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【捨てるのはもったいない!】アクセサリー作りもできる金継ぎを始めよう
不注意からお皿や花瓶を割ってしまったとき、「仕方ないけど捨てるしかないか」と諦めてしまうこともあるでしょう。
しかし、近年では割れたり欠けたりした陶器を天然の漆で修理する「金継ぎ」が注目されています。雑貨店でキットが販売されているほか、ワークショップが開催されたりと気軽に始められるため、新たな趣味としてチャレンジする方も多いのだとか。
今回は、近年注目を浴びている金継ぎについて紹介します。
金継ぎってどういうもの?
一説によると、金継ぎは安土桃山時代の茶の湯文化の中で発展したと言われています。
戦国大名として知られる織田信長は、戦で活躍した家臣に茶の湯に使う道具を与えており、権力者である信長から授かった茶の湯の道具は富と権力の象徴となっていました。もしヒビやカケが生じてしまったとしても、茶の湯の道具を漆と美しい金を使って修理するうちに、芸術様式として昇華されたものが金継ぎの由来なのです。
金継ぎはただ壊れたものを修理するのではなく、あえて金粉で装飾することで新たな作品のように仕上げることが特徴的です。きらびやかな金色が陶器に入り込むことで、修繕前とは異なる表情を見せてくれます。
昨今ではSDGsなど、環境を考える取り組みが紹介されることも多くなり、金継ぎも壊れてしまった陶器を捨てるのではなく、長く使える工夫として注目されています。その背景には、天然の漆を使う本格的な金継ぎとともに、合成樹脂の併用によって手軽に挑戦できるようになったことも関係しているのです。
金継ぎの注意点とおおまかな工程
金継ぎは細々とした専門の道具が多く、自宅にあるもので代用することが難しいため、必要なものがまとまっているセットを買うのがおすすめです。
金継ぎに使う漆には、素手で触れてしまうとかぶれてしまう成分が含まれています。必ずゴム手袋を付けるほか、長袖の服やエプロンを身につけて髪をまとめておくと安心です。もしも漆が手に付着してしまったら、水で洗い流すのではなくサラダ油などの油でその部分を拭き取り、石けんでよく洗い流したら皮膚科を受診しましょう。
以下は、金継ぎの主な工程です。
1.割れた部分をきれいにする
陶器の割れた部分をきれいにするため、あらかじめ器をよく洗った後に水気を切ったら、サンドペーパーで削ります。器に付着した油分や塩分を洗い流すことで、漆がしっかり付きやすくなります。特に割れてから長時間経っていると、しまいこんでいるうちに汚れてしまっているため、意外にも大事な工程といえます。
2.割れた部分を接着する
小麦粉を水で練ったものと生漆を混ぜ合わせた接着剤「麦漆」で、破片をくっつけます。このときに段差になってしまうと仕上がりが悪くなるため、目視ではなくカッターの先など細いもので段差がないかを触って確認しましょう。
接着剤で割れた部分をつけたら、ズレないようにマスキングテープやセロテープで固定します。その後、特定の温度と湿度を保った箱「漆風呂」の中に入れて保管し、乾かします。お皿の場合はひっくり返した状態にすると安定して保管できます。
3.割れ目に沿って漆を塗り、金粉をまぶす
無事に割れた部分が接着できたら、はみ出した部分をカッターナイフなどで削ります。あらためて割れ目に沿って漆をていねいに塗ったら、金粉をまぶして完成です。
金継ぎに向いていない素材
ガラスは漆が密着しづらいため、別途ガラス用の漆を使う必要があります。また、透明の素材は凸凹が目立ってしまうため、上級者でなければきれいに仕上げることは難しいでしょう。
アクセサリー作りにも!
異なる陶器の破片を金継ぎで繋ぎ合わせ、ピアスパーツやヘアゴムを付けた金継ぎアクセサリーも人気です。特に海岸にガラス片や割れた陶器が流れ着いた「シー陶器」や「シーグラス」を使ったものは環境にも優しく、おしゃれ。海岸のゴミ拾いをしつつ、アクセサリー作りに活かせそうな材料を探しに行くのも良いでしょう。
金継ぎであらたな趣味を始めよう
金継ぎは、「好きなものを大切に使う」ことを叶える技法です。華やかな仕上がりは国内はもちろん、海外でも人気を集めており、金継ぎのワークショップに参加する観光客も増加しているようです。
慣れないうちは難しく、思うようにできないかもしれませんが、1度体験すると「次はもっときれいに仕上げたい!」と夢中になる方もいます。金継ぎに欠かせないエプロンもハンドメイドすると、モチベーションもアップ!ぜひお気に入りのエプロンを身につけて、金継ぎに挑戦してみてくださいね。
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