P-TOUCH CUBE ピータッチ キューブ

COLUMN

医療現場で活躍するP-TOUCH CUBE

医療現場で活躍するP-TOUCH CUBE

医療現場におけるの整理整頓の実践的なノウハウを、職場環境デザインコンサルタントの田中明子さんに教えていただきました。

【この記事を書いた人】

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん

幸せ収納デザイン株式会社 代表取締役
一般社団法人日本収納デザイン協会 代表理事
職場環境デザインコンサルタント 田中明子

国際航空貨物ビルドアッププランナーとして10年以上のキャリアを持つ。航空機の狭い空間をコントロールすることで身につけた空間認識力を職場の環境整備に応用。独自の収納理論に見た目の美しさだけでなく、機能的で効率的な「職場環境デザイン」を考案。正確性とスピードが求められる医療現場を中心に高い評価を受け、法人や個人に収納カウンセリングや整理サービスを提供している。

幸せ収納デザイン株式会社[新しいウィンドウ] (「幸せ収納デザイン株式会社」のサイトへリンクします。)

整理整頓の必要性

仕事中、生産性のない「探す」という行為に何時間使っていますか?

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例1

パソコンのデータがない・記入したメモがない・蛍光ペンがない・治療器具がない・人がいない。仕事中にどれくらいの時間、探し物をしているでしょう?ネットでの調べ物も探し物のうちと考えると、1日ひとりあたり平均2時間程度の探し物をしていると言われます。8時間勤務のうちの2時間、勤務中の25%が探し物とは恐ろしい。その2時間にも給与は発生していますし、働く側も仕事が遅れる、仕事が終わらないとストレスが発生しています。
この数字は大げさなようですが、私が現場でよく見る風景は、ひとつのものを探すのに周りを巻き込んで複数人で探し始めるという無駄。この無駄は想像を絶する破壊力を持っていて、仕事に集中していた人の思考を止め、手を止め、時間を奪います。人はいったん集中が切れると再び集中するには20分を要すると言われているので、探し物に巻き込まれた時間+再び仕事に集中する時間と考えれば、1日2時間以上の無駄が隠れていることも考えられます。

医療機関の1分の重み

医療機関での診療は【準備+診察+片付け】が、ワンセットで回転しています。医療現場の生産性を上げるためには、まずこの準備、片付けを効率的に行う環境づくりが重要です。

歯科医院1施設あたりの平均患者数は1日25人とされています。もし診療以外の1分を毎回減らすことができれば、1日25分のゆとりが生まれます。診られる患者数が増えるとも考えられますし、できたゆとりの時間でしっかり診察に当たれるとも考えられます。1分の無駄の中にはさまざまな可能性が隠されています。乱れた職場のなかには1分のロスは必ず隠れています。何より探し物のために支払っている無駄な人件費がなくなります。

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例2

※厚生労働省が発表している医療費動向の統計(平成27年~29年平均値)

職場環境整備の簡単ステップ

職場環境を整え、無駄をなくし、働きやすい生産性の高い職場を実現するための、整備のコツを実践しましょう!

Step01 出す

すべてのものを収納から出します。物だけでなく空間をリセットすることが成功のポイントです。そのために思い切ってすべての物を出し切りましょう!時間や人員の確保が難しいときは、ひとつの引き出しや棚、もしくはカルテや文具など物のまとまりごとにはじめてみましょう。

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例3

Step02 分ける

出した物をカテゴリーごとに分けます。曖昧さを残すことなく分け切ることがポイントです。曖昧に分けたところからリバウンドしてきます。わからない物は、わからない物のカテゴリーで分けましょう。

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例4

★出す・分けるのステップは感情を入れずに取り組みましょう!捨てる物のことを考えると作業が滞ります。

Step03 選ぶ

分けた物の中から診療に必要な物だけを選びます。年1回しか使わない物でも必要な物です。選ばれずに残った物をどうするかの判断は責任者がします。院の物は院の資産なので勝手に処分しないようにしましょう。

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例5

★使わない物を診療エリアに戻すことはNGです。しっかり選び切りましょう。

Step04 しまう

使いたい物を、使いたい時に、使いたい状態で収納します。使用頻度の高い物から順番に空間を割り当てていきます。作業終了後は、いったん仮ラベルを貼りましょう。

★使いにくければ収納方法、収納場所を適時変えていく柔軟性を持ちましょう。

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例6
職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例7
ラベリングでの仕上げと活用術

使いたい物を、使いたい時に、使いたい状態に収納できたら、仕上げはラベリングです。ラベリングのコツを覚えて、二度とリバウンドしない職場環境を完成させましょう。

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例8

Labeling Point 1

  1. 同じ収納用品、収納場所に貼るときはテープの長さを揃えましょう
  2. 横書きは左寄せか均等割り付けが基本です
  3. ひと文字目のスタート位置を揃えて貼るとキレイ
  4. 囲み枠でカテゴリーごとのまとまりを標示します
職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例9

Labeling Point 2

収納家具や収納用品に合わせてテープ色を選ぶ

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例10

Labeling Point 3

濃い色の家具や棚には透明ラベルがおすすめ

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例11
職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例12

Topic その他の活用法

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例13

「一度きれいになっても、すぐにリバウンドしてしまう・・・」このような悩みも多いと思います。片付けても片付けても散らかる問題を、ラベリングで解消できます。
ピータッチのテープは、医療現場に求められる特長を有しているので、おススメです。

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例14
歯科医院様取り組み事例

上記でご紹介した「職場環境整備の簡単ステップ」を使って、実際に職場環境整備に取り組まれたクレモト歯科なんば診療所様の取り組み事例をご紹介します。

事務周り

小さい事務所がすっきり効率的に。すぐに仕事に取りかかれるようになりました!

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例15
職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例16

技工室

困った1:物を移動したり、またいだりしないと必要な物が取り出せない
困った2:担当者しか収納場所がわからない
困った3:いつのまにか隙間に勝手に物が置かれる
ずっと困っていたことが短期間で解決しました!

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例17
職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例18

カルテ室

受付横のカルテ室を整理。カルテ棚と商品在庫棚の位置を変更しただけで移動の無駄と空間の無駄が解消。空間のリセットだけで物を捨てなくても片付くことにびっくり!

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例19
職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例20

カルテワゴン

カルテワゴンに必要な数の仕切りを入れて、わかりやすく整理。患者様を待たせる時間を削減。しっかり分けてラベリングしたことで、他のスタッフに「どこにある?」と聞かれることがなくなりました。

職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例21
職場環境デザインコンサルタント田中明子さん事例22
【クレモト歯科なんば診療所 院長 呉本勝隆先生のお話】
クレモト歯科なんば診療所院長・呉本勝隆先生

現在、医療業界は人手不足が課題になっています。その中で、一人一人の生産性をあげていくというのが大きなテーマ。その一歩として、片付けを仕組みとして取り入れ、人が物を探す時間の短縮を図っています。職場環境を整え、業務を効率化することで生産性が上がると、その分を未来のために投資していくことができるのです。
例えば、設備投資をして患者様へより質の高い治療の提供や、スタッフに対して福利厚生や給与面で還元し、良い労働条件と環境を提供することが可能になります。
さらに、全国で約7万件という競合がひしめきあう中で、歯科業界ではデジタル化の波が押し寄せています。このような課題にいち早く対応し、実現できた歯科医院が患者様にもスタッフにも選ばれる医院になると思っています。また、医院の内装などの細かいところにラベリングによる整理整頓を行うことで、院内に清潔感が生まれ、顧客満足度にも影響してきます。当院を選んでくださった患者様、スタッフへ安心と安全を提供するために、間接的ではありますが整理整頓は大きな影響力を持つと考えています。

※厚生労働省医療施設動態調査 歯科診療所数68,404施設(令和元年12月末概数)

【クレモト歯科なんば診療所 スタッフさんの声】
クレモト歯科なんば診療所スタッフの皆様

幸せ収納デザインの職場環境デザインを取り入れ、出す・分ける・選ぶ・しまうの4ステップを経てから、物の位置を決めブラザーのピータッチを利用し、すべての物の場所を住所のようにラベリングしました。歯科医院はものが多いので、これまではどうしてもさがすという時間が発生していましたが、ラベリングにより入れ間違いや、新人に場所を聞かれるという時間がぐっと減りました。スマートフォンやタブレットからの操作ができるので、誰でもすぐにラベルをつくることができます。物が増えた時、場所を移動させた時など、すぐに利用しやすい環境を維持しています。ラベリングで、だれでも探しやすく新人が即戦力になりました。

「医療職場環境改善」は、いかがでしたでしょうか?皆さまの快適な医院づくりにお役に立ちましたら幸いです。

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