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電子帳簿保存法対策、各種帳票発行に最適!
年度末に購入すべきレーザー複合機/プリンターの選定基準とは?
公開日:2024.03.08
2023年10月から「インボイス制度」が始まり、そして2024年1月からは「電子帳簿保存法」で電子取引データの保存が義務化されるなど、経理・文書管理業務に大きな変化が訪れています。多くの企業や個人事業主の皆さんも、対応に忙しかったことでしょう。
今回のコラムでは、特に「電子帳簿保存法」のポイントを改めて復習するとともに、そこで見落とされがちな「長期間かつ大容量のデータ保存」の最適な方法について解説します。年度末の設備増強対策の一助にもしていただける内容です。
また後半では、ペーパーレス化が進んでも必ず必要となる「各種帳票印刷」について、既存の帳票資産を活用しつつ帳票印刷の最適化を図るための具体的ソリューションをご紹介します。
さらに、電子帳簿保存法への対応で不可欠なスキャナーや、各種帳票印刷に最適なプリンターの選定基準についても、ブラザーがプロの視点から解説します。
Part 1/「電子帳簿保存法」への対応はレーザー複合機が最適!
①電子帳簿保存法への対応は万全ですか?
電子帳簿保存法は国税関係の帳簿や書類を、紙ではなく電子データで保存することを推進する法律です。1998年に制定されて以来、企業や個人事業主の会計業務の負担を軽減するために、法改正が繰り返されてきました。
特に2022年1月の改正では、●電子帳簿等保存、●スキャナ保存、●電子取引データ保存の3項目について、電子データ保存に関する抜本的な要件緩和が行われました。
2023年12月末には猶予期間が終了し、2024年1月からは「③電子取引データの保存」が義務化。電子データで受け取る領収書や請求書などは、原則として紙による保存ができなくなりました。
ここで改めて電子帳簿保存法の重要ポイントをおさらいしておきましょう。
電子帳簿保存法への対応は、以下の3項目に分けて考えるのがポイントです。
電子帳簿等保存
電子帳簿等とは、パソコンで作成した帳簿・書類のことです。会計ソフトで作成した仕訳帳・総勘定元帳などの国税関係帳簿や、貸借対照表・損益計算書などの決算関係書類データ、PDF形式で保存した請求書・領収書の書類データ、また電子契約システムによる電子契約書などが該当します。電子データはハードディスクやクラウドに保存するのが一般的です。
スキャナ保存
受け取った紙の領収書や契約書などをスキャンして、電子データとして保存する方法です。対象となるのは、決算関係書類(貸借対照表・損益計算書)以外の国税関係書類です。具体的には、契約書・見積書・注文書・納品書・請求書・領収書など。毎日大量の書類の処理に追われていた現場では、それらをスキャナ保存して紙の書類は破棄できるため、作業負荷が軽減し保存場所も不要となります。電子データ化することで検索性も向上します。
電子取引データ保存
メールで送られてきた契約書や領収書などのPDFデータ、ECサイト上に保存されている領収書データをダウンロードしたものが該当します。2023年まではこれら電子取引データを紙に印刷して保存することが認められていましたが、2024年1月からはそのままデータとして保存することが義務化されました。
運用する際の留意点としては、以下の3点が挙げられます。
※「①電子帳簿等保存」と「②スキャナ保存」は対応が「任意」であるのに対し、「③電子取引データ保存」は電子保存が「義務化」されていることに注意が必要です。
※改ざん防止(真実性の確保)のために、以下のいずれかを行うことが要件となっています。
・タイムスタンプの付与
・訂正/削除の履歴を残す
・訂正/削除できないシステムの利用
・改ざん防止の事務処理規定を定める
これらは専用の会計ソフトを導入していれば、対応が可能です。また改ざん防止の事務処理規定を定める方法であれば、新たなシステム導入は必要ありません。
※可視性の確保のために、「日付・取引先・金額」で検索できるようにすること。またディスプレイやプリンターなどの備え付けることも要件となっています。
②見落としがちな「長期間・大容量のデータ保存」には、NASがおすすめ
電子データを含めた帳簿書類の保存期間は、法人の場合、確定申告書の提出期限翌日から7年間となっています。
通常は社内の共有サーバーなどに保存することになりますが、大量のデータを長期間にわたって保存し続けるためには、大容量ストレージの確保が必要となります。またシステム障害や故障によるデータ消失リスクを回避するために、電子帳簿保存法では(必須要件ではありませんが)データのバックアップが推奨されています。
クラウドサーバーに保存する方法もありますが、より安価で手軽な対策として、NAS(Network Attached Storage)を活用する方法があります。
特に複数のHDDを搭載したNASは、データを常に複製し二重化しておくことが可能で、HDDの故障時にもデータの復旧対応が容易です。NASには以下のようなメリットがあります。
- NASならLAN接続でき、ネットワーク上の複数パソコンでファイル共有が可能
- 各種クラウドストレージサービスと連携したバックアップも可能
- 法人用NASであれば、高速通信・大容量保存が可能
NASの代表的製品としては、以下をご参照ください。
◾️バッファロー「TeraStation」
https://www.buffalo.jp/contents/biz/nas-denshi-chobo-hozon-ho/
無料で利用可能な「電子帳簿マネージャー」を活用することで、ファイル名に規則性を持たせたり、複数人利用時でも同じ保存先を共有できるようになります。
◾️アプライド「D-MASTER NAS」
https://shop.applied-net.co.jp/html/page412.html
③スキャナーの選定は、印刷機能もあるレーザー複合機がおすすめ
「スキャナ保存」を行う場合、スキャナー専用機を選択することも可能ですが、1台で複数の用途に対応し、コストパフォーマンスに優れたモノクロレーザー複合機がおすすめです。
「MFC-L2880DW」は、以下のような特長を備えています。
より長く快適に、製品寿命7年
本体製品寿命は、7年または約5万ページの高耐久を実現。さらに7年定額保守サービス(有償)とあわせて、より長く安心してご使用いただけます。
両面同時スキャンで業務効率化
高さわずか約31.9cmのコンパクトボディながら、「両面同時スキャン」に対応。書類の電子化や両面コピーなど業務効率を改善します。
パソコン操作なしでスキャンデータを共有
・本体でスキャンしたデータを、スキャナドライバーのインストール不要で、直接ネットワーク上の共有フォルダーに保存する「スキャンtoネットワーク」。
・スキャンしたデータをEメールの添付ファイルとして送信する「スキャンto Eメール送信」。パソコンにスキャナードライバーをインストールする必要もありません。
・Google Driveやboxなどの各種クラウドサービスへ、PCレスで直接アップロードが可能です。
ファクス機能も搭載
ファクス機能も搭載しているため、取引先から受信したファクスを出力せずにデータとして保存することができます。
Part 2/各種「帳票印刷」に最適なレーザープリンター!
①ペーパーレス化が進んでも、各種「帳票印刷」は必ず残る
さて、電子帳簿保存法などの影響もあり、オフィスのペーパーレス化はますます進んでいくことでしょう。
その一方で、以下のような業務に不可欠な「紙の帳票印刷」は必ず残ることにも留意が必要です。
- ホテルやレジャー施設などのフロント業務、受付業務
- 事務所や店舗バックヤードでの販売管理、送り状印刷
- 製造業や物流業界での領収書発行、ピッキングリスト印刷
- など
こうした現場では、各種の「領収書発行システム」や「WMS(倉庫管理システム)」など、さまざまな専用システムを導入して帳票を発行している場合も多く見られます。
しかし、業務種別や拠点ごとにシステムが異なっている場合には部分最適な帳票システムに陥りがちで、メンテナンスの多重化や内部統制に困難をきたすなど、大きな課題となっています。
例えば、こんなお悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。
- 大量の帳票が社内に蓄積されており、その資産を活用して最適な帳票環境を実現したい。
- 定義ロジックが複雑な帳票の追加・修正が難しい。
- Word、Excel、PDFなど、複数のソフトで作成した帳票が混在している。
- バーコードやチャートにも対応できる帳票を実現したい。
- 人的ミスや作業漏れを防止し、作業工数を削減したい。
こうした課題を克服し、社内の最適な帳票環境を実現するために、2つのソリューションをご紹介します。
ソリューション①:ピュア・テクノロジー社の「帳票SE」
ピュア・テクノロジー株式会社は、帳票の作成・印刷・最適化を実行するプロ集団(帳票SE)として、基幹業務帳票のアウトプットに関する課題を解決しています。その特長は、以下のとおりです。
- 基幹業務に特化した帳票開発ノウハウと実績を活かした、シンプルで高品質な帳票ソリューションを提供
- 今ある帳票資産を最⼤限に活用した、スピーディーな帳票開発を実現
- ライセンス/保守を含めて、低価格なシステム構築を短期間で実現
同社の帳票ソリューションには、以下のような具体例があります。
○Re:Porter:帳票システムの有り⽅を⾒直し、再構築することでビジネスを変える、次世代帳票アウトプットソリューション
○EReport:Salesforce連携を可能にしたEdge・Easyアウトプットソリューション
○Semper Print for Office:オフィスで作成した文書を外出先のスマートフォンから印刷するサービス
○Semper Print for Report:既存の印刷システムからスマートフォンで簡単にレポート印刷できるサービス
ソリューション②:ウイングアーク1st社の帳票基盤ソリューション「SVF」
SVF(Super Visual Formade)は、ウイングアーク1st株式会社が開発・販売する帳票作成・出力のためのミドルウェア製品群です。各種帳票類の設計・出力をオールインワンで実現する総合帳票基盤として、数多くの企業や公共機関で導入されています。
その特長は以下のとおりです。
- Word/Excel/PDFで作成した既存の帳票(データ/紙)を活用し、簡単に帳票設計することが可能なため工数の大幅削減が実現
- プリンター側のバーコードフォントの有無に関わらず、読み取り精度の高いバーコード帳票が作成可能。各種グラフや図形を挿入した帳票もノンプログラミングで作成可能
- 日本語を含む26カ国語で帳票出力が可能。英語OSや操作画面の英語・中国語の対応ができ、海外拠点での帳票運用を実現
- 一つの帳票を用途に応じた最適なファイルフォーマットで出力。また業務に合わせたファイルごとのセキュリティ設定が可能
- など
※なおブラザーのプリンター/複合機は、ウイングアーク1st社製「SVF for Java Print」「Report Director Enterprise」と連携を進め、基幹系帳票出力などのニーズにも対応しています。 詳細はこちら▶
②各種帳票印刷に最適なプリンターの条件は、「操作性」と「印刷待機時間」
ここまで企業活動に不可欠な「帳票印刷」を最適化するための2つのソリューションをご紹介してきましたが、もう一つ重要なポイントがあります。それは「帳票印刷」に最適なプリンティング環境を実現することです。
最適な帳票印刷の視点からプリンターを選定する場合、特に重要な要件は以下の3点です。
① ファーストプリントの速度:最初の1枚を印刷するための待機時間が短いこと。
② 印刷速度:特に大量に印刷する帳票の場合、印刷速度が速く快適であること。
③ 操作性:使い勝手が良く、誰でも直感的に使え、簡単に操作できること。
※Windows環境の場合、帳票がPDF化されていれば通常のプリンターからドライバー印刷で帳票発行することができます。(すでに他社製SDKを組み込んでいる場合や、Mac/iOS環境からの印刷の場合には、開発が必要となります)
こうした要件を満たすためには、コストパフォーマンスにも優れたモノクロレーザープリンターがおすすめです。
「HL-L6310DW」は、以下のような特長を備えています。
より長く快適に、製品寿命7年
本体製品寿命は、7年または約60万ページの高耐久を実現。さらに7年定額保守サービス(有償)とあわせて、より長く安心してご使用いただけます。
モノクロA4片面約50枚/分の高速印刷
高速プリントエンジン搭載で、A4片面 約50枚/分の高速印刷を実現。急な大量出力にも迅速に対応できます。起動も素早く、1枚目の印刷時間約6.7秒を実現しました。
超・大容量トナーで、トナー交換の手間を軽減
約25,000ページ印刷可能な超・大容量トナーを使用すれば、トナー交換の手間を軽減し、約1.7円/枚の低ランニングコストを実現します。
使い勝手の良い3.5型タッチパネル
3.5型カラータッチパネルを採用。各種設定変更などの際にも、誰でも簡単に操作が可能です。
いかがでしたでしょうか。今回は「電子帳簿保存法」と「最適な帳票印刷」に最適なレーザー複合機/プリンターをご紹介してきました。
お薦めしたブラザー製品はコストパフォーマンスにも優れており、年度末の設備増設・更新の用途でも多くの引き合いをいただいています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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ブラザー販売 ビジネスNAVI 編集部
ブラザー販売、ビジネスNAVI担当者です。ビジネスNAVI編集者として、トレンドコラムやお客様の導入事例、パートナー企業、製品のソリューション情報などを発信していきます。
※この記事の内容は、2024年3月現在のものです。
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