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2020年度診療報酬改定議論いよいよ始まる、「働き方改革」について検討

MICTコンサルティング代表 大西大輔

更新日:2022.01.17 公開日:2019.06.28

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2020年度診療報酬改定議論いよいよ始まる、「働き方改革」について検討

はじめに

2020年度の診療報酬改定に向けて、厚生労働省の中央社会保険医療協議会で議論が始まっています。 その中でも、医療における「働き方改革」が叫ばれていることを受け、医師や看護師のタスクシフティングやICTの活用に対して、さらなる評価が行われることが予想されます。 医療機関にとっての働き方改革は、効率的な組織運営を意味しており、「生産性の向上・業務効率化」が重要なテーマとなっています。

2020年度診療報酬改定に向けた主な検討項目案が公表される

2019年3月27日に行われた厚生労働省の中央社会保険医療協議会で、次期診療報酬改定に向けた検討スケジュール案が公表されました。 春から夏までの1ラウンドでは、検討項目として次の2点が挙げられています。

[1] 患者の疾病構造や受療行動等を意識しつつ、年代別に課題を整理
[2] 昨今の医療と関連性の高いテーマについて課題を整理

■1ラウンドの議論の主なテーマ
[1] 患者の疾病構造や受療行動等を意識しつつ、年代別に課題を整理
[ア] 周産期・乳幼児期(妊娠から出産、新生児、乳幼児)
[イ] 学童期・思春期(就学前、小学生、中学生、高校生、大学生等)
[ウ] 青年期・壮年期・中年期(20 代~30 代、40 代~60 代)
[エ] 高齢期
[オ] 人生の最終段階

[2] 昨今の医療と関連性の高いテーマについて課題を整理
[ア] 患者・国民に身近な医療の在り方
[イ] 働き方改革と医療の在り方
[ウ] 今後の地域づくり・街づくりにおける医療の在り方
[エ] 新たなエビデンスやICT技術を踏まえた医療の在り方
[オ] 介護・障害者福祉サービス等と医療との連携の在り方
[カ] 医薬品・医療機器等の適正な利用の在り方

(出典)厚生労働省ホームページ・中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)(3/27)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00022.html


また、秋からの2ラウンドについては、具体的な診療報酬における評価に向けた検討を進めていく策が示されました。 外来・入院・在宅・歯科・調剤といった個別テーマに分けて、これまでの診療報酬改定での検討項目のほか、平成 30 年度診療報酬改定に係る答申書附帯意見、他の審議会等の議論等を踏まえる案が出ています。

医療における働き方改革を議論

2019年5月29日に行われた中央社会保険医療協議会では、政府が進めている「働き方改革」の流れを受けて、「働き方改革と医療の在り方」について議論が行われました。 4月から施行された働き方改革関連法(時間外労働の上限規制、有給休暇取得の義務化等)の影響から、病院は医療従事者数を増やしており、議論の中で、人件費の増加で病院経営が悪化する可能性が懸念されています。 診療側委員は「こういうものを捉えた入院基本料をどうするかを考えていく必要がある」と指摘しています。 対して支払い側委員は「地域の医療提供体制に非効率が残ったままでの入院基本料引き上げはありえない」と反論しています。
医療機関に求められる取組みとしては、「医療機関の勤務環境の改善のためには、院内での労務管理や労働環境の改善のシステムを機能させる必要がある」としています。

※看護師が研修を受けることで業務範囲を拡大できるようにする仕組み

また、「総合入院体制加算」においては、病院に勤務する全医療従事者を対象とした負担軽減及び処遇改善に資する体制の整備を要件としています。

次期診療報酬改定に向けて、今後、院内での労務管理や労働環境改善のマネジメントシステムのあり方が検討されます。 またこれまで診療報酬で対応されている、勤務環境改善に資する取組みや算定要件として求めている業務内容についても、働き方改革の方向性や医療の質を確保する観点等を踏まえながら検討が行われるとのことです。

医師事務作業補助体制加算の届出状況

平成20(2008)年に新設された「医師事務作業補助体制加算」は、対象範囲の拡大や点数の引上げ等を受けて、順調に届出医療機関数が増加しています。 平成29(2017)年時点で2,778件の病院で導入されており、全体の約1/3に上ります。次期改定でもさらなる評価が期待されます。

図 医師事務作業補助体制加算

医師事務作業補助体制加算の届出状況

(出典)厚生労働省ホームページ・中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)
働き方改革と医療の在り方について 総-2-1(PDF:13,720KB)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00026.html

地域全体の取組み

地域全体での取組みとしては、地域の医療提供体制を確保する観点から、各都道府県で医療計画を策定し、医療提供の量を管理するとともに、質の高い医療を受けられる体制を整備することとしています。
救急医療や小児・周産期領域において、医療提供体制の確保に資する取組みに対して診療報酬による評価が行われています。 特に救急医療については、第三次救急医療の中でもより質の高い医療を提供する医療機関への重点的な評価や、診療所における救急患者の診療への評価を行っています。 さらに、小児・周産期領域においては、医療提供体制を効率化するための再編統合を含む集約化・重点化を必要とし、診療報酬において手厚い人員配置等に対する評価を行っています。

次期診療報酬改定に向けて、救急医療や小児・周産期領域等で評価している診療所で行う救急患者の診療や、病院での手厚い体制に対する評価について、働き方改革や、質の高い医療を確保する観点等を踏まえながら検討されることになります。

厚生労働省ホームページ・中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)(5/29)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00026.html

働き方改革の検討が進む中、生産性向上に注目

このように次期診療報酬改定を検討する中央社会保険医療協議会でも、「働き方改革」が推進されることによる「生産性の向上」に注目が集まっています。 増え続ける医療費の抑制が進む中、売上面での大幅な上昇は期待できませんから、いま病院が生産性を高めるためには、コストをどのように下げるかを考える必要があるのです。
そこで、ブラザーが考える医療現場でのコストダウンの方法をご紹介します。

プリンター・複合機を適材適所に配置することで生産性向上

病院では電子カルテの導入等IT化が進んでいるものの、いまださまざまな書類をプリントアウトしています。 むしろ、IT化が進むことで、電子カルテや部門システムから出力される紙が増えているのかもしれません。
受付、診察室、スタッフステーション、検査室等さまざまな場所で、日々プリントが行われています。 多くの病院では大型のプリンターや複合機が設置されているでしょう。 プリンターや複合機はそれぞれ現場のニーズに合わせて、さまざまなバリエーションがあります。 その現場の特性に合わせて、プリンター・複合機を選ぶことが、コストダウンにつながるのです。
そこで、ブラザーは提案します。 場所と人員、プリントニーズに合わせてプリンター・複合機を見直してみてはいかがでしょうか。 プリンターを適材適所に配置することで、コストダウンだけではなく、スタッフの移動もスムーズになり、業務の効率化につながることでしょう。

プリンター管理ソフトで稼働状況を見える化

病院ではさまざまな場所にプリンターが設置されています。 限られた人員でシステム管理をしている医療現場でよく聞く悩みが、「プリンターや複合機の稼働状況が一目でわかるようになれば良いのに」というものです。 そこで、ブラザーは提案します。 「プリンター管理ソフト」でプリンターや複合機の稼働状況が見える化してはいかがでしょうか。 機器ごとの印刷枚数はもちろん、インク切れや紙切れ等も一目でわかるようになるのです。

バーコードラベルの見直しはコストダウンにつながる

医療の現場でリスクマネジメントの観点から、バーコードラベルを活用した認証が行われています。 検体をはじめ、点滴パックや輸液パック等は、取り違いが許されないことから、バーコードラベルは重要な役割を担うようになりました。
そこでブラザーは提案します。 バーコードラベルの見直しはコストダウンにつながります。 バーコードラベルの端末、ラベルリボン等の消耗品を見直してみてください。 年単位で算出すると大きな削減効果が見込めます。

スキャナーで効率的にペーパーレス化する秘訣は仕分けにある

IT化が進行中であったとしても病院内には紙が溢れています。 それは紙で管理しなければならない書類、紙で持ち込まれる書類、かつての紙書類が存在するからです。 アナログからデジタルへの移行は「探す」「運ぶ」「整理する」という手間をなくし、効率化が進みます。
そこでブラザーは提案します。 効率的なペーパーレス化はスキャナーの仕分け機能で実現できます。 紙書類をデジタル化する際の問題は仕分けが大変なことです。 ブラザーのスキャナーは、バーコード情報を元にファイルを分割・仕分けし、システムと連動して患者ごとのフォルダーへ自動で保存することができます。 自動で簡単に患者ごとのフォルダーに仕分けできれば、紙を一気にデジタル化することが可能です。 ファイル名を間違えたり、保存するフォルダーを間違えたり、といった人的ミスがありません。

医療の現場で活用したいブラザーのプリンター

処方箋や領収証の印刷にA4モノクロレーザープリンター「HL-L6400DW」

処方箋や領収証の印刷にA4モノクロレーザープリンター「HL-L6400DW」



■カウンターの下に置けるコンパクトサイズ
■モノクロ約50枚/分の高速印刷を実現で急な大量出力にも迅速に対応
■約60万枚高耐久で印刷枚数の多い医療現場をサポート

バーコードラベルやお薬手帳ラベル印刷に4インチ感熱ラベルプリンター「TD-4550DNWB」

バーコードラベルやお薬手帳ラベル印刷に4インチ感熱ラベルプリンター「TD-4550DNWB」



■さまざまな用紙に対応、最高152mm/秒の高速印刷を実現
■サーマルヘッド、プラテンローラーが工具なしで簡単に交換できるので、ダウンタイムを短縮
■USB、USBホスト、RS-232C、有線LAN、無線LAN、Bluetoothを搭載。使用環境に合わせたスマートな現場を実現

医療現場のペーパーレス化にドキュメントスキャナー「ADS-3600W」

医療現場のペーパーレス化にドキュメントスキャナー「ADS-3600W」



■約50枚/分の高速読取で、大量の原稿もあっという間にスキャン
■操作レスポンスが向上したタッチパネル搭載で直感的に操作可能
■スキャンしたデータをネットワーク上の共有フォルダにPC操作不要で保存可能

※この記事の内容は、2019年6月現在のものです。
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ブラザー販売 ビジネスNAVI 編集部

ブラザー販売、ビジネスNAVI担当者です。ビジネスNAVI編集者として、トレンドコラムやお客様の導入事例、パートナー企業、製品のソリューション情報などを発信していきます。

   

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