春の陽射しを感じる3月上旬、ルミナイアーXP1への日頃のご愛顧に感謝し、ユーザー会を開催しました。コンセプトは「糸を極める」。糸は、ソーイングに欠かせない材料の一つ。XP1も、弊社ミシンの中でも類のない豊富な刺しゅうやステッチが大きな特長の1つとなっております。製絲工場の見学から始まり、ランチ、トークショーと、充実した内容で実施することができました。ユーザー様同士の貴重な交流の場にもなったのではないでしょうか。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
開催⽇:2023年3⽉7⽇(火)
まずはオリムパス製絲様の工場見学から
スタート!
名古屋駅から観光バスで岐阜へ。まずは、国産の刺しゅう糸・手編み糸・手芸キットのメーカーであるオリムパス製絲様の工場見学からスタート。今回、XP1ユーザー様のために特別に見学させていただけました。はじめに向かった犬山工場では、製絲の工程を行っています。
糸表面に出ている毛羽を取り除くための「ガス焼き」や糸を巻きつけて留める「かせ上げ」、特別な液に糸をひたし、強く伸縮させることで光沢感を出す「シルケット加工」の工程を見学させていただきました。出荷作業も併せて見学し、手作業のすごさに驚かれる参加者様も。
再びバスに乗り、次は各務原の染色事業部へ。こちらでは染色工程「さらし」「染め」「脱水」「乾燥」を見学。
さまざまな素材に合わせた染色作業について教えていただきました。染色が難しいのは、コットンやシルクなどの天然繊維なのだそう。
ランチタイム
工場でたっぷりと学んだあとは、岐阜市の「エグゼクスガーデン」へ。国登録有形文化財に指定されているという趣深い建物でした。おしゃれな会場で食べるビュッフェランチに、参加者様の会話も弾みます。
ランチタイムを満喫したら、バスで名古屋のブラザーミュージアムへ。
皆さんお待ちかねの宮谷真知子先生によるトークショーを開催しました!
常務取締役 安井のご挨拶
まずは常務取締役の安井から、参加者様へご挨拶。
― 安井
皆様、お疲れさまでした。朝早くから6時間近くご参加いただいていると思いますがいかがでしたか。工場見学では、一般に公開していないところをオリムパス製絲様に見せていただくことができ、よい体験になったのではないかと思います。ルミナイアーXP1は我が社の家庭用ミシンの中でも最高峰のものとなっておりまして、このミシンを使って新しい製作活動をされているお客様が世界中にたくさんいらっしゃいます。今回はユーザーの皆様同士で情報共有をできる機会にもなったのではないでしょうか。我々としても、ワークショップをはじめとしたさまざまなイベントを皆様と一緒に築き上げていきたいと思っております。今後もご愛顧いただくとともに、さまざまなご意見をいただけますと幸いです。本日は、ご用意した内容をお楽しみいただけるようにスタッフ一同頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは残りのお時間もお楽しみください
ブラザーミュージアムにて宮谷真知子先生のトークショー
宮谷真知子先生
香川県高松市出身。兵庫県西宮市在住。服飾デザイナーを経て、ハーツ&ハンズにてキルトを学ぶ。クレイジーキルトを中心に作家活動を行う。ファブリックペイント、ミシン刺しゅうなど様々な素材やテクニックを使用して、クレイジーキルトとの融合を試みている。キルト日本展で「怒涛」が審査員賞受賞。NHK「おしゃれ工房」出演。「クレイジーキルターズクラブ」主宰。ヴォーグ学園大阪校講師。著書は『はじめてのクレイジーキルト』『Machiko Miyatani’s 25th anniversary』『Machiko Miyatani’s 30th anniversary』(日本ヴォーグ社刊)がある。
ご自身もルミナイアーXP1ユーザーの一人。
クレイジーキルトとは
クレイジーキルトとは、不規則に布を縫い付けて刺しゅうを施したキルトのこと。通常はアメリカンパッチワークキルトのような綿を入れず、土台の上に端を曲げながら切れを重ねて仮止めをし、模様縫いで直接土台布と切れを留めていくのが特徴です。
とても日本的な要素が強いキルトで、”クレイジー”は陶器の釉薬が作るひび割れ模様「クレイズ」からきているとも言われています。
当日、ミュージアムには宮谷真知子先生の作品7点を展示。宮谷先生は一点一点作品の紹介をしながら、刺しゅう・素材・糸の組み合わせについて解説してくださいました。
「必ず全部手でなくちゃいけないとか、全部ミシンでなくちゃいけないとかいうことはなくって、手もミシンも使って作品が良くなればいいと思っています。作品が良くなるなら素材もどんなものでも合わせますし、私はいろんなものを組み合わせるようにしています」という言葉には会場の方も深くうなずかれていました。
作品名:ジャポニズム
大きな「見返り美人」の刺繍を中心にした、和を感じる作品。和テイストのさまざまな布地を重ねて印象的な雰囲気に。ポイントは、中心の見返り美人の刺繍の布地がちりめん地であること。もともとシボがあるためシワが寄りにくく、美しく仕上げられます。
作品名:Yシャツとボタン
Yシャツの端切れの上にアルファベットの刺繍を施しています。
カラフルなシャツとボタンの組み合わせが目にも楽しい作品です。
上部には「STAY HOME」の文字が。2020年のコロナがピークの時期にステイホームして2週間ほどで作られた作品だそうです。
そのほかにも数多くの作品を展示。参加者様は気になる作品を間近でじっくりご覧になっていました。
お土産品のキット内容もご紹介
今回、宮谷先生が参加者様のためにクレイジーキルトを試せるミニサイズのトートバッグのキットをご用意くださり、ご自宅で製作する際に覚えておきたい、簡単なご説明やアドバイスをいただきました。
中心のリボン飾りの周りには、キット同封の緑色のラメ糸などを使った刺繍を入れて華やかに。
持ち手はお好みのリボンを活用することでより素敵な仕上がりにすることができるのだそう。
Q&Aタイム
Q&Aタイムでは、参加者様から事前にいただいていたご質問にお答えいただきました。
どんなときに作品のイメージが浮かんできますか?
― 宮谷先生
やはり布地との会話をしているときですね。クレイジーキルトは素材作りから始まるので、素敵な刺繍の素材ができあがったら、その刺繍からイメージを広げていきます。デザインイメージは素材ありきです。モチーフの刺繍ができたらそれをどう組み合わせようかと考えて、そこがデザインソースになっています。
初心者でも取り組める内容はありますか?
― 宮谷先生
トークショーにてお渡ししたキットは、初心者の方にぴったりだと思います。土台の上に重ねてマチ針で縫い付けていくというやり方はまだしたことがないという方もいらっしゃると思うので、一度試してみてください。クレイジーキルトってこうやって作るんだなというのがわかれば、もっと違うデザインもできるようになっていくと思います。
素敵な作品を作り続ける原動力は何ですか?
― 宮谷先生
毎日糸を触ることです。どんなに忙しくても必ず何かちょっとでも針仕事をして一日を終えるようにしています。どこかに遊びに行っている日も、常に刺繍のことを考えながら過ごしていますね。
ユーザー会の最後には、参加者様のお名前入りのサイン本を手渡ししていただきました!
ホームファッション機器営業部⻑ 鵜飼からご挨拶
― 鵜飼
本日は一日ありがとうございました。また、日頃からルミナイアーXP1をご愛顧いただきありがとうございます。我々としては、XP1を長く使っていただきたいと考えておりますので、今後もいろんな提案をさせていただきたいと思っております。このような会を開催する際には、またぜひご参加くださいませ。本日は誠にありがとうございました。
今回はクレイジーキルトのおもしろさにも触れることのできる、素敵な会となりました。皆様、これからもルミナイアーXP1とともに楽しいソーイングライフをお過ごしください!
ありがとうございました!