ブラザー販売株式会社

CSR日和

社会への貢献

2022.4.08

挑戦する人たちの第1歩を支えたい
~相談員Oさんの想い~

ほっとくんの刺しゅう入り手作りグッズ(ハンカチ・ワッペン)
  

ブラザー販売は、「名古屋市子ども・若者総合相談センター[新しいウィンドウ]」に支援機関として協力し、業務用刺しゅうミシンを使用したワッペンづくりを実施しました。(就労支援のレポートはこちら))

名古屋市子ども・若者総合相談センターは、さまざまな悩みをお持ちの子ども・若者やその保護者の方などがご相談いただける場所です。

ご本人やご家族から相談いただいた内容に応じて、支援機関が連携し、悩みに寄り添って問題解決のお手伝いをします。

相談に来て下さる方の状況に応じて、センターと連携している民間支援団体や公的支援機関といったネットワークの中で適切な支援を行い、最終的には自立できるようになるまで見届ける役割を担います。

今回は、社会復帰を目指す方々を支援されている相談員のOさんにインタビューしました。社会復帰を目指す方々への想いをこの記事を通してお伝えいたします。

Oさんはどんな活動をされていますか?

最終的に仕事に就いてもらうのが目的ではなく、その方の人生が豊かになればいいなと思い、みなさんと歩ませていただいております。

私たちは、相談者さんができることから仕事を探すのではなく、相談者さんがわくわくして、自分らしく社会とつながることができる場所を一緒に探す活動をしています。

仕事を継続していくには、「自分からちゃんとやりたい!と思えること」で社会とつながるほうが、元気に働けるしその人の強みになると思うんです。

相談者さんに寄り添って、どんなことが得意なのか?ではなく、どんなことにワクワクを感じるのか、一緒に見つけることを行っています。

また、今回のワッペンづくり体験と同じように社会に出る1歩目となる就労体験を行っていますが、その体験も報酬の無いボランティアではなく、報酬を得ることで自分が役に立っていることを実感してもらい、その先に仕事に就くということにつながっています。

工夫していること、大切にしていることはありますか?

まず、相談者さんと信頼関係を結ぶこと。信頼関係が無いと一緒に仕事を探そうという気持ちにならないからです。

はじめは、動物園やランチ、映画館に行ったり、相談者さんが好きなことを一緒にやります。相談室では心を開きづらく話しにくいため、部屋の中ではなく、外を一緒に歩いて、相談者さんが話しやすい状況でお聴きするようにしています。

相談を受けて困っていることに対してアドバイスをするといった、上下の関係ではなく、目線を合わせて話すということを意識しています。

活動をされている中で難しいと感じることはなんですか?

相談者さんがどんなことを大切にされているかをつかむのが難しいです。

どうしても自分の価値観が先に出てしまい、相手の価値観や大切にしていることに気づかないことがあります。相談をお聴きするだけでなく、相談者さんと色んな経験を通して、どんなことを大切にされているのか理解していきます。

今回、ワッペンづくりに参加されたNさんが作業を通して刺しゅうの細かい変化に気づいたことで、Nさんが細部まで見られているということに気づきました。

自分の価値観を一旦横に置き、相談者さんの価値観を理解するようにしています。

相談者さんと一緒に体験することを通して、大切にしている気持ち、価値観を知っていくようにしています。

活動の中で嬉しかったことはどんなことですか?

相談者さんが嬉しかった出来事を社会の人も一緒に経験することができ、その人がその人らしく働けていることを聞くことが本当に嬉しいです。

ホームヘルパーの職場見学に行った際に、実は家事以外にも子どものお世話が好きという事が分かり、学童保育の資格を取るために学童保育の経験を積み、就職した方がいらっしゃいます。

その方は、はじめて行った保育園で、園児から「次はいつ来るの?」と声をかけられたことで自分の気持ちが大きく動いたそうです。

そうやって、その人がやってみよう!と思ったことが、仕事として実現されていると本当に嬉しいです。

この活動が今後どのようになってほしいと思いますか?

支援機関として協力して頂ける企業が増えてほしいと思っています。

1つの事例ですが、某飲食チェーン店にご協力いただき、通販の梱包作業を行う就労体験を実施しました。相談者さんも楽しく体験をさせていただくことができました。

筆者の想い

「働く」ということに対して、ただお金をもらうだけでなく、自分らしくいられる場所、自分がワクワクできる仕事であるかどうか、改めて考えるきっかけになりました。

Oさんご自身が企業の人事経験があるからこそ、その経験を活かして「働く」ことに対して壁を感じている人たちに全力でサポートが出来ているのだと実感しました。

その壁を乗り越えようと頑張る人たちに少しでも手助けとなる活動を行っていきたいと思いました。

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