災害時も避難所機能を維持するために。 知多市で水素燃料電池を活用したBCP実証を開始

愛知県・知多市・明治電機工業 様

事例の概要

災害時も避難所機能を維持するために。知多市で水素燃料電池を活用したBCP実証を開始

愛知県では、17の企業等と連携し、「低炭素水素モデルタウン実証事業」が進められています。
ブラザー工業はその一環として、知多市の旭公園体育館へ開発中モデルの7kW級の水素燃料電池を設置し、系統連系するとともに、災害時のBCP電源としても活用する実証に参画。2026年4月より運用を開始しました。
本実証は2029年まで継続予定で、公共施設における水素エネルギー活用の可能性や、災害時の実運用性を検証していきます。

7kW燃料電池(開発中モデル)の設置風景 旭公園体育館

災害時にも「地域機能を止めない」ために

旭公園体育館は、市民の運動や集会に利用される公共施設であると同時に、災害発生時には広域避難場所や救援物資の輸送拠点としての役割を担う重要な施設です。
災害により停電が発生した際にも、必要な機能を維持できるかどうかは、地域防災において大きな課題の一つです。

今回の実証では、水素燃料電池をバックアップ電源として活用することで、通常時は体育館内の照明、公園内街路灯などの施設系統へ活用します。
災害発生時においては、通信・充電用途としての利用や、災害対応に必要な電力として活躍するBCPコンセントに対し、水素燃料電池より電力供給することを想定しています。
実証を通し、日常利用と災害対応を両立する仕組みとして検証を進めます。

実証で検証するポイント

今回の実証では、単なるバックアップ用発電機としてではなく、実際の公共施設運用に組み込んだ形で、水素燃料電池の有効性を検証します。
主な検証内容は以下の通りです。

①災害時の実用性

停電時に災害対応機能を維持するための電力供給性能や、現場での操作性を確認します。

②負荷変動への追従性能

災害時には、接続される機器によって消費電力が大きく変動します。
ブラザーの燃料電池は、こうした負荷変動への追従性能を特徴としており、実際の環境に近い条件で検証を行います。

③通常時と非常時を両立する運用

通常時は系統連系によって施設へ電力供給を行い、災害時には自立運転へ切り替える運用を実施。
地域インフラとして継続的に活用できるかを検証します。

④長期運用を見据えたシステム改善

2029年までの長期実証を通じて、年間を通した発電効率の維持やCO2削減への貢献、長期運用に適した発電制御について検証を進めます。
また、実際の運用で見えてくる課題や改善点を検証し、災害対応に求められるシステムの高度化につなげていきます。

知多市における低炭素水素モデルタウン実証設備の構成

水素を活用した地域インフラの可能性

本実証では、明治電機工業株式会社がシステム全体の構築・設置・実証を担当しています。
また、水素カードルの自動切替など、継続運用を見据えた仕組みも導入されており、公共施設における水素エネルギー活用の可能性を検証していきます。

ブラザーは本実証を通じて、災害時にも地域機能を止めないインフラの実現に向け、BCP対応に求められる燃料電池技術の高度化を進めてまいります。
なお、7kW燃料電池は2027年度正式リリース予定です。

今後の発信予定

今後も、実証の進捗や運用知見について発信していく予定です。
今回:実証事業(燃料電池BCP対応)の概要
2回目:運用の具体的プロセス
3回目:途中経過の確認
4回目:実証事業まとめ(2029年予定)

参考資料

愛知県 知多市における低炭素水素モデルタウン事業を開始 [新しいウィンドウ]
愛知県「愛知県知多市における低炭素水素モデルタウン実証事業オープニングセレモニーを開催します」 [新しいウィンドウ]
明治電機工業株式会社 愛知県知多市における低炭素水素モデルタウン実証事業 オープニングセレモニーを開催 [新しいウィンドウ]

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