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趣味掲載日:2021-04-19

【昭和はパラレルワールドのような不思議なもの】
昭和風の動画を制作する映像クリエイター・にしいさんインタビュー

【昭和はパラレルワールドのような不思議なもの】昭和風の動画を制作する映像クリエイター・にしいさんインタビュー

テレワークが新しい働き方として広まった2020年、ある動画がTwitterを中心に大きな話題を呼びました。

昭和を感じさせる映像の質感やテロップで使用されているフォントと、新しい働き方として広まりつつあったテレワークがマッチしている不思議な動画を手掛けたのは、映像クリエイターである“にしい”さん。

にしいさんの思う昭和の魅力や動画制作のルーツなど、さまざまなお話をお聞きしました。

にしいさんさん・プロフィール

兵庫県神戸市生まれ。関西大学社会学部卒。

10歳から映像制作を始め、大学ではメディアについて学ぶ。

同時に自身で制作した映像を YouTube や Twitter で発信し始める。

現在はテレビ朝日映像に勤務する傍ら、昭和から平成初期をモチーフにしたレトロな映像を中心に制作し、SNSアカウントを通して発信している。

監修者プロフィール

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幼い頃からクリエイティブなことが好きだった

幼い頃からクリエイティブなことが好きだった

― 西井さんが動画を制作されるようになったきっかけをお聞かせください。

にしいさん: 小学校の頃、デジタルカメラが我が家にやってきたことがきっかけです。

最初は映像を撮るだけだったのですが、父親が買ってきた編集ソフトを使って編集も行うようになりました。

― 当時はどんな動画を作っていたのでしょうか。

にしいさん: 当時再放送で観た『ドリフ大爆笑』がすごく好きで、弟とパロディを作ったり、家族の写真や動画を織り交ぜたスライドショーが中心でしたね。

作った動画は家族に観てもらうことも多かったのですが、特に母親のコメントが辛口でした(笑)

ただ、動画は観てくれる家族がいたからこそ続けられたところもあります。

― 反応があんまり良くないと、「ここはあんまり面白くなかったんだな」と次に生かせるような。

にしいさん: 動画以外でも漫画を描くことも好きだったのですが、ある日母が漫画を描いたノートにえんぴつで「絵は上手だけど話は……」なんてコメントが書かれていたこともありました。

動画以外でも漫画を描くことも好きだったのですが

― 動画や漫画と、幼少時からクリエイティブなことがお好きだったのですね。

にしいさん: パソコンでポスターを作るのも好きでした。親が仕事でパソコンを使っていたため、物心つく前から自宅にパソコンがあったんです。

初めて触ったのはWindows 95で、幼稚園の頃からパソコンに慣れ親しんでいました。

― そんなにも早くからパソコンを使っていらっしゃったとは驚きです。

にしいさん: キーボードを使うためにはローマ字を覚える必要があったのですが、祖父から教えてもらって。ローマ字打ちができるようになってからはWordも使えるようになり、プリンターで印刷することも増えました。

― パソコンを使ってどんなポスターを作っていらっしゃったのでしょうか。

にしいさん: 私はもともと看板や道路標識も好きだったので、「ドアを開けたら閉めましょう」や「靴は脱いだら並べましょう」といったポスターを趣味で作っていました。

小学校4年生の頃、先生から「“空き教室に入らないようにしましょう”っていうポスターを作ってほしい」と頼まれて作ったこともありました。その後、中学生になってから偶然母校の小学校に行ったとき、まだそのポスターが貼ってあったときは感動しましたね。

その他にもプリンターでは壁新聞を作るのに必要な写真を印刷したり、今もレタリングをスキャンして取り込んだりと創作には欠かせない存在になっています。

プリンターは、創作には欠かせない存在

― にしいさんの動画では昭和を感じさせるレタリングが印象的ですが、レタリングはいつ頃から書かれるようになったのでしょうか。

にしいさん: レタリングを書くようになったのは大学生の頃です。

もともとフォントへの興味はすごくあったのですが、そのきっかけのひとつは関西を中心に放送されている番組、「探偵!ナイトスクープ」の番組ロゴでした。番組が20周年を迎えた2008年に過去の人気エピソードを再放送していたのですが、それを観ていて「フォントが若干違うな」と感じて。昔のゴシック体と普段使っている文字との違いを入り口に、気付いたら一通りのフォントを調べていました。

そこから大学の卒業前後くらいに昔の映像を作るなかで、自分でもレタリングをしています。

「探偵!ナイトスクープ」のロゴも、もともとは 竹内 志朗さん* という方が手描きでデザインされたもの。以前、手書き文字を紹介されている著書『テレビと芝居の手書き文字』を「若い方に見ていただけるなら」と無料公開されていて、読んだことから影響を受けているところもあるように思います。

*舞台装置家、グラフィックデザイナー。テレビ番組・舞台公演・映画などの題字ロゴタイプを手掛けている。

昭和は近いのに体感できない、パラレルワールドのようなもの

― 昭和感のあるレタリングをするうえで、意識している点はありますか。

にしいさん: ひとつは、手書きで作ることです。
Illustratorといったツールで線を引くこともありますが、手書きにすることで昭和感が滲み出るように思っています。平成、令和の番組ロゴは現存のフォントに加工を加え、スタイリッシュさに磨きをかけていくような印象があります。

昭和の番組ロゴも決して洗練されてないというわけではないのですが、ゼロから手描きで作る、どこかに温かみが生まれるのが昭和っぽさにつながっているのかもしれません。

あとは「〜だってネ」「〜ですネッ」といったように、語尾がカタカナだったり、小さいツが入っているような昭和特有の言い回しを意識しています。

リアルナイトかんさい

― たしかに同じ日本ですが、昭和は空気感も平成や令和とは大きく異なっているように思います。

にしいさん: 私自身は昭和生まれではないのですが、両親から「あの頃はこんなことがあった」なんて話を聞いたり、テレビで過去のコンテンツを再放送したりと、昭和を感じるタイミングは身近なところにたくさんありました。

ただ、近い時代のはずなのに自分は体感していない、パラレルワールドのような印象を昭和に持っていて。

― たしかに同じ日本ですが、昭和は空気感も平成や令和とは大きく異なっているように思います。

にしいさん: そんな珍しさや不思議、あとは憧れを感じています。
現在はスマートフォンやインターネットの存在で、ひとりひとりの趣味の範囲がすごく広がっている時代です。

一方で、昭和はみんな同じテレビを観ている、共通体験が多かったように思います。「テレビ番組の視聴率が60%」なんてことも、今ではなかなか難しいでしょう。

― 「昨日のあの番組観た?」なんて話題もありそうですね。

にしいさん: ただ、昭和は現在よりもコンプライアンスの認識が異なるため、一概に「昭和はいいもの」と言い切れないところも感じています。

私が作る昭和シリーズの動画は現代のコンプライアンスを守っているので、ある意味昭和の良い部分を抽出して新しいものになっているのかもしれません。

昭和のテレビ番組は作り手の遊び心が感じられるところが好き

― これまで制作された動画の中で、特に反響の大きかったものについてお聞かせください。

にしいさん: 大学生の頃、「面白いことがしたい」という友人たちとのグループで動画を作っていたのですが、「大学の単位を落としたことについて記者会見を開く」というニュース番組風の動画が50万回再生されました。この動画が最初のバズ経験だったのですが、就職後は忙しくなり、動画を趣味で作る時間がなくなっていました。

昭和のテレビ番組は作り手の遊び心が感じられるところが好き

にしいさん: ただ、これまで動画はカメラで撮影していたのですが、「スマホで撮ったものなら手軽に制作できる」と気づき、懐かしい番組を再現してみる「昭和シリーズ」の動画を制作するようになりました。

そして2020年4月、Twitterで多くの人に拡散されたのが「80年代風テレワークCM」の動画です。

― 1.4万リツイート、2.8万いいねと、文字通り大きなバズ動画になったのですね。リアクションとしてはどんなものが多かったのでしょうか。

にしいさん: この動画は「テレワークって概念は新しいけど、語感はどこか懐かしいな」と思って制作したのですが、共感する方がとても多かったですね。

私は、テレワーク

― にしいさんは「リアルナイトかんさい」という架空の番組のシリーズ動画も制作されていますが、こちらも架空の番組でありながらも「あるある」と共感する方が多い印象です。もともと「リアルナイトかんさい」はどんな経緯から生まれたシリーズなのでしょうか。

にしいさん: 私は昭和のテレビ番組では、特にCMに入る前の「ジングル」という部分について、演出やカメラワークにこだわっていたりと作り手の遊び心が感じられるところが好きでした。そんな理由から「ジングルのオムニバス」というニッチなものを作ったのがきっかけのひとつです。

私は学生時代からテレビを観ていましたが、実際にアルバイトで関西圏の情報番組の制作に関わっていました。「リアルナイトかんさい」のハプニング映像は「制作側としてこんなことがあったら嫌だな」というあるあるが詰め込まれています。

― スムーズではない進行や、中継場所を間違えてしまうというミスをなんとかカバーしようとする様子が非常にリアルでしたが、そんな背景があったのですね。

にしいさん: もちろん放送人としてミスは許されませんし、ミスは厳しく防止しなければならないのですが、生放送ではスタッフが見切れてしまったり、カメラと出演者のタイミングが合わなかったりといったハプニングはもあります。年々テレビはクオリティも非常に上がっていますが、そんな同じ人間が作っている瞬間が垣間見えるリアルさを作品から感じられればと思います。

今後作ってみたい作品についてお聞かせください。

にしいさん: 動画は今後も引き続き作っていきたいと思っていて、作ってみたいアイデアはたくさんあります。欲をいえば、実際に放送されたかのようなニュース番組風の映像で展開される映画のような作品を作ってみたいですね。

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取材を終えて

取材を終えて

昭和生まれではないにしいさんが作る動画は、昭和らしさを持ちながらも新しいものとなっているのが特徴のひとつです。その背景には、幼少時から抱いていた昭和に対する興味が大きく関わっていました。

また、にしいさんは、CMのテロップやTV番組のロゴのフォントにも注目されていました。みなさんも私たちの周りにある文字に注目してみれば、新しい発見があるかもしれません。

にしいさん制作の ブラザー"最新"Web CM も要チェック!

今回、取材させてい頂いた にしいさん 制作のブラザー"最新"のコマーシャルフィルムも公開中です。是非、ご覧ください。

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