コジェネレーションシステムによる電熱利用

ブラザー工業・瑞穂工場

事例の概要

左からシステム監視盤、燃料電池、給湯ユニット

左からシステム監視盤、燃料電池、給湯ユニット

水素ボンベ格納庫

水素ボンベ格納庫

感染症対策を施した社員食堂マイフレンドカフェ

感染症対策を施した社員食堂マイフレンドカフェ

水素エネルギーを活用するブラザー工業

お客様にお使いいただく前に、まず、自社でその利用価値を確認しようとのことから、国内重要拠点である瑞穂工場に燃料電池を設置しました。「電気」と「お湯」を生み出す純水素型燃料電池コジェネレーションシステム(株式会社清流パワーエナジー社製G-FORCE)には、ブラザー製燃料電池が組み込まれており、2020年6月に稼働を開始しました。

生み出された「電気」と「お湯」は、一日に200-300人ほどが利用する社員食堂マイ・フレンドカフェのある建物で利用されています。

「電気」は、商用電源と併用(系統連携)し、マイ・フレンドカフェのある建物が消費する電力の一部を賄っています。一方、「お湯」は、発電によって生み出される50℃以上のお湯を給湯ユニット内にある400Lの蓄熱槽に貯めていきます。蓄熱槽に溜まったお湯は、熱交換機によって、市水と熱交換することで、市水を40℃以上のお湯に変えてマイフレンドカフェのある建物に供給しています。「お湯」は、主にマイフレンドカフェの仕込みから食事の提供が行われる6:00~14:00の間で利用されます。燃料電池を利用することで、建物で消費する電気代を減らし、ガスの炊き減らしにも繋がっています。

燃料である水素は、燃料電池近くに設置された水素ボンベ格納庫から供給されています。この水素ボンベ格納庫には、燃料電池を毎日8時間、4.4kwの出力運転を行った場合、およそ8日間分の水素を保管しています。

平常時はコジェネでお湯と電気を利用し、非常時にはBCP対策室のバックアップ電源に。

マイフレンドカフェの給湯蛇口

マイフレンドカフェの給湯蛇口

災害対策本部が設置される会議室

災害対策本部が設置される会議室

非常用コンセント

非常用コンセント

環境負荷をいかに減らすかが求められている時代、燃料電池を活用したコジェネレーションシステムを自社工場に導入して、エネルギーの利用効率やお客様の利用方法を検討することを目的に、実証実験に取り組んでいます。

一方、燃料電池を非常時のバックアップ電源としても活用することができます。
災害時に商用電源が完全に電源供給を停止したとき、内蔵電源で燃料電池を自立的に立ち上げ、瑞穂工場の災害対策本部が設置される会議室に電源供給します。BCP対策*として、この会議室にはどんな非常時でも使える非常用コンセントを備えました。

災害対策本部が設置された時には、プロジェクターや照明、パソコン、携帯電話の充電、そしてプリンター等で使う約3kwの電力を供給することができます。現在の想定では、水素ボンベ格納庫の水素が満充填の状態で、24時間利用し続けたとしても、4日間は会議室で電気を利用することが可能です。

*BCP:BusinessContinuityPlan。テロや災害などにより、通常の業務遂行が困難な状況に直面した際においても、事業継続のために重要な業務を執行するための準備、計画のこと。

製品の強み。BFC運転データの収集

G-FORCEのシステム構成図

G-FORCE稼働状況モニター画面

実使用時のエネルギー効率の計測はこれからというステージですが、純水素型燃料電池コジェネレーションシステムG-FORCEの理論エネルギー効率は82.2%(出湯熱効率は38%、交流発電効率は44.2%)です。

燃料電池の稼働により、建物で利用する「電気」と「お湯」の一部を賄うことで、CO2排出量の削減にも寄与します。
マイ・フレンドカフェのある建物で、燃料電池の稼働により商用電力や都市ガスの購入量を削減すると年間6t(計算値)のCO2排出量の削減が見込まれます。これは、瑞穂工場で排出されるCO2排出量の5-6%に相当します。

また、ブラザー燃料電池を使ったコジェネレーションシステムの特長として、熱と電気を欲しいときに欲しいだけ出せるという機能があります。
エネファームのようなコジェネレーションシステムの一部では、蓄熱槽に貯められた熱が満量になると発電できなくなるという弱点がありました。導入する際には見落とされがちですが、実際に使い始めると発電したいときに発電できないという問題が出てきます。

燃料電池の稼働状況は、システム監視盤や遠隔監視システムを利用して、常に監視、データ収集をしています。

燃料電池の稼働状況は、G-FORCEに設置してあるモニターで確認することができますが、通信網を利用して、遠隔地から稼働状況を監視することも可能です。G-FORCE稼働状況モニター画面は、遠隔監視の管理画面です。

モニター画面には、「現在の発電量」、「今週の累積発電量」、「今週の累積給湯熱量」と、「今週の累積CO2排出削減量*」が確認できるダッシュボードとなっています。月別の 「発電量」、「給湯熱量」、「CO2排出削減量」や「累積の発電量」なども一覧で確認可能です。
この稼働状況は、燃料電池の設置場所とは離れたブラザー製品の展示館であるブラザーミュージアム[新しいウィンドウ]で確認することも可能です。

*今週の累積CO2排出削減量:1週間で燃料電池が生み出した電力量と熱量を、商用電力や都市ガスから生み出したときに排出したと想定されるCO2量を削減できたものとして推計しています。

導入製品

BFC4-5000-DC380V

72時間の長期運転が可能な高出力モデルを実現。通信基地局など、重要な社会インフラに電力を供給するモデル。

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