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【イベントリポート】触れて、作って、つながって。大自然の中、まったく新しいものづくり体験を
2022年4月16日(土)〜17日(日)の2日間、ハーヴェストクラブ浜名湖の芝生広場を舞台に、『浜名湖旅するパーク』が開催されました。当日は、20組80名のご家族や地域の方々が大集合。盛り上がりを見せた本イベントの模様をレポートします!
青空の下、親子でミシンに触れる
『浜名湖旅するパーク』は、「参加者の方々に、非日常的な時間をゆったり過ごしてもらいたい」という想いのもと、株式会社STORY&Co.(ストーリーアンドカンパニー、以下、STORY&Co.)が主催したイベント。「自分たちの遊び場は自分たちで作る」をテーマに、6つのブースが用意されました。
今回のイベントにて、ブラザーは「ミシンゾーン」のパートナーとしてご協力しました!
早速イベント会場を覗くと、何やら大きなミシンを発見。実はこれ、第二次世界大戦後の1947年に初めて出荷された、「HA1-B2型」という家庭用ミシンなんです。今ではなかなか目にしたり、体験したりする機会が少ないかもしれませんね。
▲「ちゃんと動くかな......」とドキドキの表情を浮かべるお子さま。お母さまもいっしょに足踏みをサポート!
▲このミシンには、参加者の皆さんも興味津々!次々と訪れては、青空の下、親子で和気あいあいとミシンを触る光景が見られました
操作方法は、足下の踏板を前後に動かすと、はずみ車が回転して針が上下に動き、布を縫うことができる(※)というもの。端から見ていると簡単そうですが、実際に触れてみると、コツを掴むのがなかなか難しいんです!
(※)...踏板の上下運動を回転運動に変える「クランク」という仕組みを活用しています
▲お二人とも、真剣です!!
親御さんからは「思ったよりも足踏みペダルが重くて大変でした」「足踏みペダルを押しつつ、布を縫うリズムをマスターするまで時間がかかりましたね」「最初はこの仕組みが分からず、縫いたい方向と逆に進んでしまって難しかったです......」なんて声もあがっていました。
▲慣れないミシンに苦戦する方が多かった一方、「縫うのが難しいかと思ったけど、すいすい進んだ!!」というお子さまも
さらに注目なのが、ブラザーの家庭用ミシン「COMPAL900」を活用し、巾着袋・お弁当袋のいずれかを作れるコーナーです。
▲コールマン提供の廃材を活用しながら縫っていきます!この廃材、元はテントの一部(タープ)だったそうです
▲横にはスタッフが付き、しっかり作品の完成までサポートします
▲あわせて、ミシンの使い方を解説する動画サービス「Sewing Oasis(ソーイングオアシス)」も設置。ミシンを初めて使う方でも安心して取り組めますね
「普段捨てられてしまう廃材が、ミシンの力で新しいものに生まれ変わり、世界にひとつだけしかないオリジナルの一品になる」。その工程に、最初は緊張の面持ちを浮かべていたお子さまも自然と笑顔に。「楽しかった!」の言葉がたくさん聞けました。
▲「ミシンを使ってタープ生地を縫うのは初めての体験でしたが、意外とズレずに縫いやすかったです」
▲「体験をさせていただき、幸せでした。自宅のミシンは1針ごとにガチャガチャ音を立てるのですが、ブラザーさんのミシンはスウッと通り、布運びが違いますね。ミシンの変化に驚きました」(EMIさん)
▲「ミシンを触るのは中学校以来だったので難しかったですが、それ以上に楽しかったです!既製品をもらったり、買ったりするだけで自分で何かを作る経験はほとんどなかったので、新鮮でした」(とりいさん)
▲「家でもやりたい!」という言葉と共にお手紙をくれたお子さま
▲感謝の言葉が綴られたお手紙、嬉しいですね!
そんなミシンゾーンをブラザーと共に盛り上げてくださったのが、STORY&Co.が運営するサステナブルなファッションコミュニティ「NewMake」でディレクターを務める吉村真由さん(以下、吉村さん)。
イベントの感想を尋ねると、「『今まで、ミシンを一度も使ったことがない』とソワソワしているお子さまも多かったのですが、ミシンに触れるうちにだんだんと顔がほころんでいって......作品が完成した後は、本当に嬉しそうにしている姿が印象的でした。
そんなお子さまの作品を見て、『いいね!かっこいいじゃん!』と声をかけている親御さんの姿も多く見られました。皆さんに喜んでいただけて良かったと幸せな気持ちです」(吉村さん)とおっしゃっていました。
▲「子どもが楽しむ姿を見ていたら、自分も作りたくなりました」という親御さんも
「『普段、洋服を何気なく捨ててしまう』『不要な洋服を再利用するのは面倒くさい』という方も多いのではないでしょうか。ですが、今回のイベントを通じて、約30分で新しいものができることを知り、『もったいないかも』と感じられるようになると思うんです。
私たちがリメイクではなく『NewMake』という言葉を使うのは、0からものづくりをする楽しさを知ってほしいから。今回のイベントを通して、何か新しい学びが提供できていたら嬉しいです」(吉村さん)
と熱く語ってくださった吉村さん。今後のNewMakeの取り組みにも目が離せません!
皆でイベントを0から作り上げていく過程を楽しむ
また、本イベント最大の特徴が「作る過程」から楽しめること。「染め物ゾーン」を担当するクリエイターズユニット・CAMMOC(キャンモック)代表の三沢真実さん(以下、三沢さん)はこう語りました。
▲会場準備中のお忙しい時間帯にも関わらず、笑顔でお話してくださった三沢さん
「『すでに完成されたイベントに訪れて楽しむ』のではなく、『仲間との交流をしたり、現地の空気感を感じたりしながら、イベント自体を0から作り上げていく』というプロセスそのものを大事にしていただきたかったんです」(三沢さん)
「普段、街や公園で隣り合わせた人と喋って友達になるのはなかなか難しいと思います。ですが、このイベントでは自然と皆が仲間になれるような空気感ができています。家に帰ったとき、今日の出来事を思い出して笑顔になっていただけたら嬉しいですね」(三沢さん)
▲染め物体験には、ホテルでとれた三ヶ日みかんや、レストランで余ったコーヒーのカスを活用
▲割り箸にガーゼ、またはハンカチを輪ゴムでキツく巻きつけます
▲染め液につけて、時間が経ったら......
▲完成です!それぞれ個性が出ていますね
三沢さんが語る通り、イベントの最中も参加者が一体となって楽しめるさまざまなアクティビティが開催されていました。
そのうちのひとつ、「タープ張り」は、全員で協力し、大きなテントを完成させるというもの。こういったイベントづくりからひとつひとつ携わることで、参加者同士の絆が生まれます。
▲完成したテントには子どもたちが集まり、かわいいイラストを描いていました
ほかにも、イベント開始早々から多くの人だかりが見られた「木工ゾーン」では、子どもたちの自由な発想を大切に、おもちゃや道具づくりが行われていました。
▲スタッフが「何を作ろうか?この木は何に見えるかな?」とお子さまに聞きながら、いっしょにものづくりをしていきます
▲木材は、東急ハーベストの敷地内から出た間伐材や、湖に流れ着いた流木などを活用
▲叩いたり、切ったり......力が必要な工程はスタッフと共に
自由にのびのびと、心まで解放されるひと時を
もちろん、作る過程を楽しむだけではなく、各々が自由にのびのびと過ごせるのもこのイベントの良いところです。
▲絵本ブース(奥)や切り株に座ってのんびり読書を楽しむのも良し。
▲参加者同士、スポーツを楽しむのも良しです。
……とここで「皆さん、焚き火を始めます!」の号令が。大充実のイベント1日目も、いよいよクライマックスです。
▲薪をくべるのも、皆で協力しながら実施します
パチパチとはぜる火を眺めながら、緑いっぱいの自然の中で1日を振り返るひとときは、何ものにも代え難いですね。自分達でおこした火でマシュマロを炙って食べられるのも、アウトドアならではの特別な体験です。
歓談を続けていると、夜が更けてきました。楽しい時間って、どうしてこうもあっという間なのでしょうか。こうして1日目のイベントは、ゆっくりと終わりを迎えました。
ミシンブースは2日目も大盛況
2日目のイベントは雨天のため、ホテル内の多目的ホールで実施。10時のオープンに合わせ、多くの方が訪れ賑わいました。中には「昨日から楽しみにしていました!」という声も。イベント開始早々、熱気あふれるブースとなりました。
▲卓球台には1日目同様、テントの廃材やカラフルな紐が置かれます
▲ご家族全員で、スタッフといっしょに布を選ぶ光景も。世界でたったひとつの作品となるため、真剣に吟味していきます
参加者のシライさん(右)は、「子どもが作っていたのに触発されて......昨日は時間がなかったので、早起きして作りに来ました(笑)。素材選びからワクワクしましたし、ミシンを触るのは学生時代の家庭科以来です。気に入ったものができて、本当に嬉しいです」と語っていました。
▲そんなシライさんの作品がこちら!年齢問わず楽しめるのが、ミシンの良いところですよね
▲ミシンのスピードに「はやい!」と驚きの声も
▲細やかなレクチャーを受け、初めてミシンを触るお子さまは真剣な表情です
作品が完成すると、スタッフも参加者の皆さんも思わずぱっと笑顔に。全員拍手で「おめでとうございます!」と声を掛け合い、会場内は終始和やかな雰囲気でした。
▲「家族全員で楽しみにしていました!廃材は普段販売されないので、なかなか見る機会もなく新鮮でした。売っていただきたいくらいです(笑)」と語るタカヒラファミリー。皆さん、笑顔でミシン体験をしてくださった姿が印象的でした
終わりに
参加者の皆さんとスタッフが一丸となり、0から作り上げた本イベント。大自然の中で普段なかなか触る機会がないものに触れ、体験し、めいっぱい遊ぶ......。そんな光景を見ているだけで、幸せな気持ちになりました。
また、「衣類は年間15億着廃棄されているといいますが、そのような消費の仕方を続けていると、2050年には地球が2個ないと足りない環境になっていくと耳にしたのが衝撃的だったんです。そう遠くない未来の話ですし、今回のイベントを機に、SDGsについて自分ごととして考えるきっかけになればと思います」と真剣な表情で語っていた、ブラザー販売株式会社 常務取締役 安井宏一。
「ミシンの最大の強みって、単純に『物を作れる』だけではなく、家族や孫など『誰かのことを想って使える』ことだと思います。そんな価値が伝われば嬉しいです」(安井)
この言葉の通り、今目の前にいる「誰か」を想い、楽しみながら行動すること。その大切さを、本イベントを通じて学んだように思います。
今回のイベントが頭の片隅に残り、ふとした瞬間に思い出されるものになれば嬉しいです。