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Global Challenger 世界にブラボー!を届けるブラザー社員の仕事をご紹介前例のない仕事に、挑み続ける。寺田 宏平(2002年入社)E&I開発部 プロフェッショナル・エンジニアプロフィール紹介
大学時代機械工学を専攻しており、就職活動ではメーカーを中心に活動。当時のプリンターの技術は日進月歩で、機械系として活躍できるチャンスを感じる。特に、ブラザーでは製品の一部分だけでなく全体に関わることができる点に魅力を感じ、入社を決意。

これまでにない方式を、薄型複合機に。

ブラザーの仕事に、「ここまで」はない。

開発プロジェクトに初めて参加したのは入社1年目の後半でした。ブラザー初の薄型インクジェット複合機の開発で、インクをチューブで供給する方式を複合機で初めて取り入れました。私はプリントエンジンの担当でしたが、若手からベテランまでの少数精鋭チーム。限られた開発人員で薄型を実現するため、設計や開発の垣根を越え、生産や出荷の場面で直前まで奔走したのを覚えています。前例がない中、試行錯誤を繰り返して作り上げた製品は思い出深く、設計に限らず幅広く仕事ができるフィールドを1年目から感じました。
寺田 宏平

逆転の発想が、成功のカギに。

薄型の開発の次に取り組んだのが、画質向上です。写真印刷をより美しくするため、紙送り量のズレを小さくして印刷のムラをなくすことが課題でした。当時、ムラの要因は紙を送るローラーの送りの精度のばらつきであり、それは用紙の後端がローラーを抜ける特異点で紙が押し出されてしまうためであることは分かっていました。しかし、改善する方法がなく検討が続けられていました。そんなある日、私は雑談感覚で上司に「ローラーが紙を押し出すのが問題なら、逆に紙がローラーを押し出すような機構にしてはどうでしょうか?」と絵を書いて見せました。そうしたところ、「これまでにない設計思想でおもしろい!早速試作品を作ってみてよ!」という指示が。
複合機
試してみたところ、これまでの10分の1ほどのズレにまで改善することができたのです。この原理は間違っていない!と確信しましたね。その後、商品企画会議に出席した上司から、「次の新製品はこの方式で必ず画質改善するって宣言してきたからよろしく!」と肩を叩かれたときは、自分のアイデアを実現できる喜びと同時に、何か得体のしれない怖さを味わったのを覚えています。

自分の代わりは他にいない。

エンジニアの面白さとは。

実際に設計を進める上では困難なことばかりでした。このアイデアを本当に理解しているのは自分だけ、世界初のアイデアで参考にできる前例はない、しかも自分の設計経験も十分でないという三重苦。設計と実験をしながら試行錯誤を繰り返す中で、ローラーの直径を変えることでうまくいくことが分かってきました。ただその時点で、既に金型は完成しており、それを一から作り直したいと言う勇気が当時の私にはありませんでした。
寺田 宏平
金型を作り直さずにできる方法を検討し続けていたそんなある日、とうとう中国の工場とのテレビ会議の場で「今回は新しい方式を諦めた方がいいんじゃないか」という意見がでてきました。ここまでやってきたのに、途中で諦めるなんて勘弁してくれ!そう思い、会議の場で開発部長や工場長に対して、技術的な原理は分かっていて、金型さえもう一つ作ってくれれば必ずうまくいくことを訴えました。ただ、熱くなりすぎてしまったんでしょうか。会議中に倒れてしまったんです(笑)そのため、結論がどうなったか分からず、以前の方式に戻っているのではないかと不安に思いながら結果を聞いてみたところ、金型を新規起工してでも、新方式で行こう、との決定が!その後、無事に新方式を搭載した製品が完成し、後継モデルでもこの方式が採用され続けることになりました。自分のアイデアを実現することは責任が重く恐怖さえも感じます。しかし、自分がやらなければ後はない、自分の代わりは他にいない、そう思うからこそエンジニアとしての面白さも実感できる。若いうちからそういったことが経験できたことは貴重でしたね。

チャンスを見出し、新たな課題へ。

奥行きが小さいにも関わらず、A4もA3サイズも出力可能に
インクジェットプリンターの進化は続き、次に手がけたのはA3サイズの用紙も印刷できる、コンパクトな複合機でした。新たに採用されたのが、横向き出力です。通常用紙を横向きにおいて印刷をすると、繊維方向に沿って用紙がカールしてしまい、うまく印刷ができなくなります。そのため、従来のプリンターでは縦向き出力が常識となっていました。しかしコンパクトさを追求するためには横向きは必須。そこで、紙にあらかじめ波形をつけることでカールの問題は解決しました。しかしここからが本当の難関。波形をつけた紙に対してインクを正確に吐出することが必要になったわけですが、これには相当苦労しました。波の形、高さ、紙の伸縮等を把握した上で、インクを吐出するタイミングを補正しなくてはならないわけですから。機械設計の域を超え、ソフトウェアの制御や、工場の生産ラインでの検査工程にまたがる複雑な補正システムを構築する必要がありました。まず、システムの全体構造を考え、どんな仕様にすべきかをソフトウェアの部門や製造部門へ提示し、意見交換をしながら開発を進めていきました。結果、どんな用紙、どんな環境でもズレのない印刷ができるようになり、部品寸法のばらつき分まで補正できるようになるというおまけまでつきました。
波形をつけた紙に、インクを正確に吐出するためには…
正直、30代の前半をこの技術に費やしました。でも、ここまでできたのも一番初めに関わったプロジェクトで専門分野に限らず幅広く仕事ができる会社だということを知っていたから。若手のときからこれまでの仕事って意外と繋がるものです。
そして、現在。まだ世の中にない製品の開発に携わっています。主力であるプリンティング事業に加えて、次の柱となる新規事業を創り上げることが私たちの課題です。新規事業の創出には苦労も多いのですが、そこにチャンスを見出し、“自分の代わりはいないんだ”という気概を持てるエンジニアとぜひ一緒に働いてみたいですね。

TOPICS 開幕戦のチケットは、ブラザーへの入社切符だった。

2001年3月。友人から「プロ野球の開幕戦に行かないか?」という連絡がきました。実は私は根っからのカープファン。開幕戦の場所はナゴヤドームで、当時住んでいた場所からは遠く、交通費のことを考え正直迷っていました。そんなときに来たブラザーからのイベントの案内。日にちは、なんと開幕戦と同じ!交通費は完全支給!気づけば、開幕戦のチケットを握りしめ、ブラザーのイベントに参加していました。そんな不純な気持ちで参加したブラザーのイベントでしたが、人数規模に対して幅広く事業を行っており、自分のやりたいことをやれる環境や技術があるのではと感じ、志望度が大きく上がるきっかけとなったのでした。
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