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【針供養って知ってる?】針を大事に使うポイント
ハンドメイドに欠かせない針は、使っているうちに曲がったり折れたりすることもあるでしょう。そんな古くなった針を供養する「針供養」という行事をご存じでしょうか。
今回はそんな「針供養」を紹介するとともに、針を大切に使うポイントを紹介します。
針供養ってどんな行事?
針供養は、使えなくなった縫い針に感謝の気持ちをこめて寺社に納めるとともに、裁縫の上達を願う行事です。例年2月8日、または12月8日に、それぞれ「事始め」と「事納め」という、日頃使っている道具を片付けたり感謝したりする日に行われています。かつては慎みを持って過ごすことが重要とされていたため、これらの日には針仕事をお休みしていたのだとか。
針供養の起源は明らかになっていませんが、一説では中国の風習が由来と考えられているようです。9世紀頃の平安時代には、清和天皇が法輪寺に針供養の塔を建立したという記録もあります。
過去の針供養では、折れたり、古くなった針を柔らかい豆腐やこんにゃく、餅に刺して川に流したり、地面に埋めていました。柔らかいものに刺す理由は、これまで硬い布に刺していた針を労うため。現在では、国内にある針供養を行っている寺社に針を納めることもできます。
そして針供養は、「針仕事の上達」を祈る行事でもあります。ハンドメイドを趣味としている方は、ぜひとも参加したいですね。
あらためて知りたい、針の選び方
針が傷んでしまう理由のひとつは、布の厚さに合わないものを使っていることにあります。何気なく使っている針は、太さや長さが様々なため、使うシーンによって使い分けるよう気をつけてみましょう。
手縫い針は、洋裁用の「メリケン針」と和裁用の「和針」の2種類に分けられます。ソーイングセットに入っているものや、手芸店で販売されているものの多くはメリケン針です。
和裁を行う機会があまりない方は、メリケン針を中心に揃えておくと良いでしょう。パッケージに記載されている「◯号」という数字は、小さいほど太く、大きいほど細い針になります。
ちなみに6〜7号のメリケン針は大体の布に対して使いやすく、9号の針は細くて短いため小回りがきく扱いやすさが特徴です。
針の保管
普段から針を大切に使うのも重要なポイントです。針の保管方法を知り、長持ちさせられるよう注意してみてはいかがでしょうか。
ピンクッション
針を保存するのに、ピンクッションを使うのは定番で、まち針やぬい針など針の種類ごとにわけて使うと便利です。
また、ネクタイをリメイクして作るピンクッションもおすすめ。使用するネクタイの色や柄で印象が異なるピンクッションができるため、お気に入りのもので作るのも良いでしょう。
詰める綿はしっかり目にいれておくと、針をしっかり留めておくことができます。
ピンクッションに針を刺したら、裁縫箱にそのまま入れておくようにすると紛失してしまうようなことも避けられます。
ニードルブック
本のように各ページに針を刺して保管できるニードルブック。手芸店でも販売されていますが、作るのはとても簡単です。
ニードルブックは、同じ大きさのフェルトを数枚重ねて端を縫うことで完成します。ページごとにまち針やぬい針とわけて刺しておくと、使いたい針をすぐに取り出せます。
ニードルツイスター
近年人気なのが、底に磁石がついた円柱型のニードルケース、ニードルツイスターです。磁石のため、針がどこかに落ちてしまうこともありません。
針が折れてしまったら……
折れてしまった針は、紛失してケガを防止するためにも小さなビンなどに入れて保管しておくと安心です。
そのほかにも気をつけたいポイント
針は金属のため、水分が残っていると空気と反応して錆が発生します。手に残った汗や汚れが針に残ったまま保管すると、気づいたら錆が……なんて可能性も。作業が終わったら、柔らかい布で針を優しく拭いておきましょう。また、糸を通したまま長時間そのままにしておくのも、錆の原因となるため、作業が途中でも糸を取り除いておくのも重要です。
もしも錆が発生していたら、針を差し込むことで針を磨くことができる「針磨き」を使うのもおすすめです。
針を大切に使おう
何気なく使っているなかで古くなってしまった針を、柔らかいものに刺して供養する針供養。日本人のものを大切にする気持ちが伝わる行事といえるでしょう。
国内には針供養ができる寺社も多くあります。近くに針供養ができる寺社があれば、ぜひ参加して針仕事の上達を祈願してみてはいかがでしょうか。