- トップ
- マガジントップ
- [ くらし ]に関する記事一覧
- 【無料ダウンロード】儚くも切ない秋の時候の挨拶を、3人のイラストレーターが表現してみた
暮らしに役立つ情報とプリンター活用術をご紹介!
【無料ダウンロード】儚くも切ない秋の時候の挨拶を、3人のイラストレーターが表現してみた
夏も徐々に盛りを過ぎ、秋らしい風が吹いています。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。芸術の秋、食欲の秋、なんていいますが、涼やかな風が好奇心をくすぐってくれる、気持ち良い季節になりましたね。
春、夏に続き、秋にも素晴らしい日本の「時候の挨拶」があります。前回に引き続き、今回も3人のイラストレーターに秋の風景を描いていただきました。
季語の意味と一緒に、学んでいきましょう!
やっと涼しくなってきた。秋の入口、9月の季語
新涼の候(しんりょうのこう)
新涼は主に秋に入り、涼しくなり始めたことを意味する言葉です。「初秋を迎え、涼しくなる季節になりましたが…」といった表現がしっくり来ます。
秋の始まりを表す言葉で季節的には主に9月~10月くらいと思いがちですが、時候の挨拶は旧暦時代の二十四節気を元に決められているので、現在の春夏秋冬とは若干ズレが生じます。現在ではまだまだ暑い時期ですが、立秋(8月7日頃)を迎えると秋に入ります。この立秋は「夏のピーク」を表す言葉で、夏の暑さもこの日を境目として、徐々に衰えて行くことを意味しています。
したがって、新涼の候を使う時期は、主に8月8日頃(立秋)~9月7日頃までになります。8月上旬といえば、夏真っ盛りというイメージもありますので、お盆過ぎ頃から使用するほうがいいかもしれません。
(書き出しの例:拝啓 新涼の候、暦の上では秋になりましたが、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。)
「新涼の候」を、イラストにしてみると・・・
長袖のシャツに厚手の靴下。そろそろ薄着だと肌寒いので、暖かい服で身支度をして出かけましょう。外に出ると、色とりどりの落ち葉が絨毯のように広がっています。清涼感のある、清々しい季節です。
名月の候(めいげつのこう)
秋は空気の乾いた日が多く、大気が澄んでいるため、美しい月を見ることができます。中秋の名月(旧暦8月15日の月)の頃には、満月もしくは満月に近い形の月を眺めることができ、秋の風物詩でもありますね。
「名月の候」は、月の美しい秋の時期に使われる時候の挨拶です。「仲秋の名月」と「中秋の名月」という言葉もあります。この違いは、「仲秋の名月」は旧暦8月の月のことで十五夜の月に限定されず、「中秋の名月」は秋の中日のことで、旧暦8月15日の十五夜を指しています。旧暦の中秋の名月8月15日と現在の中秋にはズレが生じます。そのため、この日にちは毎年変わります。
(書き出しの例:拝啓 名月の候 そよぐ風も秋めいて参りましたがお変わりなくお過ごしのことと存じます。)
「名月の候」を、イラストにしてみると・・・
「うさぎがお餅を付いている」と、月を指差して言ったことのある方も多いはず。でもここのうさぎさんは、お餅ではなく月見うどんを食べているようです。ぽっかり浮かんだまあるい月と、卵の黄身が、まるで兄弟のよう。
イラストレーターのプロフィール
砂糖ゆき
1992年 秋晴れの水曜日生まれ。雨と音楽とおいしいパンがすき。やわらかくて暖かいイラストレーションを目指している。
砂糖ゆきさんのTumblr:http://momoimo514.tumblr.com/(外部サイトへリンクします)
秋が深まってくる、10月の季語
錦秋の候(きんしゅうのこう)
錦秋とは、紅葉が錦の織物のように美しい様子を表現する秋の季語のことです。徐々に秋が深まり、銀杏が黄色に染まった様がイメージできる美しい言葉です。つまり意味は、「秋が深まり、木々の紅葉が錦のように美しい季節を迎えましたが…」となります。
錦秋の候は季節の情景を表す言葉であるため、いつからいつまでに使うとはっきり決まっているわけではありません。葉が黄色の染まる頃ということもあり、初秋ではなく、仲秋以降に使うのが一般的です。10月~11月上旬の立冬までに止めておくのがよいでしょう。
(書き出しの例:拝啓 錦秋の候、さわやかな秋晴れの日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。)
「錦秋の候」を、イラストにしてみると・・・
一面に広がる落ち葉の絨毯が、錦のようだと昔の人は言ったそう。赤や黄色やオレンジの可愛らしい落ち葉を集めて、動物たちは思い思いに遊んでいます。
朝寒の候(あささむのこう)
朝寒は、「あささむ」と読みます。秋の末、露霜がおりるような朝の寒さのことを言います。日中暖かく、夜明けに著しく気温が下がり、この寒暖の差が肌寒さを感じさせる時期を晩秋と呼びますが、今現在の肌感覚だと冬直前の11月から12月はじめくらいの季節です。
これが時候の挨拶になると、やはり旧暦の感覚はだいぶちがって、寒露10月8日から立冬の前である11月7日まで、ということになります。
(書き出しの例:朝寒の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。)
「朝寒の候」を、イラストにしてみると・・・
だんだんと寒くなって、布団から出るのがおっくうになるこの季節。動物たちも、マフラーにニット帽をかぶり、万全の状態で出かけていきます。中には、布団をかぶったままの子も……。
イラストレーターのプロフィール
すがわらあい
専門学校非常勤講師(GD基礎 / Illustrator、Photoshop)。
2014年2月より個人事業「ai.sugawara illustration」立ち上げ。出版、広告、映像・CM・キャラクターデザイン、ステーショナリー、カードデザイン、カレンダーなど、女性向け・ファミリー・児童教育関係を中心に多岐に渡りイラストを制作。アナログとデジタルを行き来し、あたたかくシャープでかわいらしい世界を探る。
すがわらあいのサイト:http://www.a-sugawara.com/(外部サイトへリンクします)
肌寒くなってくる、少し切ない11月の季語
落葉の候(らくようのこう)
落葉とは、木の葉が落ちる様子や、落ちた葉そのものを意味する言葉です。落葉の候全体の意味は「落ち葉が舞う季節」「枯れ葉が落ち、いよいよ寒くなる折」というもの。使用する具体的な時期は、主に11月とされています。
立冬を迎える11月7日頃を過ぎると、暦の上では冬を迎えます。紅葉の見頃はしばらく続くことになるため、主に11月中旬以降に使うのが理想かもしれません。落葉の時期は、旧暦も新暦も違いはないので、11月いっぱいであれば、問題なく使えると思います。
(書き出しの例:落葉の候となりましたが、ご家族の皆様お元気でお過ごしでしょうか。)
「落葉の候」を、イラストにしてみると・・・
紅葉も徐々に終わりに近づき、ちらちらと最後の葉が落ちていきます。そんな葉とじゃれあって遊ぶ小鳥たちの様子です。冬が来たら食料もなくなってしまうので、秋のうちに木の実などを集めておかなくてはいけません。
霜秋の候(そうしゅうのこう)
「そうしゅうのこう」と読みます。霜秋の候は「霜が降りるほど秋が深まった季節」といったことを表す言葉です。「霜秋の候」を使用する具体的な時期は、主に11月とされています。霜秋の候はいつからいつまでという明確な区切りはありません。
ここでネックになってくるのが11月7日頃の「立冬」です。季節の挨拶をしたためた手紙なども旧暦に習って、立冬を境に冬の表現に移り変わると考えるのが普通です。例年になく暖かい日が続くようなら、11月下旬頃に使ってもよいと思われます。
(書き出しの例:霜秋の候となりましたが、皆様お変わりありませんでしょうか。)
「霜秋の候」を、イラストにしてみると・・・
さくさくと枯れ葉を踏み分ける散歩道も、なかなか乙なもの。葉が落ちきると、いよいよ冬がやってきます。寒々しい、秋の最後の姿です。
イラストレーターのプロフィール
まめふく
東京都在住。「キラリ☆と輝くおしゃれな年賀状 」シリーズなど。
まめふくさんのTumblr:http://mamefuk.tumblr.com/(外部サイトへリンクします)
時候の挨拶のイラストをダウンロードして手紙を書いてみよう
過ごしやすいこの季節。心なしか、気持ちに余裕も出てきます。たいした理由はなくても、大切な人に手紙やはがきを一筆したためる、なんていうのも素敵ですね。これらのイラストは、すべてブラザープリントテラスで無料でダウンロードすることができます。秋の訪れを、あの人にも届けてみてはいかがでしょうか。