良し!

カットしたいデータは、本体に取り込んでカットすることも可能ですし、本体もしくは無償編集ソフトで作成することも可能です。

■スキャンカットの無償編集ソフト「Canvas Work space」の操作画面
スキャンカット専用の無償編集ソフト「CanvasWorkspace (forPC)」を提供しています。


スキャンカットの無償編集ソフト「Canvas Work space」の操作画面

「WEB版」と「インストール版」の2種類をご用意しています。CADデータを編集ソフトに取り込む場合は、「WEB版」をご活用ください。

「WEB版」と「インストール版」の2種類

データ作成が出来たら、最後は「.FCM」という形式で保存するのがゴールです!


■「Canvas Work space」の拡張子に関する留意点
「Canvas Work space」で編集したデータは、保存する場合「CWPRJ」という拡張子になります。なお本体へ転送する場合は、編集後「FCM」という読込用データの拡張子にしてください。(拡張子「FCM」は、「Canvas Work space」への読み込みも可能です)
※「Canvas Work space」で読み込めるファイル形式:CWPRJ形式(Canvas Work spaceオリジナルの編集用ファイル形式)、FCM形式、SVG形式、DXF形式

いかがでしたでしょうか。スキャンカットの製造業での知られざる用途をご理解いただけましたでしょうか。「こういう素材は切れるの?」「こういう用途には使える?」というご質問がありましたら、ぜひご連絡ください。スキャンカットの弊社製品担当が迅速・丁寧にお応えします!


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購入前のお問い合わせ

ブラザー販売 ビジネスNAVI 編集部

ブラザー販売、ビジネスNAVI担当者です。ビジネスNAVI編集者として、トレンドコラムやお客様の導入事例、パートナー企業、製品のソリューション情報などを発信していきます。

※この記事の内容は、2025年03月現在のものです。
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