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保守点検業務とは? 現状の課題やデジタル化の
メリットや懸念点、低コストで業務効率化を図る方法などを紹介!
公開日:2024.11.22
人々が使用するさまざまな施設を問題なく稼働させるためには、保守点検が必須です。保守点検業務に携わっている方の中には、より効率的かつ正確に業務を行いたいと悩まれている場合も多いでしょう。
本記事では「人手不足で作業が滞りがち」「記録の管理が大変」など、保守点検業務が抱える課題や、デジタル化によるメリットや懸念点などを解説します。また低コストで業務効率化を実現する方法も紹介するので、保守点検業務の作業効率アップを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも保守点検とは?
保守点検とは、製造業や建築業、不動産業などの現場に設置された機器を定期的に点検し、必要に応じてメンテナンスを行う重要な業務です。
機器の劣化や摩耗による不具合を早期に発見し、重大な故障を未然に防ぐのが主な目的です。定期的に行うことで、下記のような効果をもたらします。
○機器の長寿命化
○生産性の維持・向上
○安全性の確保
○不良品の発生防止
○職員の安全確保 など
保守点検は計画に基づいて実施され、もし異常が見つかった場合には修理や部品交換などの対応を行います。
保守点検にはどのような業務がある?
保守点検といってもさまざまあり、点検する場所・内容によって業務も異なります。ここからは、主な保守点検の種類と業務内容を解説します。
測量調査業務
測量調査業務は、土地や建造物の正確な位置・形状を把握するための作業です。
必要なデータにより測量方法が異なります。それぞれの主な業務内容は下記の通りです。
○基準点測量:他の測量の基準となる点を設置する
○水準測量:標高を正確に測定して高低差を求める
○現地測量:地形や建物を詳細に調査し平面図を作成する
○路線測量:道路や鉄道などの線状構造物の図面を作成する
測量調査は、新たに建物を建設する際などに、より高精度な設計を行うために必要な地形データを得るために行われます。
2025年4月から測量法の改正が決定しており、次世代の測量士育成に力を入れること・測量成果の電子化を目指すことなどが盛り込まれました。測量調査業務の効率化と精度向上が期待されます。
ビルメンテナンス
ビルメンテナンスは、建物の機能や価値を維持・向上させるための管理業務です。
主な業務内容は、下記の通りです。
○清掃管理業務:建物内外の美観を保つ日常清掃や定期清掃。快適な環境を維持して、建物の印象を良好にする役割を担う
○保安管理業務:警備員による巡回や監視カメラの運用など、建物の安全を確保する業務。不審者の侵入防止や、火災などの緊急事態への対応も含まれる
○設備管理業務:エレベーターや空調などの設備の監視・点検・修理・記録を行い、建物の機能を維持する業務。故障を未然に防ぎ、建物の快適性を保つ
○衛生管理業務:建物利用者の健康を守るための業務。害虫・害獣駆除や水質管理、貯水槽の清掃、給水管の洗浄、室内空気質の測定・管理などを行う
建物の長寿命化はもちろん、利用者の満足度向上を図るのも重要なポイントです。
駐車場点検
駐車場点検は、駐車場の安全性と機能性を維持するための業務です。
主に下記項目について、定期的な点検と必要に応じて修繕を行います。
○機械設備の点検:精算機や発券機、ゲートなどの動作確認
○電気設備の点検:照明や配線、制御盤などの確認
○路面・区画線の状態確認:亀裂や剥がれ、摩耗などのチェック
○案内表示・看板の確認:視認性や破損の有無を確認
○排水設備の点検:側溝や排水口の詰まりチェック
各種点検によって、機器の不具合や施設の劣化を早期に発見・修繕することで、事故や故障を未然に防ぎます。適切に管理することで、駐車場の長寿命化や利用者満足度の向上はもちろん、ランニングコストの削減も実現可能です。
ガス点検
ガス点検は、ガスを安全に使用するために欠かせない保守業務です。
主な業務内容は、下記の通りです。
○容器交換時等供給設備点検:ガスボンベの交換時や新規設置時に行われ、接続部分の漏れがないか確認する
○定期消費設備調査:4年に1度実施される法定点検。ガスコンロやふろがまなどの消費機器のガス漏れ検査・給排気設備の調査・機器の点火試験などを行う
○定期供給設備点検:ガスメーターから各家庭の器具栓までのガス管・遮断弁などの供給設備の点検。ガス事業者が定期的に実施しており、配管の腐食や損傷がないかを確認する
定期的に点検することで、ガス漏れや不完全燃焼などの事故につながる危険を取り除き、ガスの安全な使用環境を確保します。また、点検時には利用者への安全使用の周知も行われ、ガスに関する知識の普及にも貢献しています。
水道メーター検針
水道メーター検針は、正確な水道料金を算定するために行われ、一定期間の使用量をチェックして料金を徴収する業務です。
主な業務内容は、下記の通りです。
○メーター検針:各家庭・企業などに設置された水道メーターの数値を目視で確認し、専用端末に入力。使用量のお知らせを印刷してポストに投函する
○広報資料配布:水道局からのお知らせを地域住民に届ける。検針作業と並行して行い、効率的に情報を伝達する
○使用水量の調査:前回と比べて使用量に大きな増減がある場合に実施。漏水などの問題を早期に発見し、修繕など適切な対応を促す
他の保守点検業務とは異なり、修繕は業務に含まれません。基本的にはメーター検針が主な業務で、数値に異常がある場合に使用水量から漏水などの問題を調査します。
保守点検業務が抱える課題とは?
社会になくてはならない保守点検業務ですが、さまざまな面から課題を抱えており、従来の方法だけでは立ち行かなくなってきています。ここでは、主な3つの課題を紹介します。
人手不足で過重労働になりがち
人手不足で過重労働になりがちなことは、保守点検業務における大きな課題です。
人手不足により、一人当たりの業務量が増加しており、長時間労働や休日出勤が常態化しています。作業者の心身の健康に悪影響を及ぼすのはもちろん、パフォーマンスの低下により点検の質の低下や、トラブル・事故の発生増加、対応が追いつかないなど、深刻な問題にもつながりかねません。
帝国データバンクが行った「人手不足に対する企業の動向調査(2024年4月)」によると、「メンテナンス・警備・検査」の人手不足割合は62.7%にまで達しています。
人手不足による労働環境の悪化により、人が集まりにくくなる負のスパイラルも考えられます。
また、業界全体で、熟練技術者の高齢化も深刻化しており、貴重な知識や経験が失われつつあるのも問題です。担い手不足により若手人材の育成が追いついておらず、技術の継承が滞っていることから、保守点検の品質維持に不安が生じています。
※参考:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2024年4 月)」(参照2024-09-13)
見落としによる事故発生のリスクがある
従来の目視や手書きによる点検方法では、作業者の経験や熟練度、体調などにパフォーマンスが左右されやすく、異常を見落とす可能性がゼロではありません。
保守点検業務においては、ちょっとした見落としが重大な事故につながるリスクがあります。例えば、機器の微細な亀裂や摩耗を見逃すだけで、故障や破損が発生して生産ラインの停止や人身事故といった重大な問題を引き起こすかもしれません。
こうした見落としは、点検事業の信頼性にも大きく関わります。万が一点検漏れによる事故が発生すれば、顧客からの信頼は大きく低下し、契約解除はもちろん法的責任を問われる事態にも発展しかねません。
物価上昇によるコストの増加
物価上昇によるコスト増加が深刻な課題となっており、特にエネルギーコストの上昇が大打撃となっています。
点検作業に使用する車両の燃料費や、設備の運転に必要な電気代などの費用が急激に膨らんでおり、経営を圧迫する要因となっています。特に中小規模の事業者にとっては負担が大きく、利益率の低下や事業継続の危機に直面しているケースもあるのが現状です。
エネルギーコスト以外にも、点検に使用する機器や部品などの価格も上昇しており、業務コストを押し上げる要因となっています。
こうした費用増加を価格に転嫁することが難しい場合も多く、業務の効率化や他のコスト削減などで、帳尻を合わせる必要に迫られています。
保守点検業務をデジタル化するメリット
保守点検業務が抱える課題を解決するために、IoTやAIをはじめ最新技術を用いてデジタル化する動きが活発になっています。具体的に、どのようなメリットがあるのか解説します。
業務効率が上がって作業負担が減る
デジタル化することで業務効率が大幅に向上し、作業負担が軽減されるのは大きなメリットです。
従来の紙ベースの記録から、スマートフォンやタブレットを用いたデジタル入力に移行することで、データの入力や管理が簡素化されます。作業効率が高まることで、1件当たりにかかる作業時間の短縮につながり、より質の高い点検や重要業務に注力しやすくなります。
効率的な業務遂行と同時に、保守点検の品質向上も期待できるのがポイントです。
また、作業者の負担軽減による労働環境が改善されることで、新たに人手を確保しやすくなるでしょう。人手不足による過重労働の抑制はもちろん、そもそもの人手不足解消にもつながると考えられます。
データ管理の手間が削減される
ペーパーレスになることで、データ管理の手間が大幅に削減されます。
従来の紙ベースの記録方式では、帰社後にパソコンへ転記する必要があり、効率が悪いことに加え転記ミスのリスクがありました。デジタルデータへ移行すれば、クラウドベースのシステムにより点検結果や設備の状態などの情報がリアルタイムで一元管理できます。
無駄な転記作業の省略により、生産性アップ・ミスの抑制が実現します。加えてリアルタイムデータをいつでもどこでも確認できるようになれば、スムーズな情報共有が可能となり、問題発生時に迅速に対応できるようになります。
ヒューマンエラーを抑えられる
手書き入力からデジタル化へ移行することで、ヒューマンエラーを抑えられるのもメリットです。
従来の保守点検業務では、手書きで情報を記録しており、書き間違いや読み間違いなどのミスが発生しやすく、紛失・破損によるデータ損失のリスクもある環境でした。
タブレットやスマートフォンでの入力になれば、エラーリスクを最小限に抑えることが可能です。例えば、プルダウンメニューや選択式の入力フォームを採用することで、誤記入を防ぎやすくなります。
また、範囲外の値を自動的に検知し警告を出す機能を実装すれば、異常値の誤入力を防ぐことも可能です。入力漏れや誤記載、データの改ざん、不正な記録などを防止できるため、法令遵守や品質管理を徹底でき外部評価を高められるでしょう。
保守点検業務をデジタル化するうえでの懸念点
保守点検業務のデジタル化は、多数のメリットがある一方で、下記のような懸念点もあります。
○情報漏えいのリスクがある
○セキュリティ強化のコストがかかる
○デジタル化の初期費用がかかる
保守点検業務で得た点検データや顧客情報が、クラウド上で管理されるようになると、サイバー攻撃の標的となる可能性が高まるのが問題です。情報漏えいが発生すれば社会的信用が失われてしまうため、徹底したセキュリティ対策を行う必要があります。
そのため、万全なセキュリティを保つには、定期的なシステムのアップデートや専門家の雇用などでランニングコストがアップする可能性も考慮すべきです。
また、そもそもデジタル化するには初期費用がかかり、専用のソフトウェアやデバイスの導入、従業員のトレーニングなど、多額の投資が必要となるものです。
このようにいくつかの懸念点が、特に中小企業にとっては大きな負担となりやすく、デジタル化推進の大きな妨げとなっています。
しかし保守点検業務のデジタル化にはいくつか懸念点があるものの、業務効率を上げるためには避けて通れません。そこで、モバイルプリンターを取り扱っているブラザーでは、強力会社と連携して帳票をデジタル化するアプリを提供しています。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
▶「保守・メンテナンス業界」点検・検針・修理など書類作業を効率化する方法とは?
保守点検作業を低コストで効率化するなら
モバイルプリンターがおすすめ!
保守点検作業を低コストで効率化するなら、モバイルプリンターの導入も がおすすめです。
例えば保守点検作業の手間となる作業報告書の提出ですが、保安管理システムと連携したタブレット端末とモバイルプリンターの導入で、拠点での入力作業が不要になります。ブラザーのモバイルプリンターなら、現場の特性に合わせた製品を安価に導入可能です。以下でおすすめのプリンターを紹介します。
【カット紙タイプ】PocketJetシリーズ
Pocket Jetシリーズは、A4用紙対応で充電池を含め約610gという軽量設計を実現しています。携帯性が高いことから、機動力を損うことなく現場で作業しやすくなっています。
タブレットやスマートフォン、ハンディターミナルなどとBluetooth・Wi-Fiで簡単に接続できるようになっており、デジタルデータを即座に印刷できるため、報告書作成の時間を大幅に短縮可能です。
カット紙とロール紙の両方に対応しており、用途に応じて使い分けられる柔軟性の高さも魅力です。商品の詳細は、こちらから確認してみてください。
▲PJ-883
【ロール紙タイプ】RJシリーズ
RJシリーズは、ロール紙タイプのモバイルプリンターです。
2インチ(最大58mm)・3インチ(最大80mm)・4インチ(最大118mm)と用紙幅ごとに分かれており、幅広い業務に対応できるようになっています。印字速度は最高127mm/秒を誇り、10枚当たり6秒で印刷と据置型のラベルプリンターと同等の高速印刷が可能です。
またモデルによって異なりますが、電池を含めて約215~約850gと軽量・コンパクト設計で、現場への持ち運びが負担になりません。IP54準拠の防塵・防滴性能を備えているので、過酷な現場環境でも使用できます。
もちろんBluetoothやWi-Fiによる無線接続が可能で、タブレットやスマートフォン、ハンディターミナルなどとの連携も簡単です。商品の詳細は、こちらから確認してみてください。
▲RJ-3250WB
まとめ
保守点検業務は、機器の劣化や摩耗による不具合を早期に発見し、重大な故障を未然に防ぐ重要な仕事です。しかし人手不足による過重労働やヒューマンエラーによる事故のリスク、物価上昇によるコストアップなど大きな課題を抱えており、デジタル化による効率化が叫ばれています。
とはいえ初期費用やランニングコストなどが必要になるため、特に中小企業などは資金面で導入が困難でしょう。できるだけ低コストで保守点検作業を効率化するなら、モバイルプリンターの導入がおすすめです。
ブラザーのモバイルプリンターなら、軽量かつ丈夫でバッテリーの使用時間も長いため、現場での使用にぴったりです。
詳しくは、ブラザーの改善事例をご紹介をご確認ください。
機器の買い替えや、新規導入をご検討されている法人様向けに無償で2週間お貸出しできるサービスをご用意しております。この機会に是非お試しください。
ブラザー販売 ビジネスNAVI 編集部
ブラザー販売、ビジネスNAVI担当者です。ビジネスNAVI編集者として、トレンドコラムやお客様の導入事例、パートナー企業、製品のソリューション情報などを発信していきます。
※この記事の内容は、2024年11月現在のものです。
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