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ペーパークラフト制作の裏側全部見せます

*この記事は、「旧車ペーパーモデル大全集Vol.1」掲載の記事を一部編集の上、出版元の株式会社内外出版社の許諾により掲載しています。
*製品に関する情報は、雑誌掲載時の情報です。最新の情報は製品サイトにてご確認ください。

ペーパークラフト制作の裏側全部見せます

クルマという3次元の立体を2次元のペーパークラフトへどのように落とし込んでいるのか? 普段は垣間見ることのできないペーパークラフト製作者の裏側に迫った。

亘理知之さん

亘理知之さん
雑誌「オートメカニック」のペーパークラフト付録の製作を手掛ける合わせて表紙のイラストも担当。
また、ブラザーの無料印刷コンテンツダウンロードサイト「Print Terrace」で公開中のペーパークラフトコンテンツなども手掛ける。

亘理さんのホームページ:http://www.geocities.jp/w2_studio/index.html*外部サイトにリンクします。

ペーパークラフトはここまで進化している

亘理さんが手がけるペーパークラフトは回を増すごとに進化を続けている。
雑誌「オートメカニック」の付録として人気の「旧車ペーパークラフト」は、ミニカーと遜色がないように立体感にこだわり、細部の再現性向上や紙質の選択などその相違工夫のレベルは多岐に渡る。 初期と最新の作品を比べるとその違いを実感することができる。

ペーパークラフトはここまで進化している

▲(左):ミニカー(奥)と並べてもペーパークラフトが迫力負けしないよう細部にこだわっている。
▲(中):初期の頃(右)は平面的だったため、最近の付録(左)は立体感を重視した作り込みに。
▲(右):紙質は半艶がベスト。光沢があると反射光で絵柄が見にくく、艶消しは実物感に乏しい。

切り出し~組み立ては十数回に及ぶことも

亘理さんによれば、ペーパークラフトの設計には、通常2~3週間ほど要するところを、雑誌「オートメカニック」の付録は1週間で仕上げるという。 作業の流れとしては取材→展開図の作成→ホワイトの組み立て→色付けなどの工程を経て完成に至る。

スマホのカメラで取材車を逐一撮影。これらの写真を基にペーパークラフトの細部を作り込んでいく。

▲スマホのカメラで取材車を逐一撮影。これらの写真を基にペーパークラフトの細部を作り込んでいく。

まずは車両の取材だ。 全体や細部、車体色などを含め100カット以上をスマホで撮影する。 そして取材時の写真や資料をもとにした設計が始まる。
ここでクルマのカタログの末尾に載っている三面図を利用すると時間短縮ができるという。 三面図がない場合は写真や資料をもとに亘理さん自身で三面図を起こすこともあるのだとか。
仮のペーパークラフト展開図ができたらコピー用紙に印刷してそれを切り抜き、ホワイトの組み立てに移る。

本設計の叩き台になる「ホワイト」をまず製作。このラフのような仮設計ではコピー用紙を使って強度を確認して組み上げ、各部を調整する。

▲本設計の叩き台になる「ホワイト」をまず製作。このラフのような仮設計ではコピー用紙を使って強度を確認して組み上げ、各部を調整する。

ホワイトとは未着色の展開図のことで、形状変更やサイズ修正で試作する叩き台になる。 これを2~3回繰り返せば、クルマの形状はほぼ出来上がり。
最後は色付けで、立体感をだすためにグラデーションを施してキャラクターライン(クルマの基本的形状を構成する線)のエッジが浮き立つようにしているのがポイントだ。 この工程でも、実際に組み立てる作業は3~10回にものぼる。
こうしてみると試作の組み立てにかなりの時間をさいているのがわかる。
ここで亘理さんが頼りにしているのがブラザーのカッティングマシン「ScanNCut CM650W」 ペーパークラフトを手作業で切り出すと約30分かかるところを、このカッティングマシンはたった4分で切り終えてしまう。 おかげで作業効率が30%向上したのだとか。

ペーパークラフト以外のモノ作りにも役立つ「ScanNCut」

ペーパークラフト以外のモノ作りにも役立つ「ScanNCut」

▲ScanNCut CM650Wは展開図をセットすれば自動で絵柄を読み込んだうえで裁断もできるスグレモノ。

ブラザー製のカッティングマシンである「ScanNCut CM650W」は、自動で絵柄を読み込んでその読み込みデータどおりに裁断もしてくれるので、ペーパークラフト作りに役立つ。 だだこれだけに留まらず、ほかのモノ作りにも応用ができる。 以前に雑誌「オートメカニック」編集部からの依頼で亘理さんは、車体に絵柄と文字を描くステンシルテンプレート(紙製)やステッカーを作る道具としてScanNCut CM650Wを使用した。 また、クルマのペーパークラフトをキャラクター化したぬいぐるみも作る亘理さんは、ぬいぐるみの生地の裁断という作業でもScanNCut CM650Wは便利と話していた。 まさに一家に一台あると多方面のモノ作りに重宝するお役立ち道具だといえる。

ScanNCutによるステンシルテンプレートの製作記事はこちら

ScanNCutの詳細はこちら

製作者直伝!組み立てのポイントと組み立てに便利なナナツ道具を大公開!

このように手間暇かけて設計されたペーパークラフトを組み立てる際に、出来上がりを左右するポイントを製作者の亘理さんに聞いた。

ペーパークラフト組み立てポイントその① タイヤの丸みは菜箸で
ペーパークラフト組み立てポイントその① タイヤの丸みは菜箸で

タイヤを丸く組み立てるコツがこれ。 切り出したタイヤのトレッド面を菜箸の曲面でしごく。 クセ付けしたら車体にのり付けするほうから接着し、最後に表面側を組み立てればOKだ。 のり付けには造形用のコテに木工用ボンドを少量つけると、細かい作業ができる。

ペーパークラフト組み立てポイントその② スジ彫りで輪郭線を強調

ペーパークラフト組み立てポイントその② スジ彫りで輪郭線を強調

絵柄にエッジを保ったまま折り曲げるのに必要なテクニックがこのスジ彫り。 折り曲げる輪郭線に沿って定規を当て、奥を切らずに表面だけをなぞるようにカッターの刃を当てるのがポイントだ。 こうすると写真のように折り曲げたとき、シャープな輪郭を表現できる。

ペーパークラフト組み立てに便利なナナツ道具

ペーパークラフト作りに必要なナナツ道具は一般的に手に入るもので十分。コテは造形用のもので、のり付けの際に使う。

▲ペーパークラフト作りに必要なナナツ道具は一般的に手に入るもので十分。コテは造形用のもので、のり付けの際に使う。

ペーパークラフトを作る際に必要な道具は、ハサミや定規、木工ボンドなど、身近で手に入るもので十分だが、作業をより快適にすすめるために、極小部品の組み立て時に便利な拡大鏡や、先に紹介したカッティングマシン「ScanNCut」などを準備するのも良いだろう。

ScanNCutの詳細はこちら

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