2009年10月20日
ブラザー工業株式会社
<技術資料>
ブラザー工業株式会社(社長:小池利和)は、網膜走査ディスプレイ(以下RID*1)の技術開発を進めており、2010年度の事業化を目指しております。この度、RIDの電源ボックスの大幅な小型化に成功し、モバイル化を実現した試作機を開発いたしました。
*1 RID: Retinal Imaging Display
RIDとは、目に入れても安全な明るさの光を網膜に当て、その光を高速で動かすことによる残像効果を利用した映像投影技術です。網膜に投影された映像は「視覚」として認識され、あたかも目の前に映像が存在しているかのように感じます。
<当社RIDの特長>
1. 透過型ディスプレイのため、視野を妨げることなく画像を見ることができます。
2. 場所を選ばず機密情報などを安全に見ることができます。
3. コンパクトサイズで軽量ながら、いつでもどこでも大画面(1メートル先で16インチ相当)を見ることができます。
4. メガネ型で装着しやすいことから、ディスプレイを置けない場所や両手を使って作業をしたい時に、手軽に作業マニュアルなどを参照することができます。
当社におきましては、プリンタなどのレーザープリンティング技術開発を行う中で蓄積された光学システム技術、およびインクジェット方式のプリンティング技術で培った圧電方式(ピエゾ方式)技術などを応用してRIDの開発を行ってまいりました。
2005年に開催された愛・地球博に据え置き型のRIDを使ったアトラクションを展示し、2008年にはメガネ型の試作機の開発に成功しました。今回、実用化に向けて従来試作機での課題であった光源モジュールを含む電源ボックスの小型化を実現しております。
<技術詳細>
RIDは、光源モジュール、光走査モジュール、接眼モジュールの3つのモジュールで構成されています。

■光源モジュールの大幅な小型化を実現
光源モジュールでは、フルカラー画像を表示するため光の三原色(赤・緑・青)のレーザー光源が必要ですが、これまで緑色の半導体レーザーが実用化されていなかったため、従来試作機では緑色固体レーザーを採用していました。そのため、光源モジュール部分の小型化が難しく事業化への課題でしたが、今回、世界で初めて緑色の半導体レーザーを採用したことにより、光源モジュールの小型化に成功しました。
これにより、光源モジュールを含む電源ボックスを従来試作機に比べて体積を20分の1、重量を13分の1まで小型化かつ軽量化いたしました。
また、従来試作機ではAC駆動でしたが、今回は電池駆動を実現させ、モバイル化にも成功しております。
■光走査モジュールおよび接眼モジュールについて
光走査モジュールおよび接眼モジュールは、レーザープリンティング技術開発の中で蓄積された光学システム技術を応用し、既に小型化に成功しております。また、インクジェット方式のプリンティング技術を通し、圧電方式(ピエゾ方式)のMEMS*2技術の開発を行ってまいりましたが、従来試作機にて世界最高速レベルの周波数を実現した光MEMS(高速ミラーデバイス)の自社開発に成功し、鮮明な画像の再現を実現しております。
*2 MEMS:Micro Electro Mechanical System
<RID概要>
■電源ボックス仕様概略
光源 サイズ 重量 |
:赤/緑/青 半導体レーザー :約95x170x30mm :約350g |
■RID本体仕様概略(メガネ装着部・ハーネス除く)
解像度 フレームレート 画角 サイズ 重量 |
:SVGA(800×600) :約60Hz :約18°×13.5° :約22cc :約35g |
■RID装着時の視覚イメージ

<報道関係 お問い合わせ先>
ブラザー工業株式会社 広報・総務部 広報IRグループ 大島 |
TEL : 052-824-2072 FAX : 052-811-6826
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