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趣味掲載日:2020-04-14

【人気漫画家・秦和生さんに独占インタビュー】美麗な作品が生まれる背景や漫画家という仕事の面白さを聞きました

 【人気漫画家・秦和生さんに独占インタビュー】美麗な作品が生まれる背景や漫画家という仕事の面白さを聞きました

「中高生のなりたい職業」としてあげられることも多い、漫画家。
みなさんも漫画の登場人物たちに感情移入したり、展開が気になるあまりあっという間に読んでしまった……なんて経験があるかもしれません。

そんなたくさんの人の心をつかむ「漫画」を生み出す漫画家とは、一体どのような価値観やこだわりをもつのでしょうか。

今回は、19世紀のイギリスを舞台に小説家を目指す少女・リアの姿を描いた漫画『カイニスの金の鳥』をWEBマンガサイト『マトグロッソ』にて連載している漫画家・秦和生(はた かずき)さんのお話をうかがいました。

繊細で美麗な描写や、歴史を学べる魅力的な作品が生まれる背景、創作活動をはじめたきっかけは必見です。

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秦和生さん / プロフィール

心に引っかかった部分を深掘りしていく

心に引っかかった部分を深掘りしていく

─ 秦さんが創作活動をされるようになったきっかけをお聞かせください。

秦和生さん:私は幼い頃から漫画や小説を読んだり、映画を観るのが好きだったのですが、大きなきっかけとしては、高校卒業後の進路を決めようとしていたときでしょうか。 そこで映画について学べる大学があること、そして創作活動を仕事にできると知りました。

入学後には課題としていろいろと脚本を書くようになりましたが、就職活動中にふと漫画を描いてみたら、すごく楽しくて。

「脚本よりも漫画の方が、イメージを形にできるのかも」と思い、そこから漫画を本格的に描くようになりましたね。

─ 『カイニスの金の鳥』のほか、中国史を題材とした『美軍師張良』など秦さんは歴史を題材とした作品を手掛けられていますよね。
これらはどこから着想を得ているのでしょうか。

秦和生さん:着想は、ほとんど小説や映画から得ることが多いです。

面白いなと思った作品の時代背景を調べはじめると、自然とその前後の歴史も気になって……そうしているうちに心に引っかかった部分を深堀りしていくスタイルですね。

─ なるほど。フィクション作品ではあるものの、リアリティを追求するためには時代背景などを調べる必要も多いように思います。
それらはどのように調べていますか。

秦和生さん:インターネットで調べることが多いです。

あとは書籍やネット上の論文を読んだり、『カイニスの金の鳥』では、舞台となる19世紀に書かれた小説も資料にしています。

そのほかにも、作品のなかでは、たとえば「登場人物がティーカップを持ったまま話すシーン」といった動きを描かなくてはならないので、映画もよく観ていますね。

─ 秦さんの描かれる作品は、背景やキャラクターのファッション、小道具などが美麗な印象です。
描く際のポイントやこだわりはありますか。

秦和生さん:世界観の統一に気をつけています。

背景を陰影の深い写実的な絵にすると、私の描くキャラクターは浮いてしまうので、「キャラクターがそこに立っていても違和感がない」よう、コマのなかでのバランスを整えています。

─ これまで描いたなかで「大変だったけれど、注目して欲しい!」というページやシーンあればご紹介いただけますか。

秦和生さん:『カイニスの金の鳥』7〜8話(コミックス第2巻収録)に登場する、マイルズの実家ですかね。

「イギリス北部の重厚な造りの屋敷」をイメージして描いたのですが、これを表現するためには綿密な描き込みが必要で、かなり大変でした……。

今後、これ以上きらびやかな貴族の生活を描くことになったら倒れるな、やめよう、と本気で考えました(笑)。

自分で気軽に本を作ってみたい

─ 漫画家というお仕事の面白いところはどこにあると感じますか。

秦和生さん:頭の半分がずっと空想の世界にあっても、日常生活を送ることができる点でしょうか(笑)。

私はそんな状態が多く、ぼーっとしがちなので。

頭のなかに現実とは違う空想の世界があって、そこでは本当にさまざまな人が普通に生活しています。
それを漫画に描いてたくさんの人に読んでもらえるのは、嬉しくもあり不思議な気持ちですね。

─ 作品の即売会に参加された経験はありますか。

秦和生さん:毎年コミティア(オリジナル作品のみの即売会)に参加しています。

「漫画を仕事にすることを諦めようかな」と思ったときも、「コミティアで漫画を描けばいいんだし」と思ってたくらい、とても大切にしてるイベントです。

毎年コミティア(オリジナル作品のみの即売会)に参加しています。

─ ちなみに、漫画を描かれる際にプリンターを使うことはありますか。

秦和生さん:今はデジタルで作画していますが、紙の本になったときはどのように見えるかを確認するため、プリントすることが多いですね。

モニターと紙では見え方の印象が変わるものなので、プリントしたものを見て、線を太くしたり、ベタを増やしたりといった調整をしています。

─ プリンターはそのようにも活用できるのですね。
秦さんが今後、プリンターを使ってやってみたいことについてお聞かせください。

秦和生さん:コミティアで販売する本を、自分で作ってみたいです。

重厚な作品、思い立ったときに印刷して完成させられるようなペラペラな質感の本を問わず、「紙本」という形態が大好きなので。

高性能なプリンターが必要になるかもしれませんが、自分で気軽に製本までできたら素敵だと思います。

─ 電子書籍で漫画を読む人も増えていますが、手にもって読める紙本も魅力がありますよね。
では最後に、漫画家を目指す方にメッセージをいただけますか。

秦和生さん:私はとくに才能があるわけでも絵に自信があるわけでもなかったですが、とにかく描いて量産しているうちに、何とか形にできました。

量産するのはとても骨が折れることですが、やってるうちにうまくなれるのでオススメの方法です。それと、ちゃんと寝ましょう!

─ 漫画家という職業、創作の背景について貴重なお話をありがとうございました!

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取材を終えて

秦さんには、普段なかなかお聞きできない漫画家というお仕事の裏側や創作のこだわりをお聞かせいただきました。

「漫画やイラストを描いてみたいけど、難しそう……」と悩んでいる方も、秦さんの言葉通りとにかく描いてみることから始めてみましょう。

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