第三者意見

ブラザーグループの2016年度のCSRへの取り組みに対する第三者意見

当意見は、ブラザーグループのCSRへの取り組みに関する本ウェブサイトの記載内容、および同社の環境、生産革新、購買、品質、人事、CSRの各担当者へのヒアリングに基づいて執筆しています。
同グループのCSRへの取り組みは、トップマネジメント層と現場が共に主体的にグローバル憲章の共有を進めるなど、適切に積み重ねていると言えます。

高く評価すべき点

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 兼 ソシオ・マネジメント編集発行人 川北 秀人
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
代表者 兼 ソシオ・マネジメント編集発行人
川北 秀人
川北 秀人
  • 同社のCSRの基本原則となる「ブラザーグループ グローバル憲章 」の共有について、27言語に翻訳され、世界各地に約560人のグローバル憲章共有リーダーが任命されて活動していること、社長やトップマネジメント層がその実践をそれぞれ約束(コミットメント)し、中国7拠点が合同で「中国横串共有リーダー会」を開催し、ベトナムでも全従業員対象の研修を受けて管理職層が「部門連係の理想を考える」機会を設けていること。トップマネジメント層と現場の従業員との対話機会が731回に上るなど、経営の基本原則を、上意下達的に浸透するのではなく、トップマネジメント層も世界各国の現場も自発的に共有を進めていることは、世界的にベンチマークされるべき水準にあると高く評価します。今後も、「ブラザーグループ社会的責任に関する基本原則 」と合わせて、2020年代に向けてチャレンジが求められる課題を設けるとともに、共有リーダーを中心とした各地・部門の取り組みや工夫、特に人権や環境負荷削減について、取引先も含めバリューチェーン全体で共有されることを、引き続き強く期待します。
  • サプライヤーへの働きかけ について、労働環境・安全衛生・環境保全・倫理・品質・安全・社会貢献・社内体制に関して計80問で構成される「CSRアンケート」に基づくサプライヤー自身による自己評価をフィリピンにおける取引先に対しても実施するとともに、優秀な事例には「CSR表彰」を行い、受賞企業をウェブサイトでも紹介するとともに、点数の低い取引先には是正も求めていること。今後は、ISO 20400を参照しつつ、二次取引先への働きかけや、安全、環境、人権に関する項目への取り組み状況の定量的かつ正確な把握と、業種・規模別など集計結果のフィードバックに基づく改善が促進されることを期待します。

取り組みの進捗を評価しつつ、さらなる努力を求めたい点

  • 環境負荷の削減について、国内外の生産・販売会社で温室効果ガスの排出総量削減 を積み重ねているとともに、SCOPE3の把握や、2020年以降も視野に入れた長期目標の策定を進めたことを評価しつつ、今後は、施設管理部門を含む生産現場全体が連動したエネルギーのジャスト・イン・タイム化や、ユニバーサル・デザイン・フォントの使用推奨、トナーセーブや2in1印刷などのエコモードを標準設定とした出荷など、使用段階での環境負荷削減 を促すことも引き続き強く期待します。
  • 品質管理と顧客満足の向上 について、お客様ご迷惑率という独自指標に基づいて状況を定量的に把握し、不具合への対応から、技術の評価による予防までを体系的に進めていることを評価しつつ、今後は、開発・企画プロセスにおける安全・品質関連項目の位置付けをしくみとして確立するとともに、性能として訴求するなど、開発・企画部門との連動がさらに促されることを期待します。
  • 人的多様性の向上と活用 について、幹部・管理職人材対象の育成計画(拠点サクセッションプラン)に基づく研修などにより、主要拠点である中国において幹部管理職層の大半が現地人材で占められ、ベトナムやフィリピンにおいても研修が継続して実施されるなど取り組みが進んでいることを評価しつつ、今後は、中長期的なグローバル人材ポートフォリオ戦略に基づき、育成と活用の基盤が拡充されることに期待します。また、障碍者雇用 についても、国内グループの雇用率が2.2%に達していることを評価しつつ、今後は、障碍者や日本で働く外国人などが、同じ属性の従業員と交流し相互に相談しあえる関係・環境づくりに、引き続き強く期待します。
  • 働き続けやすい職場づくり について、管理職を対象とした介護セミナーをこれまでに計12回開催し、これまでに全管理職の約4割が参加し、ケアプラン作成サポートツールの提供や地域包括ケアセンターを招くなどの取り組みを高く評価しつつ、今後は育児・介護・看護のための休暇・休職・短時間勤務制度の利用率(ブラザー工業で、継続を含み9.65%)をさらに高められるよう、現場の課題の把握と解消がさらに進むことに期待します。また、「こころの相談窓口」について、労働組合を含めて開設されていることを評価しつつ、家族に関する悩みごとなどの多様な事例を積極的に紹介し、利用を促す取り組みが進むことを引き続き期待します。

グローバル企業として、取り組みの進展が期待される点

  • 多様なステークホルダーとのコミュニケーション について、社長や役員などトップマネジメント層からの発信や従業員との対話が多数かつ多言語で行われていることを高く評価するとともに、今後は、NGOなど社外のステークホルダーとの対話の機会を、特に欧州において積極的に設け、次に取り組むべき社会的課題について学び、協働して取り組むきっかけに結び付けること、また、すぐれた取り組みを社内外に発信するための契機として、At your sideの視点から評価する評価・表彰制度の創設を、引き続き強く期待します。
  • 生物多様性 水資源への配慮・対応 について、愛知ターゲットの進捗を確認する会議まであとわずか3年しかないことを踏まえて、今後は、印刷に不可欠な紙、ミシンによる縫製に不可欠な布の素材を供給する生態系のリスクへの理解・共有をさらに進め、別ウィンドウで開きます Brother Earth との連動も含めて、人材育成をはじめとする保全への取り組みを拡充することを引き続き期待します。
IIHOE
「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に1994年に設立されたNPO。主な活動は市民団体・社会事業家のマネジメント支援だが、大手企業のCSR支援も多く手がける。
別ウィンドウで開きます http://blog.canpan.info/iihoe/  (「IIHOE」の関連サイトへリンクします。)