UIデザイナー、ひとりで海外展示会へ!
~最新技術を追いかけるだけじゃない。現地に行くから見えてくる、“人とデザイン”の本質~

ブラザーブースの様子

UIデザイナーの橋本さんが向かったのは、スペイン・バルセロナで開催された産業用プリンター展示会「FESPA」。
世界中の業界関係者が集まるこの展示会では、最新の技術や製品だけでなく、ユーザーとのリアルなコミュニケーションや海外ならではの価値観に触れることができます。
今回は、海外展示会への出張で得た発見や学びについてお話を聞きました。

展示会の主役は、製品だけじゃない

今回の出張に向けて、事前にデザイン部のメンバーから「見てきてほしいポイント」を集めていました。プロダクトやソフトウェア、ブースデザインなど、産業用プリンターに関わるさまざまな視点から最新情報を持ち帰るためです。
実際に会場を回ってみて印象的だったのは、展示そのものよりも、展示ブースで生まれるコミュニケーションでした。会話をしている人を見ても、どちらが出展者でどちらが来場者なのか分からない場面が何度もありました。
産業用プリンターでは、メーカーと顧客だけでなく、販売会社やパートナー企業など、さまざまな立場の人が関わっています。そのため「店と客」のような単純な関係ではなく、課題を共有しながら一緒にビジネスを進めるパートナーのような関係に見えました。また、展示も「見ればすべて分かる」ものは少なく、製品を介して人同士が相互にコミュニケーションする場になっているように感じます。
過度に腰を低くして丁寧にサービスを提供するというよりも、一緒にビジネスを進める相手としてガッチリ肩を組む。そんな関係性を大切にしているのかもしれません。
こうした経験は、ブランドとして人とどう関係を築いていくのかを考えるきっかけにもなりました。

ユーザーの本音は、現場でこそ見えてくる

アプリの説明をする様子

今回の出張では、業界の最新情報を調査することに加えて、自分が担当している製品提案を支援するアプリについて、海外販社の担当者から直接フィードバックをもらうという目的がありました。
これまでもチャットでやり取りはしていましたが、実際に顔を合わせるのは今回が初めてでした。アプリを操作してもらう中で、少し首を傾げたり、マウスカーソルが迷ったりする小さな反応から、「ここで戸惑っているんだな」「この画面は分かりづらいのかもしれないな」といった気づきを得ることができました。
こうした発見は、チャットや資料だけではなかなか得られません。細かな改善点は見つかったものの、UI設計に対しては評価する言葉を直接いただき、自分が携わったものを喜んで使ってもらえていることが伝わってきました。UIデザイナーとして、実際の利用者を観察することの大切さを改めて実感した経験でした。

海外出張で必要なのは、英語力よりも好奇心

今回の出張は、私にとって大きな挑戦でもありました。
これまでの海外出張ではデザイン部の先輩が一緒でしたが、今回はデザイン部から参加するのが自分一人。帰りはドイツで乗り継ぎもあり、しかも他部門の方もおらず完全に一人でした。
無事に帰れるだろうかという不安はもちろん、朝寝坊しないか、ちゃんと飛行機を乗り換えられるのか、といったことまで心配していました。
また、英語についても課題を感じました。自分の考えを英語で伝える難しさはもちろんですが、たどたどしい英語を話すこと自体が少し恥ずかしくて、他社ブースで遠慮してしまう場面もありました。海外出張に行く度に「英語をもっと勉強しないとなぁ」と思わされます。もちろん語学力があれば、より効率的に多くの情報を得られます。一方で、仕事として必要なコミュニケーションは、翻訳ツールを使ったり、周囲の方に助けてもらったりすることで進めることができるとも思います。
だからこそ、今回の出張を通じて感じたのは、英語力以上に「知りたい」「聞いてみたい」という好奇心の方が大切だということです。目の前にあるものに興味を持ち、自分から一歩踏み出して話しかける。その姿勢があってこそ、多くの学びにつながるのだと思います。

事前に考えていたミッションをやり遂げ、無事に帰ってこられたことは、大きな自信になりました。目の前のことに興味を持ち、「知りたい」「やってみたい」という気持ちを持って行動すること。その大切さを実感した出張でした。
余談ですが、バルセロナで食べたパエリアやサングリア、チョコレートとチュロスも忘れられません。帰国した今でも思い出しては食べたくなります。展示会での学びはもちろんですが、現地の街並みや食文化に触れ、その土地ならではの空気を感じられることも海外出張の魅力の一つだと思います。また機会があれば、ぜひもう一度訪れてみたいですね。

チョコレートとチュロス

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