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【初心者必見】手ぬいの縫い方の種類から手順・用途まで詳しく解説!
裁縫の基本といえば手ぬいですが、初心者の方はどの場面でどんな縫い方をするべきか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。手ぬいだけでも縫い方の種類は意外に多く、聞き慣れない縫い方、実践したことのない縫い方はなかなかイメージが湧きにくいものです。
さまざまなアイテムを作る際はもちろん、仮ぬいをしたり、ちょっとしたほつれを直したりと、手ぬいのスキルが必要となる場面は何かと多いもの。手ぬいは裁縫のファーストステップと言えます。縫い方の種類や手順、どんな場面で使用するかといった裁縫の基礎をマスターし、今後の作品づくりに役立てていきましょう。
縫い方の種類を覚えるとどんなメリットがある?
ひと口に手ぬいといっても、縫う場面はさまざま。「しつけぬい」や「本ぬい」、「裾上げ」などがあり、どのような作業をしたいかによって適切な縫い方を選ぶ必要があります。
手ぬいの種類を覚えることで、ちょっとした作品を作ったり、ささっと洋服のお直しをしたりできるようになります。ミシンと役割分担をしつつ柔軟に作業できるようになれば、裁縫がより楽しくなるでしょう。
さらに、その場面に適した縫い方ができるようになれば、生地の種類やどのような仕上がりにしたいかを考慮し、手ぬいだけで綺麗に縫うことも可能になります。スムーズに作業を進められるように、この機会に基本の縫い方、いずれ必要になりそうな縫い方をまとめて覚えておきましょう。
基本となる4つの縫い方を覚えよう
まずは基本の縫い方を覚えましょう。裁縫をするうえで必ず覚えておきたい4つの縫い方をご紹介します。
■なみぬい
なみぬいとは、布の表と裏を等間隔で縫っていく縫い方です。布と布を縫い合わせるときや、仮ぬいをするときなどに使います。最も基本的な縫い方となりますので、初心者の方はまずなみぬいからおさらいしておきましょう。縫い目がきつくならないので、さまざまな生地を縫うことができます。
【手順】
1. 玉結びをしたら針を表から裏へ刺し、ひと針分(約5mm)進める
2. 等間隔になるように、裏→表→裏と順番に縫い進める
3. 10cmほど縫ったら布を指で軽くしごいで縫い目を整える
4. 2と3を繰り返し、縫い終わったら玉止めする
■ぐしぬい
ぐしぬいとは、なみぬいと同じ手順でより細かい間隔(約2mm)で縫っていく縫い方です。なみぬいと同様に布と布を縫い合わせるときに使います。また、繊細で美しい生地を使った和服を仕立てるときなどにも使われます。縫い終わりに糸を引っ張ることで綺麗なギャザー(布が寄り集まった状態)を作ることもできるので、ギャザーを使った立体的なデザインを作るときにも役立つ縫い方です
■半返しぬい
半返しぬいは、ひと針縫うごとに縫い目の半分まで戻ることを繰り返す縫い方。なみぬいよりも丈夫な縫い方なので、ミシンぬいの代わりや、ほつれを直すときなどに使います。表から見るとなみぬいのような仕上がりになるため、縫い目を目立たせずにしっかり縫いたいときにおすすめです。仕上がりは柔らかくなるので、薄手の布や柔らかい布、伸縮性のある布は半返しぬいで縫いましょう。
【手順】
1. 半返しぬいを始めたいところで、針を表に出す
2. 縫い目の長さの半分まで(0.5針分)針を戻し、針を表から裏へ刺す
3. 1.5針分先に、針を裏から表へ刺す
4. 2と3を繰り返し、縫い終わったら玉止めする
■本返しぬい
本返しぬいは、ひと針縫ったらひと針戻ることを繰り返す縫い方です。半返しぬいと同様に、ミシンぬいの代わり、ほつれの直しなどで使います。ミシンのように目が詰まった仕上がりになるのが特徴です。とても丈夫な縫い方なので、洗濯の頻度が高いものや、厚手の布、強度が必要な袋物を縫うときなどは本返しぬいを選ぶとよいでしょう。
【手順】
1. 本返しぬいを始めたいところで、針を表に出す
2. 前の縫い目のところまで(1針分)針を戻し、針を表から裏へ刺す
3. 2針分先に、針を裏から表へ刺す
4. 2と3を繰り返し、縫い終わったら玉止めする
生地の端や袖・裾の処理に使う6つの縫い方
きちんと生地の端や裾などを処理することで、より綺麗で丈夫な作品に仕上がります。作品の最後の仕上げのときに役立つ縫い方をご紹介します。
■かがりぬい
かがりぬいは、布端を巻くように縫っていく縫い方。布端をほつれないように処理したり、破れた箇所や綿入れ口を閉じたりするときに使います。表から見たときにやや斜めになるようにかがっていくのがかがりぬいの特徴です。等間隔になるようにかがっていくと、綺麗な縫い目に仕上がりますよ。
【手順】
1. 2枚の布の間で玉結びをし、針を裏から表へ出す
2. 布端を巻くように等間隔で縫い進める
3. 2を繰り返し、縫い終わったら2枚の布の間で玉止めする
■ブランケットステッチ
ブランケットステッチとは、ひと針ずつ針に糸をかけながら縫っていく縫い方です。フェルトの縫い合わせなどでよく使われます。表から見たときに、縫い目が垂直になるようにかがっていきます。見栄えの良い仕上がりになるので、布の端にかわいいアクセントをつけたいときにもおすすめです。
【手順】
1. 2枚の布の間で玉結びをし、針を裏から表へ出す
2. 針を出したところから2~5mmほど横の位置で、針を表から裏へ刺す
3. 刺した針の後ろに糸をかけるようにして、そのまま針を抜く
4. 2と3を繰り返し、縫い終わったら2枚の布の間で玉止めする
■流しまつりぬい
流しまつりぬいは、糸を斜めに渡すようにまつっていく縫い方。スカートやズボンの裾上げ、裏地のある洋服の袖口の処理などに使います。縫い目が斜めになるように大きくまつるので、仕上がりはゆるくなります。絹などの柔らかい布を縫い付けるときにおすすめの方法です。
【手順】
1. 布の端を折り、縫い代の裏から針を表に出す
2. 5mmほど先の表布の織り糸を針で1~2本だけすくう
3. 針を縫い代の裏から表へ斜めに刺す
4. 2と3を繰り返し、縫い終わりを玉止めする
■縦まつりぬい
縦まつりぬいは、流しまつりとほぼ同じ手順ですが、布端に対して直角に糸を渡すようにまつっていく縫い方です。流しまつり同様に裏地のある洋服の袖口などの処理で使うほか、アップリケや名札を縫い付けるときにも使います。流しまつりよりぴったりと縫い付けることができ、縫い目が目立たないのが特徴。ハワイアンキルトやフェルトでの作品作りにもおすすめです。
【手順】
1. 布の端で縫い代を折り、針を裏から表に出す
2. 針が出た場所のすぐ上の表布の織り糸をすくう
3. 針を縫い代の裏から表へ斜めに刺す
4. 2と3を繰り返し、縫い終わりを玉止めする
■奥まつり
奥まつりとは、縫い代の奥をまつっていく縫い方です。裏地がないときには、奥まつりをしましょう。表にはほとんど縫い目が目立たずに縫うことができ、高級な服を仕立てる際などにも使われます。
【手順】
1. 布の縫い代の端を折り、表から見えないように玉結びをする
2. 表に縫い目が出ないように気をつけながら、布の内側で流しまつりと同じように縫う
3. 2を繰り返し、表から見えないように縫い終わりを玉止めする
■千鳥がけ
千鳥がけは、糸を交差させながら縫っていく縫い方。まつり縫いと同様の場面で使います。一般的な縫い方とは逆に、左から右に進む(右利きの場合)のが特徴です。手間がかかるぶん丈夫な縫い方なので、ロックミシンの代わりとしても使うことができます。独特な縫い目になるため、布地のアクセントとして使うのもおすすめです。
【手順】
1. 縫い代を折り、針を裏から表に出す
2. 針が出たところの右上の表布の織り糸を2本程度すくい、左側に針を出す
3. 1の縫い目に交差するように、針を縫い代の右下に刺して少しだけすくい、左側に針を出す
4. 2と3を繰り返し、縫い終わりを玉止めする
縫い方の種類を覚えれば裁縫の幅が広がる
裁縫を始める際は、基本となるいくつかの手縫いの方法を知っておくことが必要です。布の種類やどの部分を縫うのか、どんな仕上がりにしたいのかを考えながら、目的に合わせた縫い方を選びましょう。まずは手ぬいをマスターして、オリジナルの作品づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。