2020年ニュースリリース

ブラザー工業株式会社(社長：佐々木一郎)は、スポットクーラーに用いる独自の冷却技術を開発、子会社であるブラザーエンタープライズ(社長：喜多宏)が「排熱レス&フロンレス スポットクーラー Pure Drive (以下：Pure Drive)」として製品化しました。Pure Driveは7月1日(水)にブラザーエンタープライズのブランドにて発売されます。

昨今、熱中症患者数が増加する中、勤務中に起こる熱中症の大半が工場などの作業現場で起きています。このことから、ブラザーではそれらの現場における対策が今後ますます重要になると考え、環境に負荷をかけず、労働環境の改善に貢献する技術として、スポットクーラーに有効な独自の冷却技術を開発いたしました。

ブラザー工業は、これまでの製品開発の中で培った熱流体解析技術を駆使し、冷却機構の最適化を実現。それにより、冷媒とコンプレッサーを使わずに高い冷却効果が得られると同時に、消費電力も大幅に抑えることに成功しています。また、その技術を用い、ブラザーエンタープライズがPure Driveとして製品化を行いました。今後はPure Driveの製品開発と販売の両方をブラザーエンタープライズで行い、環境に配慮しながら、現場で働く人々の労働環境の改善に貢献してまいります。

ブラザーグループでは、中期戦略「CS B2021」のもと、「持続可能な開発目標 (SDGs)」達成への貢献に向け、今後も事業を通じた社会価値の創出に積極的にチャレンジしてまいります。

独自の冷却技術である2段階冷却方式を採用。冷風扇に用いられてきた冷却エレメントによる水の気化現象「直接気化冷却」と、熱交換器内での水の気化現象を利用した「間接気化式冷却」を組み合わせ、2段階冷却方式にしました。この冷却方式により、コンプレッサーも冷媒も不要となり、排熱レスとフロンレスを実現。冷たい風だけを送ることでき、作業環境全体の快適性の向上とともに、フロンが不使用となり、環境負荷低減にも貢献しています。

現場の不満として多かった風の弱さに着目。風量の設計値を一般的なスポットクーラーの平均値よりも25%増大させたことで、遠くまでパワフルな冷風を届けられる様にしました。冷媒とコンプレッサーを使わない技術を導入したことで、消費電力を220Wと一般的なスポットクーラーの約1/4に抑えられ、熱中症対策に要するエネルギー量の削減にも貢献しています。