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【その褒め方、まずいかも・・・】お子さんに自信をつけさせる褒め上手になるには?
「怒ってばかりだと、子どもは萎縮してしまう」
どこかでこんな話を聞いたことはありませんか?子育ては褒めて伸ばすのが理想的という考え方がなんとなく浸透しています。叱るときは感情的になってはいけないというアドバイスもよく聞かれますね。
では、子どもを褒めていればしっかりといい子に育つのかというと、そう上手くいくはずもありません。ただ褒め続けるだけでは、子どもの中に良くない甘えが生まれてしまうこともあります。褒めると一言でいっても「いい褒め方」と「悪い褒め方」があるのです。
今回は子どもの成長に効果的な「いい褒め方」をお教えします。あなたのお子様の健やかな成長の手助けになれば幸いです。
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そもそも「褒めて伸ばす」はどういう効果があるの?
「褒める」ことは子どもの成長にどう関係してくるのでしょうか。一言でいうと「自信をつけさせる効果がある」というのがその答えです。自分の行動に自信が生まれ、向上心やチャレンジ精神が、より育まれると言われています。
一方、怒られ続けると子どもは人の顔色を非常に気にするようになってしまいます。怒られることへの恐怖心が生まれてしまうのです。
ただ叱られるという経験は子どもにとって必要です。叱られなければ「やってはいけないこと」などが分からない、向こう見ずな行動をする子どもになる傾向があります。そこだけは勘違いをしてはいけません。
実はこれ、間違ってます…やってはいけない「悪い褒め方」
1998年、アメリカのコロンビア大学である研究結果が発表されました。この結果を一言でいうと「能力・才能を褒めると、子どもに悪い影響を与えてしまう可能性がある」というものです。
この結果は10歳~12歳の子ども400人ほどを対象にした以下のような実験によって明らかになりました。
1.子どもたちをA・B・Cの3グループに分ける。
2.A・B・Cすべてのグループに簡単な図形のテストを解かせる。簡単なので、みんな成績は良い。
3.Aグループには「頭がいいね」と褒め、Bグループにはないも言わず、Cグループには「頑張って問題を解いたね」と褒めた。
4.次にA・B・Cグループの子どもたちに、「難しいけどやりがいのある問題」と「1回目と同じくらい簡単な問題」を選ばせた。
5.「難しいけどやりがいのある問題」にチャレンジした子どもの割合はA・B・Cグループの順に35%・55%・90%だった。
この実験では、「頭がいい」と褒められた子どもは2回目のテストでチャレンジをあまりしなくってしまうという結果が出ています。
なぜこのような状態になったのでしょうか?
褒められるというのはとても嬉しいことです。一度褒められると、また褒められたいので、同じようなことをしようとしますよね。この心理が逆に悪影響をあたえているのです。
「頭がいい」と言われた子どもは、次のテストでも「頭がいい」と褒められたくなります。すると問題が解けない可能性がある難しい問題を解くよりも、全問正解が狙えるような簡単な問題を受けたくなってしまうのです。
一方「頑張って問題を解いたね」とプロセス、努力を褒められた子どもは、努力すれば褒められると思い、チャレンジングな問題を解こうと努力をするのです。
「努力」「頑張り」を褒めることが褒め上手になるポイント
「能力・才能を褒めると、子どもは喜ぶ」と考えるかもしれません。褒められた能力を発揮して結果を出そうと頑張るようにも思われます。しかし、実際には「いい結果が出せるような、簡単なことしかしない」という行動に出てしまう可能性があるということが実験から読み取れたのではないでしょうか?
チャレンジできる子どもはのびのびとしていて、自信にあふれています。では、あなたのお子様をそう育てるには、どういった褒め方が「いい褒め方」なのでしょう。
「いい褒め方」を身につけるには、以下の3つのポイントを意識すると良いです。
1.能力・才能ではなく、具体的な行動を褒めてあげよう
例えば子どもがテストで満点を取ったとします。このとき「100点だ!すごい!」と結果を褒めてしまいがちですが、これでは子どもは「次も100点を取らなきゃ…」とプレッシャーを感じてしまうだけ。
そうではなく「すごい!漢字ドリルこんなに頑張ったもんね!」というようにプロセスを具体的に褒めてあげましょう。そうすると、努力することにポジティブな感覚をつけさせることができ、成長してからも努力が自信に結びつきやすくなります。
2. 子どもに頑張った時のことを話させるような質問をしよう
一方的に褒めていては、目に見えるところしか褒めることはできません。子どもは隠れた努力をしていることがあるのです。そこを褒められるとやはり自信につながります。
隠れた努力を褒めるためには、「すごい!どうしてこれをやってみたの?」というように、チャレンジや努力を子どもの口から伝えさせるような質問をぶつけてみると良いでしょう。きっと自信満々に自分の頑張ったことを話してくれますよ。
3.子どもの「最大限の頑張り」を見極めよう
2つ目のポイントでも挙げたとおり、親は目に見える努力しか、なかなか褒めることができません。努力をしているように見えても子どもにとっては70~80%の頑張りしかしていないということもあります。
こうした努力を褒めても「ちょっと手を抜いても褒められるんだ」と甘い考えが身についてしまう恐れがあるのです。そこで、日頃から「この子はどこまでできるのか」を見極める目が必要になってくるのです。
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勉強は努力・プロセスを褒めやすい最高の素材
小学生くらいであれば、学校のワークシートに点数がついて返ってきます。同級生同士で点数を見せ合って勝負する子もいることでしょう。
学校では点数ばかりが注目されるからこそ、ご家庭ではその努力を褒めてあげましょう。宿題やテスト勉強は学校の先生より家族のほうが褒めやすいのです。
幼稚園通いのお子様にも「これ頑張ってやってみる?」と市販の教材などを勧めてみてもいいでしょう。やりきったらしっかりその努力を褒めて、チャレンジ精神を育ててあげるのです。
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参考:その科学が成功を決める(2012) ※外部サイトへリンクします
出版:文藝春秋
著 リチャード・ワイズマン