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【第2回】カメラをイチから学びたい人のスキル講座(風景編)
『カメラをイチから学びたい人のスキル講座』、前回は人物編をお届けしました。
今回は、第2回目ということで「風景写真」をよりきれいに、印象強く撮影するためのテクニックを7つご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
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1. 「寄り」と「引き」を考えて、印象的な部分を見つける
風景写真を撮影する際、最初にすることは一番目を引く被写体を見つけることです。そしてそれらがどんな形をしているかを判断していきます。
特徴的な形が見つかったら、画面をどう構成したらその形が生かせるのかを考えます。「寄り」で撮れば、見つけた形を強調することができるかもしれませんし、逆に「引き」で撮った方が被写体を生かせる形を見つけやすいかもしれません。
まずは自分が撮りたい写真の構図をイメージしながら、「寄り」と「引き」を調整してみるとよいでしょう。
2. 「前ボケ」と「後ボケ」の違いを意識する
※前ボケの場合
※後ボケの場合
風景はボケ描写を生かすことで、撮影意図が明確になります。主役と決めた被写体を強調することで、その魅力を引き出す場面も多いのです。例えば上の写真の場合、前ボケにすると「本」が主役となり、後ボケにすると「花」が主役となります。
撮影ポジション、レンズの焦点距離、絞り、被写体までの距離などの撮影の基本を踏まえながら、作画意図が明確に伝わるように、風景撮影にボケ描写を取り入れてみましょう。
3. 小さな被写体は光とボケで浮き上がらせる
ピントを合わせた主役の存在感を強めつつ、周囲の様子を伝えることで臨場感を高めることができます。こうした狙いなら完全にぼかすのではなく、周囲に広がる風景が何であるかがわかる程度に描写するとより効果的です。
一方、主役だけを強調するため、大きくぼかして周囲を見せないようにする方法もあります。上の写真は背景を完全にぼかして、輝く光のみを感じるように表現しています。こうすることで小さな被写体でも主役にすることができます。
4. ぼかし過ぎないように少し絞って、周囲の様子も伝える
風景写真の場合、ボケ具合を巧みにコントロールすることが重要となってきます。(もちろん、大きなボケの中で主役を浮き上がらせるケースもあります。)
ぼかした素材が何であるかがわかる程度のボケ描写とすることで、風景の広がりや奥行きを感じさせ、主役と周囲の様子との対比関係が成り立つように狙うテクニックもあります。
5. くっきりと写したいときは「被写体ブレ」に注意する
全体をシャープに見せたいときには、絞り込んで被写体深度(ピントが合って見える範囲)を広くします。ただし、絞り込むとシャッター速度が遅くなり、風によって被写体が動くとブレが生じやすくなるので注意しましょう。
風の強さや被写体の大きさによって最適なシャッター速度は異なりますが、おおよそ安心できるのは、1/60秒以上が目安となります。
6. 望遠で撮る夕日は太陽にピントを合わせる
こちらは夕日を撮る時のテクニックです。望遠で太陽を拡大する際、雲や海にピントを合わせてしまうと主役の太陽がぼやけてしまうことになります。このとき重要なのは、太陽に正確にピントを合わせることです。
100~300ミリのレンズで前景を入れて太陽を狙うときは、前景と太陽のどちらがメインとなるのかによって、ピントの位置を変えましょう。太陽より目立つ前景を入れたいときは、前景にピントを合わせて絞り込みます。
7. 光芒(こうぼう)を撮りたいときは、できるだけ絞り込む
太陽を画面に入れるときは、光芒(光の筋)の見せ方にも注意しましょう。絞りを開け気味にすると、太陽の周りに光がぼんやりと広がります。
逆に絞り込むことによって、太陽の周りに幾筋もの光芒が現れてより印象的な写真を撮ることができます。光芒をしっかりと写すのであれば、十分な被写体深度が稼げたとしても、さらに絞り込んで撮影することを意識するとよいでしょう。
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被写体を観察して、より「伝わる写真」に
出会った風景を「伝わる写真」として完成させるためには、バランスがとれた構図や、ピントの調整が不可欠です。少し難しそうに思えますが、「何が特徴的か」をしっかり見つけられる習慣をつけてしまえば、スムーズに構図の組み立て、ボケを操ることができるようになりますよ。
今回紹介したテクニックを使って、ぜひ風景撮影を楽しんでくださいね!