CSR日和
組織力の向上
2023.02.08
毎年恒例!
ブラザー技術オリンピックの2022年度開催レポート
―競い合い、高め合うことで目指す、お客様満足―
2022年12月17日、東京都大田区にあるブラザー販売東京サービスセンターで、毎年恒例となった「ブラザー技術オリンピック(以下、技オリ)」が開催されました。
これはブラザー販売のアフターサポート部門であるCS推進部が主催するイベントで、今年で8年目を迎えます。日々お客様先で直接修理対応を行うサービスセンターのメンバーが、専門的な知識と技術、お客様応対力などの点数を競い合い、優勝を目指すものです。
今年の技オリでは筆記試験と実技試験が行われ、全国のサービスセンターのメンバー10名に加え、普段社内で技術支援業務※をしている新入社員2名、サービスパートナー企業から選抜された2名が参加し、例年より大規模に総勢14名での戦いとなりました。
※サービスセンター・サービスパートナーへの修理に関する対応相談や技術情報の提供
今回の記事では、企画担当者であるHさんに技オリに対する想いを伺いました。
オフィス部門の新人やサービスパートナーからも参加を募った背景は何ですか?
ブラザーでは全国のお客様に満足いただけるサービスの提供を目指し、サービスパートナーと協業してサポート体制を構築しています。ブラザーのサービスセンターのメンバーは、自分たちがお客様先に伺って修理対応することはもちろんあるものの、修理対応件数ではサービスパートナーにはかないません。
外部の空気を入れることによって、より競い合い、より高め合う雰囲気を作りたいと思いました。
また、普段社内で技術支援業務をしている新人2名には、実技を身に着ける機会にしてほしかったということはもちろんですが、日ごろお客様先で修理対応をしているメンバーの視点を早いうちから養ってほしかったという想いもありました。
実際の技オリの様子はどうだったのですか?
新人の1名が筆記試験で100点を取ったんですよ。なかなか難しい問題にしたんですが。あとで本人に聞いてみたところ、日々の技術的な電話サポート業務で知識を深め、業務の隙間時間を縫って学習していたとのことでした。
ここで筆記問題から1問出題してもらいましたので、読者の皆さんも一緒に考えてみて下さい。
問:【ファクスの送受信】製品側でダイヤルトーン信号(ツー音)が検出できないときに発生する現象はどれか。1つ選びなさい。
1.ファクスの受信ができない
2.ファクスの送信ができない
3.画信号送信中にモデルエラーとなる
4.ナンバーディスプレイが表示されない
これはファクスのトラブルシューティングにおける基礎知識を問う問題ですが、お客様からの申告内容によって、原因を切り分け、対応策をご案内するのに必須の知識です。問題の答えは本文の最後に記載します!
実技試験では何を見られるのですか?
今年の実技はA3インクジェット複合機の分解組立に取り組んでもらいました。
普段のお客様先での作業を想定し、審査するので、例えば自分が持ち込んだ工具の取り扱い方さえも厳しい目で審査されます。大切なお客様の機械を修理させていただくため、取り外す部品を丁寧に扱い、発生させる音は可能な限り抑えなければいけませんし、機械から取り外したねじ一本も大切なお客様のものなのです。
総勢14名参加者が実技試験に臨む様子。22年度はA3プリンターの分解組み立て
分解組み立てを間違いなく完了させることはもちろん大切ですが、機械の不調で不安な状況にあるお客様に安心していただくための対応、姿勢ということを試験では見ています。
お客様先で修理を行うときは、状況によっては緊張したり、焦ってしまうことがあります。実技試験でも、大勢の審査員がのぞき込んでくる中、作業をするわけですから、ものすごく緊張していたと思います。
そんな中でも、サービスパートナーや年長者たちは安定した落ち着きのある修理対応をしていました。実践経験と技術が体に染みついており、安心・安定のサービスが提供できているんでしょうね。
技オリを開催するにあたって工夫した点などはありますか?
普段、修理には関わらない、CS推進部のバックオフィスの方々も試験会場に招いたことです。現場で活躍する人、バックオフィスで活躍する人、それぞれが連携し合っているからこそ、「お客様満足」という最終的なゴールに向かえると思っています。だから、普段目にすることのない「現場の雰囲気」を見てもらうことで、お互いの理解が深まり、組織として強くなっていけると考えています。
また、せっかくの集まる機会なので、デジタルテスター※講習を実施しました。製品の問題か使用環境の問題かを切り分ける際の対応として必要な知識をインプットするだけでなく、サービスパートナーと一つのチームとして一緒に学んだり、コミュニケーションをとる時間にしたいと考えました。
※電圧測定の機器で測定値がデジタル表示されるもの
筆者感想
修理にお伺いするとき、お客様はお困りの状況です。だからこそ自分たちの技術レベルを上げて、スピーディかつ、的確に修理することで不安なお客様に安心感を与えたい。
自分の仕事に点数を付けられるという厳しいテストには同じ会社員として胸が痛みましたが、「お客様満足」を安定的に届け続けるためには、学び続け、自らを省みることが重要であることを改めて実感しました。
ブラザー販売は製品をお届けし、お客様が快適に製品を使用し続けていただくため、高い製品知識と技術力の向上を目指し、活動を続けてまいります。
問題の答え:2. ファクスの送信ができない