【いつまでもきれいに】おひなさまを飾る注意点とケア方法

おひなさまはいつ飾る？いつ片付ける？

おひなさまは、一般的に立春（2月4日）から2月中旬にかけて、遅くとも桃の節句の1週間前には飾るのが望ましいとされています。ここで気をつけたいのが、前日である3月2日に飾ること。これは「一夜飾り」とも言われ、同じく一夜飾りであるお葬式をイメージさせるため。前日に慌てて飾るのではなく、余裕を持って飾るのが望ましいでしょう。

また、おひなさまを片付けるタイミングについて、「いつまでも片付けないとお嫁に行くのが遅くなる」と聞いたことがあるかもしれません。このフレーズには「片付けをきちんとさせる」という意味合いによるもの。すぐにでも片付けなければいけないわけではありませんが、きれいに保管するためにも片付ける日を定めましょう。

おひなさまを飾るときに注意したいポイント

では、実際におひなさまを飾る際にはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。

部屋

従来、おひなさまは床の間に飾ることが望ましいとされていました。床の間はお客様をおもてなしする部屋にあり、一段高くなっていることから神様を迎え入れるとも考えられています。

しかし、現在では和室のある家庭も限られている背景から、洋室に飾っても問題はありません。むしろ、みんなが集まるリビングに飾ることで、多くの人の目に留まりやすくなるとともに、お部屋が華やかになります。

また、お客様に見てもらえる玄関もおすすめです。毛氈（もうせん）と呼ばれる赤い布を敷き、靴箱を隠して飾るようにしましょう。

位置

おひなさまを良い状態で長く飾るためには、直射日光や湿度、乾燥を避けた場所を選ぶのがポイントです。

たとえば、冷暖房の風が直接当たる位置におひなさまを飾ると、乾燥してひび割れを招いてしまいます。また、湿気の多い水回りの側では、シミやカビになりやすいことも。立地などで室内の湿気が高くなりやすい場合は、除湿機を置いておくのも忘れてはなりません。

そして、幼いお子さまは身近にあるものをすぐに触ったり、口に入れてしまうことも考えられます。おひなさまは細かいパーツも多く、誤飲を防ぐためにも手の届かないところに置くことも重要です。興味を示したら「触ってはダメ」と一方的に叱るのではなく、「優しく触ってね」と呼びかけて大人の前で触らせてあげても良いでしょう。

おひなさまをしまうには

ひな祭りも終われば、おひなさまを片付ける時期がやってきます。来年、またきれいな状態で飾るためにも、あらためて片付ける際のポイントを押さえておくと安心です。

天気をチェック

おひなさまは湿気に弱いため、片付ける日はカラッと晴れた日が望ましいでしょう。雨の日に片付けると湿気が残った状態でおひなさまをしまうこととなり、翌年出してみたらカビが……なんてことも！晴れた日に片付けられるよう、天気予報のチェックがおすすめです。

また、秋晴れの10月などには一度直射日光を避けた場所で虫干しをしておくと、湿気によるカビをさらに防止することができます。虫干しが終わったら、毛ばたきや小型の洋服ブラシでほこりをさっと取り除きましょう。

写真を撮っておく

毎年、飾る際に「どこにどの人形を置けばいいの？」「小道具の向きがわからない」と、悩んでしまうなんてお悩みもあるかもしれません。

しまう前に一度写真を撮っておき、翌年飾る際に見れば、スムーズに飾り付けができるでしょう。

保管場所

おひなさまを入れた箱は、湿気の多い場所を避けて保管します。

近年では湿度、温度管理ができているトランクルームも増えているため、他の荷物も多いご家庭は利用するのもひとつの方法です。

おひなさまで、お子さまの健やかな成長を願おう

ひな人形は、もともと「災いを移した人形を川に流す」といった中国の風習と、貴族階級の子女の間での人形遊び「ひいな遊び」がもとになったといわれています。さらに魔除けの力を持つと考えられた桃の花を飾り、女の子の美しく健やかな成長を願う行事でもあります。おひなさまを飾る時期や食べるものは、地域ならではの特色が今も残っており、調べてみると新たな発見があるかもしれません。

お子さまにとって特別な行事になるよう、おひなさまを飾って家族でお祝いをしてみてはいかがでしょうか。