CSR日和
社会への貢献
2022.11.29
生徒みんながジブンゴトで取り組む。瑞陵高校家庭クラブ
2022年10月 名古屋市瑞穂区にある愛知県立瑞陵(ずいりょう)高校で、生徒自らが企画・運営したミシンイベントが開催されました。
主催したのは同学校の家庭クラブのメンバー22名。
全校生徒を対象に「刺しゅうミシンを使った瑞陵高校オリジナルお守りづくり」企画を展開しました。
イベント当日は、家庭クラブのメンバーが先生役となり、参加した生徒に対して、ミシンの使い方、お守りの作り方をサポートします。
家庭クラブメンバーから参加者へ作り方説明をする様子
基本的に家庭クラブメンバーが運営を行い、顧問は時折起こる相談事にアドバイスするのみ。
常に自分たちで考えて、トラブルもメンバー同士で相談し、解決していきます。
今回はM先生と家庭クラブ会長のNさんにインタビューを行いました。
家庭クラブとはどのようなものですか。
(M先生)
家庭科を学んだ子どもたちがそのスキルを社会で活かすために活動するクラブ活動で、学校によって取り組み内容は違います。
瑞陵高校には普通科と理数科、食物科がありますが、どの学科でも同様に家庭科を学んでいるので、学科の隔てなく家庭クラブのメンバーとして活動しています。
「研究活動」「ボランティア活動」「交流活動」が活動の柱で、学内の活動はもちろん、地域貢献、環境貢献などの活動も行うのが家庭クラブです。
普段はどのような活動をしているのですか。
(M先生)
家庭クラブのメンバーが先生役になって行う料理講習会は例年好評で、多くの生徒が参加する、伝統行事になっています。
講習会で作るレシピは家庭クラブの生徒が考案したものなんですよ。
でもコロナ禍で料理講習会は実施できなくなってしまったので新しい企画をゼロから考える必要がありました。
例えば
・母の日のカーネーション販売
・父の日のミニひまわり販売
・文化祭で缶バッジづくり
など、売上を子ども食堂に寄付するという企画もコロナ禍で新たに生み出した企画です。
前例がないことばかりなので、今のメンバーたちは知らず知らずのうちに企画力がついてきました。
今回「お守りづくり企画」を実施した背景を教えてください。
(会長Nさん)
ブラザーさんから「こんな刺しゅうデータがあるんですよ」と話を伺ったときに、
お守りというのが瑞陵高校にフィットすると感じました。
誰かにあげると心がこもると思うので、そういった経験になればいいと語る会長Nさん
受験をする生徒が多いですし、部活動も盛ん。また行事などは学年別ではなく、学年を縦断して活動することが多いので、「後輩が先輩を応援する」など、生徒のニーズにマッチするのではないかと思いました。
今回の企画で工夫したポイントはありますか。
(M先生)
教員は、家庭クラブメンバーが主体的に取り組めるような距離感を大切にしています。
今回の企画も、作り方や運営の仕方をメンバーが考えて、その企画内容を先生に持ってきて、先生からフィードバックを受けて企画を練り直すような流れです。
他には、人の役に立っている、人に感謝してもらえる体験になることを意識しています。
生徒同士で教え合い、学び合いながら作業を進めていく様子
何か1つの企画をして実行し、誰かに感謝される経験。
その中で満たされる「自己肯定感」を育む。
家庭クラブの活動がそういった役割を果たせるのではないかと考えています。
活動の中でうれしかったことはありますか。
(M先生)
ある三年生のメンバーが「家庭クラブで、自分の特技を生かしながら人に感謝されることを経験できた」と作文に書いてくれたことがありました。
確かに振り返ってみると、一年生の頃、まだ何もわからず先輩からの指示を待っていた姿から、学年が上がるに従って「私はこれがやりたい」としっかり意思を示してくれるようになったなぁと感じています。
彼女は家庭クラブに対して、とても熱い想いを持ってくれていて、勉強なども非常に忙しいんですが、我々教師の提案を絶対に断らないんです。
その上いろいろ考えて、どうやったら実現できるか提案を返してくれる。
困ったら先生に相談するのではなくてメンバー同士で解決してくれる。
彼女の成長を通じて、家庭クラブが果たせる役割を再認識することができました。
参加してくれた生徒。込めた願いは「恋愛成就」
筆者感想
「お守りづくり企画」を通じて、家庭クラブの活動や活動に込められた想いを知ることができました。
事前に家庭クラブのメンバーに対し、「ミシンの使い方」「糸の替え方」などをレクチャーしたのですが、ミシンを使ったことがないメンバーも積極的に質問してくれ、自らが先生役を務められるように自覚を持って取り組んでいる姿を見て、非常に頼もしく思いました。
ブラザーの製品、サービスがどのように社会に貢献していけるのか。
地域のみなさんの力をお借りしながら、今後もそのあり方を模索してまいります。