【冬至に入るのはなぜ？】寒い冬でもぽかぽか温まる、ゆず湯のやり方

冬至ってどんな日？

その年によって変動はあるものの、冬至はおよそ12月21日頃に迎えることとなります。

季節感を大切にする日本において、冬至はどのような日なのでしょうか。

“一陽来復”という考え

古来より、日本は1年を4つの季節に分けたうえで、そこからさらに季節を6つに分ける“二十四節気（にじゅうしせっき）を通して年中行事を行なっていました。冬至もそのうちのひとつであり、1年のうち最も昼が短い、つまり太陽の力が1番弱まる日として考えられています。

この日を境に再び太陽の力が強くなる＝再び運が向いてくる「一陽来復（いちようらいふく）」という考えから、かぼちゃを食べて栄養をつけ、身体を温めるゆず湯に入って寒い冬を乗り越えようとしたのです。

冬の七草

日本では、年末年始におせちやお餅を食べた後、胃を労わる目的から七草粥を食べることは有名ですが、冬至に食べると運が良くなる、風邪をひかなくなるという冬至の七草も存在しています。

冬至の七草は“運をたくさん取り込む”目的から、いずれも“ん”がふたつ付く食べ物です。

冬至にはかぼちゃの煮物のほか、邪気を祓うと考えられてきた小豆と合わせた「いとこ煮」を作る地域も。この「いとこ煮」とは、材料を煮えにくいものから順に「おいおい（甥甥）煮る」、それぞれの食材を「めいめい（姪姪）煮る」にかけた、すなわち「いとこ」というしゃれによるものです。運気の上がるかぼちゃと厄除けの小豆を使ったいとこ煮は、開運メニューとして効果もバッチリでしょう。

このほか、1年間で溜まった悪いものを体から出す「砂払い」の意味から、冬至にこんにゃくを食べる地域も見られます。日本では、さまざまな意味合いから開運のための食材が考えられていたのですね。

ゆず湯に入る意味と効果

では、冬至に入ると良いとされるゆず湯には、どんな意味があるのでしょうか。

一説によれば、ゆず湯は「融通が効きますように」という願掛け、冬至は「湯治」の語呂合わせとされています。香り高いゆずにより、邪気を払ったお風呂で身を清めて翌日からの運気上昇に備えていたのです。

また、ゆずは植えてから実をつけるまでに長い年月を有することから、「長年の苦労が身を結びますように」といった意味も含まれるとも考えられています。

ゆず湯の効果

ゆずには血行促進による冷えの緩和、美肌が期待できると同時に、爽やかな香りにはリラックス効果があるとされています。

そんな背景から、ゆずの成分を使ったスキンケア用品や入浴剤も販売されており、若い女性を中心にゆずは大きな注目を集めています。

ゆず湯を楽しむポイントと注意点

ゆず湯に入ったとき、肌にピリピリとした痛みを感じる方もいます。これは、ゆずに含まれるリモネンという成分によるもの。皮膚の弱い方や赤ちゃんはゆず湯に入るのを避けた方が良いでしょう。ゆずを入れた洗面器を湯船に浮かべるだけでも、ゆず湯の雰囲気を味わうことは可能です。

ゆず湯は、主に「そのまま浮かべる」「切って浮かべる」「皮を浮かべる」といった方法が考えられます。それぞれのメリットや注意点を見てみましょう。

ゆずをそのまま浮かべる

買ってきたゆずをそのまま浮かべると、写真映えもする素敵なゆず湯を楽しめます。

ただ、香りが弱いため、なるべく多めのゆずを浮かべると良いでしょう。

ゆずを切って浮かべる

ゆずはカットした皮や果実から香りが強く出るため、そのまま浮かべるよりも香りを感じることができます。その反面、ピリピリとした刺激も受けやすくなります。

ゆず湯に入って痛みを感じたら、一度あがってその部分をシャワーで洗い流すようにしましょう。

また、丸ごと浮かべた場合、切って浮かべた場合を問わず、ゆずを揉みほぐすようにするとより強い香りが出てきますが、皮や果実、種が湯船に散らばって掃除が大変になります。

もしも排水溝に入り込んでしまえば、故障の原因にも……。なるべく目の細かい袋に入れ、揉みほぐすのは避けるのが無難です。

ゆずの皮を浮かべる

ゆずの皮を切り、乾燥させたうえで袋に入れ、お風呂に浮かべるのもおすすめです。実を入れる方法とは異なり、香りを満喫しつつピリピリとした痛みも弱くなります。

残った実はシャーベットやゼリーに使ったり、ジャムにすると有効活用できます。特にジャムはお湯で割ると、寒い冬にぴったりな体を温めるドリンクに。お肉を煮込むときに隠し味で入れても、味わい深い仕上がりになりますよ。

美味しいかぼちゃ料理とゆず湯で寒い冬も元気に凄そう

まだまだ寒さが続く季節ですが、かぼちゃ料理で栄養をつけ、ゆず湯で温まれば元気に過ごせることでしょう。そして冬至という行事を通し、お子さまに四季を知ってもらうきっかけにもなるかもしれません。

ぜひ、ご家庭で冬至を楽しんでみてはいかがでしょうか。