プリント日和

【読書でリフレッシュ!】気分転換におすすめな新刊5選

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「女心と秋の空」、「一日千秋」、「物言えば唇寒し秋の風」…「秋」を彩る言葉の多さは、この季節にまつわる情緒の多彩さでもあります。

皆さんも、秋の夜長に少しアンニュイな気分になったり、うつろいゆく秋空の色を眺めながら「このままどこか遠くに出かけたいな〜」なんて気分に誘われたことがあるのでは?

「読書の秋」の言葉がある通り、物思いにふけったり、旅情を刺激されたりすることの多い「秋」だからこそ、人々は本の世界へと誘われるのかもしれません。

今日は、近未来のストーリーから地方移住の話まで、あなたの日常からちょっと離れた世界に触れることができる、気分転換に最適な新刊を5冊ご紹介します。

1.山崎ナオコーラ『反人生』

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“「もう、晩夏なのだわ」
外に出た途端、またひとりごとを呟いた。(本文15頁)”

思い返せば、「秋」はいつだって、過ぎ去りつつある「夏」の名残を惜しんでいる間に、こっそりと訪れるものではなかったでしょうか。

夫を亡くした55歳の「萩子」が送る静かな生活には、過ぎ去った時間を懐かしむまもなく訪れた人生の「晩夏」の香りが溢れかえっています。

そんな萩子がバイト仲間の年下女子に抱く、ときめきのような感情。人生の「どうにもならなさ」は、日常のゆるやかな人間関係のなかにそっと溶かし込んでしまおうーそんなことを教えてくれる表題作「反人生」を含む4編。秋にこそ読みたい一冊です。

2.スティーヴン・ミルハウザー『ある夢想者の肖像』柴田元幸訳

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  • 出典元:白水社※外部サイトへリンクします

この9月に待望の日本語訳が出版されたスティーヴン・ミルハウザーの初期長編作『ある夢想者の肖像』から伝わってくるのは、思春期独特の、退屈で気だるい心地と、そのなかにあでやかに浮かび上がる世界の「驚異」。

アメリカを代表する文豪エドガー・アラン・ポーに心酔する少年「アーサー」を中心に繰り広げられる小説世界は、どんよりとした「暗さ」に彩られながらも、どこか夢見心地な気分へと読者を誘ってくれます。

出社前、凛と冷えた秋の空気を感じて、このまま布団にひきこもっていたいと感じた朝にオススメの一冊。

3.金原瑞人『サリンジャーに、マティーニを教わった』

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  • 出典元:潮出版社※外部サイトへリンクします

『ある夢想者の肖像』の翻訳者である柴田元幸氏とならびたつ日本のアメリカ文学紹介者である金原瑞人氏。

日本が世界に誇る翻訳文化。その第一人者はいったい日々なにを考えて仕事に向かっているのだろうか?『サリンジャーに、マティーニを教わった』は、そんな疑問に真正面から答えてくれるエッセイ集です。

アメリカ文学界隈の最新動向をうかがい知れるのみでなく、本の世界に取り憑かれ、翻訳の苦悩と快楽のトリコになってしまった金原さんの日々の思考を通じて、読者もまた読書意欲をびりびりと刺激されます。

最終章「いつでも書店はあなたのそばに」を読み終わる頃には、きっと皆さんも「また本屋に行きたい!」と思っていることでしょう。

4.フラワーしげる『ビットとデシベル』

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翻訳文学に続き、翻訳者のエッセイを紹介してきましたが、海外文学を日本に紹介する「翻訳者」が、日本独自の情緒を表す表現である「短歌」を書いたらどうなるでしょうか?

今年「日本翻訳大賞」を創設した翻訳者である西崎憲氏が、「フラワーしげる」名義で発表した第一歌集『ビットとデシベル』を読めば、その型破りな日本語に驚かされることでしょう。

しかし、1首1首をじっくりと味わううちに、五七五七七のリズムから大きく逸脱する「型破りさ」が、決して奇をてらったものではないことがわかるはず。

秋といえば月見。中秋の名月は過ぎてしまいましたが、『ビットとデシベル』を片手に宇宙へと思いをはせるのもいいかもしれません。

5.本田直之『脱東京』

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小説、エッセイ、短歌、と紹介してきたところで、最後の一冊には究極の気分転換法である「移住」について書いた新刊をチョイスします。

『脱東京』の著者である本田直之氏が提案するのは、地方移住によって可能になる「仕事」と「暮らし」が気持ち良くつながったライフスタイル。あたらしい移住のトレンドを紹介する第1章、東京を離れ地方に移住するメリットを掘り下げた第2章に続き、なによりも読み応えがあるのが移住によって「脱東京」を果たした人たちのインタビューをずらっと揃えた第3章!

地方移住によるライフスタイル・バリューの変化についてありありとした実感を交えて語られるエピソードを通じて、皆さんも「脱東京」の意欲が高まるかもしれません。

本だって、ちょっとはオシャレがしたい

アンニュイな気持ちや旅への誘いにあふれる秋。読書を通じて心にフレッシュな風をとりいれたら、今度は買ったばかりの新刊おしゃれなブックカバーを着させて、さらに気分転換をはかるのもいいかもしれませんね!

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