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くらし

【◯◯の候って言うけれど…】3人のイラストレーターが、時候の挨拶をイラストで表現してみた【夏編】

【◯◯の候って言うけれど…】3人のイラストレーターが、時候の挨拶をイラストで表現してみた【夏編】

日に日に増す暑さに、夏も本番という印象を受ける今日この頃です。一歩部屋から出れば、体にまとわり付くようなじめっとした空気に嫌悪感を覚えたかと思えば、すべてを洗い流してくれるような心地よい雨にほっとしたり。夏は悪いものばかりでもありません。

日本には、そんな夏の季節を表す繊細な言葉たちが多くあります。「小夏」「盛夏」「晩夏」……でもそれっていったいどういう意味なの? そんな疑問に、3人のイラストレーターたちが答えます。

それでは、イラストと一緒に、夏の季語を覚えていきましょう!

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雨が夏の気配を連れてくる、梅雨入り6月の季語

入梅の候(にゅうばいのこう)

ここで言うところの「梅」は樹木ではなく梅雨を表します。「入梅」は読んで字のごとく、梅雨入りを指す季語です。

昔、農家にとって梅雨入りの時期を知ることは、田植えの日取りを決める上で重要なことでした。梅雨入りの時期を前もって示すために作られた雑節、とも言われています。入梅は梅雨入りを指す季語なので、使える時期はごくわずかな期間。6月上旬頃を目安に使用しましょう。
(書き出しの例:拝啓 入梅の候、お変わりなくお過ごしでしょうか)

「入梅の候」を、イラストにしてみると・・・

「入梅の候」を、イラストにしてみると・・・

散歩に出かける女の子と柴犬が主人公。梅雨といえば定番の、紫陽花(あじさい)をあしらっています。つい気分が暗くなってしまいがちなこの季節も、お気に入りの傘や長靴を身につければ、楽しくなってきますね。

小夏の候(こなつのこう)

小夏とは、夏の盛りをむかえる前の時期を指す季語で、小夏のあとには盛夏や向暑といった季語が続いていきます。時候の挨拶としては梅雨の中休みの時期に昔から使用されることが多かったようで、6月中下旬~7月初旬頃に用います。

7月に入ると盛夏や炎暑、大暑といった季語に変わっていくことが多いので、梅雨の終盤や梅雨明けすぐくらい、と思っておくとよいでしょう。
(書き出しの例:拝啓 小夏の候 お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。)

「小夏の候」を、イラストにしてみると・・・

「小夏の候」を、イラストにしてみると・・・

梅雨明け直後の、ほんのりと夏が感じられる空気感を表しています。描かれている果物は日向夏。柑橘系の爽やかな香りに包まれて、少女と猫がお昼寝をしている様子です。

イラストレーターのプロフィール

rcm
名古屋在住。繊細な色使いと、透明感のあるイラストが特徴。
rcmさんのTwitter:https://twitter.com/racemi03(外部サイトへリンクします)

初夏のにおいが嬉しくなる、7月の季語

向暑の候(こうしょのこう)

「向暑」は、暑さに向かうと書く通り、「夏のはじめ」という意味。したがって、夏の初め頃に使うことができる時候の挨拶になります。次第に蒸し暑さが増してくる、初夏に使う言葉です。

手紙では、「そろそろ夏らしくなってきた」「夏を感じるような気候になってきた」という意味で使われます。
(書き出しの例:拝啓 向暑の候、皆様ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。)

「向暑の候」を、イラストにしてみると・・・

「向暑の候」を、イラストにしてみると・・・

夏に向かって緑がおい繁る、山々の様子を表現しました。散歩をする動物たちも、心なしか嬉しそう。暑い日も、若葉の青々とした色彩を見ていると、なんだか元気が湧いてきます。

盛夏の候(せいかのこう)

盛夏とは、夏のもっとも暑い時期のことです。夏はそもそも初夏・梅雨・盛夏・晩夏の四つの節に分けられます。梅雨が明けて夏が本番となる頃を意味するのが盛夏です。真夏のうだるような暑さの頃に、ぜひ使ってみたい挨拶ですね。

盛夏の候は、主に7月上旬から8月上旬までにかけて使われるのが一般的です。また、真夏というと8月をイメージされる方も多いかもしれませんが、「盛夏」は7月はもちろん、8月上旬までの季語として使用されます。ただし、8月中旬になると時候の挨拶としては「残暑の候」や「残炎の候」といった言葉が使われることになるのが一般的です。
(書き出しの例:拝啓 盛夏の候、連日暑い日が続きますが、皆様にはお変わりありませんか。)

「盛夏の候」を、イラストにしてみると・・・

「盛夏の候」を、イラストにしてみると・・・

夏といえば、海!ひまわりが、夏らしさを際立たせています。夏真っ盛りでも、動物たちは元気に遊びまわっているようです。風船に乗って飛んでいくうさぎが、なんともシュール……!

イラストレーターのプロフィール

むうめぐ
本名:井上めぐみ。1986年生まれ、埼玉県出身。神奈川県在住。オリジナルブランド名は「SORAHANA」。セミダークをコンセプトに、レトロ・アンティーク風で、世界観のある絵を心掛けて描いている。アクリル絵の具やえんぴつ、Photoshop、Illustratorなどを使用して、デジタルで絵を描くことが多い。
むうめぐさんのサイト:http://sorahana.ciao.jp/(外部サイトへリンクします)

夏の盛りと終わりを表す、8月の季語

晩夏の候(ばんかのこう)

「夏の終わり」を指す季語です。暦の上であれば、「立秋(8月8日頃)」の前の1ヶ月になります。しかし、実際にはその時期は夏真っ盛りで、連日連夜「真夏日」「熱帯夜」などの言葉をニュースで聞きますね。

また、旧暦では4月・5月・6月が夏ですから、晩夏は6月の異称として使われていました。現行暦や現代の気候と比較すると、かなりのズレが生じていることになります。「晩夏の候」は、お盆の時期になると、使われるようになります。旧盆(8月13日~15日)辺りから8月末まで使うのが一般的です。時候の挨拶は、旧暦や現行暦が入り混じっていることで使い方が難しいものもありますが、「晩夏の候」は現代の気候を体感した季節を尊重して使われる傾向にあります。
(書き出しの例文:拝啓 晩夏の候、暦の上では秋ですが、まだまだ暑さが厳しいですね。)

「晩夏の候」を、イラストにしてみると・・・

「晩夏の候」を、イラストにしてみると・・・

シロクマの目からは、ひと筋の涙が。夏の終わりを惜しむ1枚です。海にアイスにスイカ、楽しかった夏の思い出がたくさん詰まっています。

秋暑の候(しゅうしょのこう)

秋暑とは、「秋に入ったのに、まだまだ暑い」という意味の言葉です。もちろん、旧暦時代の表現なので「暦の上では秋」という前提のもとで使われます。ほかに「向秋」「早涼」など、同じ季節の到来を示す言葉もあります。実際に「秋暑の候」を時候の挨拶として使う場合、時期は8月上旬~8月末までです。

「立秋(8月7日頃)」になると夏の暑さのピークを迎え、徐々に本格的な秋に近づいていくことを意味します。候上、現行歴とは若干のズレを感じますが、旧暦時代の二十四節気に基づくと、8月上旬からは「秋」という文字を使う機会が増えてきます。
(書き出しの例:拝啓 秋暑の候、立秋とは名ばかりの猛暑が続きます。いかがお過ごしですか。)

「秋暑の候」を、イラストにしてみると・・・

「秋暑の候」を、イラストにしてみると・・・

暦の上では秋が来たと言っても、まだまだ暑いこの季節。ひまわりが、最後の力を振り絞って満開に咲き乱れます。この時期に精一杯咲いてもらいましょう。

足元からは、秋に咲き始める花々も顔を出してきました。

イラストレーターのプロフィール

きどふみか
1988年9月20日生まれ、栃木県出身。東京都在住専門学校桑沢デザイン研究所 夜間部VDコース卒業。イラストレーターアシスタントを経て、フリーのイラストレーターに。女の子、男の子、動物などを中心に、ほんわかとしたかわいいイラストが得意。雑誌、挿絵、アプリ等、さまざまなメディアで作品を発表している。
きどふみかさんのサイト:http://sankaku23.web.fc2.com/(外部サイトへリンクします)

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時候の挨拶のイラストをダウンロードして手紙を書いてみよう

夏の季語は、現代で体感する夏の感覚とは少し違うことがわかりました。季語を使うのにも、時期が逸れないように注意が必要です。

今回のイラストも、すべてブラザープリントテラスからダウンロードすることができます。気に入ったイラストを印刷してみるも良し、これらの素敵なイラストを使って、大切な人に暑中見舞いを出してみるのも良し。ぜひ、この機会に活用してみてくださいね。

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