最高の縫製品質で、実用ミシンの要となるミシンをつくる! このプロジェクトをまかされたのが、30年前、現在のブラザーミシンのスタンダード品質となったコンパルLの開発にたずさわった現開発部長でした。当時、実用ぬいと数種の飾りぬいのみの機能でしたが、Easy to USEをコンセプトに、使いやすさを徹底して追求したコンパルは、多くのブラザーファンを生み出しました。この時すでに、布送りの理想形といわれる「スクエア送り」が導入されていました。
ブラザーは、様々なソーイングファンに受け入れられるために、こうしたEasy to Useを重視し、数々のミシンを開発し販売してきました。 しかし、開発部長は使いやすさに対する市場の評価に安堵する一方、ミシン本来の役割である縫製品質への反応に、ジレンマを感じていました。
これまで力を入れてきた「使いやすさ、安心」と比べた場合の、「実用縫製」の品質向上に対する注力度を今一度見直し、ソーイングファンから特に期待される縫製品質に着目することで、ブラザーミシンの改善ポイントを見出しました。