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【ゼロから始めるDTP講座・第5回】ビットマップ?ベクター?美しいデザインのための画像の基礎知識

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DTPでは、写真・イラストの利用はもちろん、文書に図表を取り入れたり、タイトルロゴなどを作成することもあります。

DTP講座・第5回は、レイアウトの中でも目を引く「画像」データを、コンピューター上でどう処理すべきか、基本的なところから学んでいきましょう。

画像にも種類がある。DTPで使用するデータ形式

まず始めに、コンピューターで画像を扱うための、データ形式から説明します。

一般的に、画像データは「ビットマップ」と「ベクター」の二つに分かれます。これらは、画像の表現方法が異なります。用途に適したデータ形式を選びましょう。

「ビットマップ(Bitmap)形式」

画像を小さな点(ピクセル)の集合として表現する。場合によって、「ラスター形式」とも呼ばれる。
画像を細かい格子状に分割し、その正方形の点ひとつひとつに色や輝度の情報が与えられている。

「ベクター(Vector)形式」

複雑な計算式によって画像の色や形を表現する。「ベクトル」と発音する場合も。「ドロー形式」という別名もある。
点・線・多角形などの情報を座標値や属性として保持し、数値データから演算される図形として画像を表現する。

言葉のみではイメージが付きにくいかもしれないので、次に実際の画像の違いを見ていきましょう。

用途によって違う、ビットマップとベクターの使い方

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対して、ベクター形式の画像は拡大しても、数値データを変化させて再描写されます。ジャギーの発生した荒い画像になることはありません。このように、拡大・縮小や変形処理に強いのがベクターの利点です。

しかし、ベクター画像は計算式で表現されるため、複雑な画像の描写には不向きと言えます。写真のように、多彩な配色や複雑な輪郭を、計算による図形として表現するのは困難となります。編集する場合も、膨大な演算が必要となります。

その点においては、ビットマップが圧倒的に有利となります。
複雑な画像や微妙な色の変化も、細かなピクセルによって描写することができるのです。

これらを踏まえて、
「ビットマップ」…写真など、複雑な画像の表現に利用
「ベクター」…図面・ロゴなどの単純な画像、拡大して使用する絵や文字の表現に利用
という使い分けが一般的になっています。

アップすると画像が荒くなる……それって、「解像度」の問題かも

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編集やレイアウトされた画像は、最終的に紙媒体にプリントしたり、ディスプレイに表示したりすることになります。画像を綺麗に表現するためには、「画像解像度」に注意しましょう。

「画像解像度」とは、画像の密度のことを意味し、「dpi(dots per inch)」で表されます。dpiとは、1インチの中にいくつのドット(点=ピクセル)が並んでいるのかを示します。

dpiが大きいほど、より緻密で精度の高い画像となり、逆にdpiが小さければ、ジャギーが発生した荒い画像となります。

画像解像度は、ビットマップ画像に大きな影響を与えます。ベクター画像は、そもそもドットで表現されていないので、解像度は関係ありません。ただし、ベクター画像も最終的には、扱いやすいビットマップに変換されている、ということは覚えておきましょう。

あくまでも目安ですが、
一般的なカラー画像の商業印刷 300~360dpi
A1~A2サイズのポスター 150~250dpi
Webなどのモニター表示 72~96dpi
というのがひとつの基準となります。

必ず覚えよう!DTPでよく使う画像形式と注意点

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最後に、よく使われるファイル形式についてまとめます。
画像を使う場面に合わせて、最適なファイル形式を選びましょう。

「ベクター(Vector)形式」

複雑な計算式によって画像の色や形を表現する。「ベクトル」と発音する場合も。「ドロー形式」という別名もある。
点・線・多角形などの情報を座標値や属性として保持し、数値データから演算される図形として画像を表現する。

言葉のみではイメージが付きにくいかもしれないので、次に実際の画像の違いを見ていきましょう。

「ビットマップ」

・JPEG(ジェイペグ)
写真に向いている。色の微妙な変化をカットして、データサイズを小さくできる。一度圧縮すると画質が劣化して戻らない。品質とサイズの観点から、読み込み速度が必要なWebページに多く使われている。

・GIF(ジフ、ギフ)
単色の多いイラストなどの画像に向く。色数が少なく、フルカラーから圧縮すると元に戻らない。透明度の処理、アニメーションが可能。複雑な画像には向かないが、はっきりした輪郭が必要なロゴによく使用される。

・PNG(ピン、ピング)
圧縮による劣化はなく、可逆性がある。高品質だが、圧縮してもJPEGほど軽くならない。GIF同様に透明度の処理ができる。

・TIFF(ティフ)
画像を圧縮せずに保存でき、編集・保存による劣化がない。ビットマップの品質を保持しつつ、様々なソフトで使える標準フォーマット。非圧縮のためデータサイズが大きい。

・PSD(ピーエスディー)
Adobe Photoshop独自の標準ファイル形式。編集情報も保存でき、ユーザー同士でのデータのやりとりは便利。他の多くのソフトに対応しておらず、最終的には汎用的な形式にする。

「ベクター」

・EPS(イーピーエス)
ベクター、ビットマップの両方を含むことができる。ほとんどのソフトで使用できる標準フォーマット。印刷は可能だが、最終的にはビットマップ化されることが多い。

・AI(エーアイ)
Adobe Illustrator独自の、ベクター形式。PSDと同様、ソフト固有の編集情報も保存できるが、そのままの状態では互換性が低い。

最低限の画像知識を学ぶだけで、デザインはもっと美しくなる

今回は、DTPに限らずWebデザインでも役立つ、画像データに関して学んできました。

仕組みや特徴をおおよそ理解しておけば、画像を扱う際に、データのことで悩まずに済みます。コンピューターによるデザインならではの「画像」を綺麗に見せて、最大限の効果を引き出しましょう。

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