- ビジネスプリンター
有識者による実践コラム
(業務を止めないためバックアッププリンターとして
複合機を活用する)
更新日:2022.01.14 公開日:2017.07.11
有識者による実践コラム
はじめに
電子カルテやレセコンから出力される帳票類を印刷する場合、一般的なのは、メーカーがセットで販売している「レーザープリンター(モノクロ)」です。このレーザープリンターから出力される帳票は、レセプト(診療報酬明細書)をはじめ、領収書、明細書、処方箋、診療情報提供書(紹介状)、診断書などとなります。
プリンタートラブルで緊急事態に
これらの書類は、クリニックの業務の中でも印刷頻度が高く、受付から診療、検査、会計にいたる流れの中に組み込まれています。そのため、仮にプリンターにトラブルが発生した場合、即、業務停止につながってしまいます。
そのような理由から、電子カルテやレセコンのメーカーはプリンターをセットで販売し、電子カルテ・レセコンとともにプリンターまでを一括で、不測の事態に対応できる万全のサポート体制をとっています。実際、プリンターのトラブルがあった場合は、訪問して対応するという手厚いサポートが行われていることが多いようです。
バックアッププリンター
そんなプリンターのトラブル時に、即時に駆けつけていただけるといっても、サポートスタッフが到着するまでに時間を要し、業務が止まり患者様を待たせてしまいます。そこで、もう一台バックアップ用でプリンターを設定しておくことが有効となります。これを設定しておくだけで、サポートスタッフが到着するまでの時間は、バックアッププリンターに切り替えるだけで、業務を止めず患者様の応対が可能になります。
幸い、クリニックの受付まわりには、プリンター、FAX、コピー、スキャナーなどを搭載した複合機がある場合が多く、これをバックアッププリンターとして事前に設定しておくのです。
図 バックアッププリンターの設置
複合機の約3割が「ブラザー」
エグゼメディカル社とメディキャスト社が合同で主要都市のクリニックに行った「クリニックにおけるプリンター環境市場調査」によると、「複合機」の保有について、複合機を保有しているクリニックは81%(未使用は19%)で、そのうち29%がブラザー社の複合機が占めています。未使用の方も是非この機会に導入をご検討されてはいかがでしょうか。
図 クリニックの「複合機」メーカーシェア調査
※調査方法:電話アンケート、対象数:778件(有効回答数106件)
調査対象:主要都市で開業10年以内の無床診療所(全診療科目)
なお、複合機をバックアッププリンターとして設定するには電子カルテ・レセコンメーカーとの相談が必要となります。具体的には電子カルテ・レセコンのプリンターの出力設定の追加が必要になるので、事前の出力テストも含めて、導入時にあらかじめクリニック側で要望し、電子カルテ・レセコンメーカーに設定してもらうとよいでしょう。
※この記事の内容は、2017年7月現在のものです。
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執筆者プロフィール
MICTコンサルティング 代表 大西 大輔
過去3,000件を超える医療機関へのシステム導入の実績から、医師会、保険医協会などの医療系の公的団体を中心に講演活動および執筆活動を行っている。また、病院のコンサルティングにおいて、看護師、リハビリ スタッフ、事務員に対して、診療報酬点数、診療録の記載などの指導を行っている。